風の時代に突入し、占星術をより身近に感じられるようになっている私たち。星のことをもっと知りたいあなたのために、西洋占星術研究家・猫星ラピスが、“天体ちゃん”からの動きをやさしく解説するとともに、12星座別の運勢を鑑定。蠍座シーズン「2025年10月24日〜11月22日」までをお届け。

2025年10月24日〜11月22日「蠍座シーズン」の天体ちゃん観測
海王星に続いて天王星も逆戻り
人工知性との共存が問われる
木星より遠い天体は、冥王星を除いてすべて逆行。特に天王星の逆行(11/8)は、人工知能に楽観的なビジョンを持っていた人々に失望をもたらすかもしれません。「人間にとって快いテクノロジーとは何か」を、改めて考え直すタイミングです。蠍座で天体集中も起こり、対抗宮の牡牛座の「オーガニック」精神が色々なシーンで強調されそう。歴史はつねに振り子運動で進むことを実感する季節になりそうです。
天体ちゃんたちからのメッセージ
太陽の王さま
年々、夏と冬の間の「秋」が少なくなっていくような気もするけど、収穫と宴会の季節である天秤座を過ぎて、10/23から蠍座に入っていく太陽の王様です。蠍座は賑やかだった天秤座から、少しずつ「慎重さ」「蓄えること」「忍耐力・持久力」などを意識していくストイックな季節になるわけだけど、2025年の蠍座シーズンは、水のサインに多くの天体が回帰していることもあって、なかなか豊饒な感じ。私が蠍座に入るのとほぼ同時に海王星じいやは牡羊座から魚座にリターンするし、火星くんは11/5に蠍座を離れていくけど、まもなくして金星ちゃん、水星ぼうやも蠍座にやってくるしね。10/14に冥王星逆行が終わったことによって「いよいよ風の時代がスタート」ということになるんだけど、蠍座に天体が集中し、逆行中の土星・海王星がともに魚座、木星が蟹座にあるこのシーズンは、水=感情という要素を抜きにしてはサバイバルが難しい。風=論理でサバサバ行きたいときも、共感や優しさといったことをとりこぼしてしまうと、トラブルが起きてしまう。太陽の王様としては、この季節は「強く優しくたくましくあれ」とアドバイスしたいな。少しずつ寒さが増してくるから「あったかい人」と思われることが大切なんだ。
お月さま
11/5に牡牛座で満月、11/20に蠍座で新月となります。太陽が4ハウス、月が10ハウスというドラマティックな満月で、働きながら子育てや主婦業をこなす女性たちの積もり積もった声が何かを動かしそうな気配ね。とても集中力のある満月のチャートで、色々と時代は新しく変化したけれど「変わって欲しいことは何も変わっていない!」というマイノリティの声が響き渡りそうな感じね。世の中を本格的に「健全にしていこう」という勢いもある満月だから、不健康なことや薬物・アルコールによる弊害にはひとつ「デトックスなニュース」が出てきそうね。11/20の蠍座新月は、太陽・月・逆行中の水星がすべて蠍座28度という同じポイントにいるという、ちょっと異常なほどリセット感がある新月よ。風と火のエレメントにひとつずつ天体が入っているものの、7天体が水のエレメントに過集中しているから、何かとても意外な展開になりそう。情報化社会が進んでいくと思いきや、全く違う未来が見えてくるとかね。11月の満月と新月はどちらにもカイト(西洋凧)がチャート上に現れているのも意味深ね。何かひとつの「裂け目」が見つかると、そこから世界は瞬く間に色を変えていく…。そんな予感がする満月&新月なのです。
水星坊や
しばらくサクサク順行を続けてきたボクだけど、11月は2025年最後の逆行が起こるよ。11/10に射手座で逆行を始めたボクは、11/19には蠍座まで戻り、11/30まで逆行が続いて、再び射手座に戻るのは12/12。蠍座シーズンのほとんどを逆行しているわけなんだけど、この間、地球では何が起こるかというと「冒険したい心」と「安全をキープしたい心」との葛藤や進歩派と保守派の闘いみたいなものかな。その間に、親分星である天王星じいやが双子座から牡牛座にリターン(11/8~2026年2/4まで)したりするから、起こるうることとしては、通信や交通に関する現状の流れに対する「ちょっと待て」なブレーキだよね。AIに人生相談したら、より人生が生きづらくなったとか、やはりチャットGPTでは解決しないとか、そういうことが反動的に出てくるだろうね。コミュニケーションに関しては、昔ながらの対話が見直されそうだし、交通機関に関しては、老化や劣化によるトラブルが心配になってくる。飛行機とか、新幹線とか、メンテナンスをきちんとしてほしいタイミングになってきているんだ。
金星ちゃん
10/14から天秤座にいて優雅なお姫様星として地上に楽しいパーティをもたらしてきた私、金星ちゃん。11/7には蠍座に入って、妖艶なムードと、サバイバーとしての逞しさを発揮してしまう予定です。射手座にシフトするのは12/1だから、11月のほとんどは蠍座で、太陽の王様のあとを追いかけていくことになるわね。私が言うのもなんだけど、2025年の終わりのほうは、ちょっと時代が巻き戻されている感覚があって、たとえば金星ちゃんは愛の星でもあるから、「本当に愛に必要なものは何かしら」っていうようなことも、みんなに考えさせちゃうと思うの。愛し合うふたりが平等であることは大事だけど、それ以上にお互いが「守ってあげたい」と思うことが、最高なんじゃないかとかね。あとは経済的なことから、二人で暮らしを保たせるために結婚するとか、同居するとか、そういうこともどんどん具体化していくと思うわ。お互いのプラスになるためには、まずは相手の性別について悪口を言わないことね。これは基本よ。
火星くん
11/4に蠍座から射手座に移ると、そこから12/15まではずっと射手座にいて、ワイルドな動きを見せていくつもりだよ。射手座の火星はいかように使っても、スピーディに結果が出るからね。「ノーベル化学賞をとりたい」でも、「スポーツで新記録を出したい」でも、「一度に6人の女性と付き合いたい」でも、集中して取れ組めば取り組んだだけ思い通りの結果が出やすい。でも、この時期の火星にはあまりサポートしてくれる天体がないから、あくまで「自主トレ」「自習」に使うのがいいかも知れないね。この間の世界陸上では、6m30cmを飛んだ棒高跳びの選手がいたけど、彼なんかはとても「火星・射手座」っぽいな。「出来る!」とイメージした者勝ちみたいな、それでちゃんとやってみせちゃう的な。楽観的な射手座に火星が入ることで、暗いニュースが多かった2025年が、最後の方でちょっと明るくなるかも知れないね。あと、宇宙ね。宇宙関連のすごいニュースも期待できそうなんだよね。見逃せないかも。
木星どん
6/10に私が蟹座に入って以来、実は一度も逆行をしてこなかったので、11/2の時点でもう「蟹座の25度」というかなり成熟した度数にまで進んできているんだ。木星は来年6月まで蟹座にいるから、このままだとそれを待たずに獅子座に行ってしまいそうだよね。そこで初めての逆行が11/12にスタートして、2026年3月11日まで長く長く逆行が続いていくんだ。その間ずっと蟹座にはいるんだけど、6月からの流れをいったん振り返って、それぞれのやり方について反省したり、吟味したりしていく時間になると思う。幸いこの蠍座シーズンには水星座にいる天体が充実しているから、ヒントはたくさんあるはず。12星座に共通して言えることは、「家族になってみると、絆は強くなるよ」ということかな。実家の家族ももちろん大切にね。
土星教授
9/1から魚座にリターン中。魚座には2026年2月14日までお邪魔しているので、5月から8月いっぱいまでのスピーディな流れが再び戻ってくるのは来年二月以降ということになるね。土星の切れ味としてはちょっと甘いし、ここから「頑張っちゃう」人はいいことだけでなく、がっがりするようなことも待ち受けているかも。私もこの星座にいるときはなかなか毅然とした態度が取りづらいんだ。基本としては「みんながダメ、と決めたことはルールとして受け入れてね」「危険だったり道徳に反したりすることは、やめておいてね」ということ。悪の繁殖に理想的な環境というのも存在するから、そういうとこからは逃げ遅れないように。10/23からは海王星じいやも魚座に出戻りしてるから…。そんなに仲良しでもないけど、彼の「やりすぎ」が破天荒にならないよう、せめて見守ってあげたいと思っている。実は土星って、お父さんぽい星だからね。
天王星じいや
7/7に双子座にわしがシフトしてきて以来、みんな生活に変化が訪れたでしょ? いよいよ本格的になったAI社会が顕著なもののひとつだよね。ここからSFの世界が始まるんじゃないか…と思いきや、逆にAI社会への反動が起こりそうなのがこの蠍座シーズン。まだこの人工知性というシステムは完璧でない、ということが世界各所で問題化しそうなんだ。11/8には、逆行中のわしは古巣の牡牛座に逆戻り。2026年2月14日まで逆行は続いて、再び双子座に戻るまで時間がかかるから、完全にAIを投げ出しちゃう人もいるだろうね。実際、世の中の人間全員が使ったらいいってものでもないと思うんじゃ。まだまだ間違いは多いし、人と人で頭を突き合わせてやった方がいい結果が出ることも多い。ここからはちょっとぱかりオーガニックな回帰が起こるだろうな。リモートより実際のミーティングの会議が見直されることも考えられるよ。
海王星じいや
7/5からゆらゆらと逆行を続けてきましたが、10/23にはなんと、ゆらゆらと居心地がよかった魚座に戻ってきているわしです。なんだか、やっぱりここはくつろげるんだよ。ホームだからね。もともとそんなに働かない性質だから、3月末から牡羊座にいて「夢を現実にしろ」と責められていたときは、結構きつかった。いずれまた牡羊座に戻るわけですが、今や土星じいやまで魚座に来てるからね。で、蠍座シーズンは水のエレメントにたくさん星座もいるから。お酒も美味しくいただけるよ。蟹座・蠍座・魚座はお酒好き、多いでしょ? え? 飲めない? 雰囲気は好きでしょ? まっ、ここはじいやたちが神々として生きる世界だから想像してほしいんだけど、ゆるい神もお堅い神も、2025年前半のあまりに疲れる流れを止めて、レクリエーションモードに入っているのが今の状態かな。/p>
冥王星じいや
5/5から延々と水瓶座の初期度数で逆行していたわし。10/14にようやく、ようやく逆行を終えて、水瓶座1度というポイントから少しずつ、少しずつ、世界全体をニュートラルで意識高いものに変えていこうと邁進しておるのじゃ。特に大変だった水瓶座とその他の風星座(双子・天秤)の諸君も大変だったと思う。自分の本当に居場所を見つけるのに他の星座の倍以上の苦労をしたはずだからね。で、この蠍座シーズン、水のエレメントの星座に入っている天体がほとんどで、トータルでは全く「風の時代」じゃないんです。そうしたとき、わしが出来ることといえば「待つこと」のみ。いずれ、今年の5か月にわたる停滞期間を経て本格的にわしの底力が表に出ていくのは2026年1月からになるじゃろう。それまでは、じっとがまんのじいやなのです。
12星座別 今月の天体ちゃんのお告げ
牡羊座
ともに闘う相棒が見つかりそう。呼吸があう仲間があなたの実力を買っています。年下世代とはスムーズな交流。年は離れていればいるほど◎。新たなコミュニティが結成されることも。恋はあなたの出方次第で好展開。
牡牛座
急にスポットライトがあなたに向けられ、色々な立場から意見を求められそう。あえて天然キャラで押し通しても人気者に。長年積んできた経験はここで再び花開きます。お金に関しても朗報が。苦労の日々はフェイドアウト。
双子座
夏場から続いてきたハードな流れはいったん休止。久しぶりに羽を伸ばせそう。「これは自分らしくなかった」というアプローチは、今から撤回してもOKです。周囲に対する責任感が強すぎて、自分を犠牲にしていなかったか反省を。
蟹座
強味を発揮するシーズン。マイペースでどんどんやりたいことをやってみて。あなたを尊敬するチームも結成されやすい。広く顔を知られることを恐れないこと。何かがうまくいかないときは、形から変えて。ヘアカットが吉。
獅子座
吉凶が湧かれるシーズン。隠し事やハイリスクな「遊び」はバレやすいので、早く足を洗って。清廉潔白なタイプの獅子座は、より静かなカントリーライフに魅力を感じるとき。秋の星を見るパーティなどを開いてみては?
乙女座
自力で開拓が可能になっています。夏場あたりが一番葛藤していたかも。もうあなたは、自由以外のものを欲しいとは思っていないかも。冒険してみたい、という気持ちは進化の現れです。仕事を頑張るのは腹八分程度で。
天秤座
「敵と戦う」ことで活力が増幅していく季節です。愛されキャラだった天秤座に、人間関係においては少し難しい流れが来ているかも。すべてをシェアしなくても、時には独占してもいいのです。弱点を克服してひとまわり成長。
蠍座
たくさんの出来事が起こる季節で、どれもがあなたの急成長につながるでしょう。他人の目にはイージーに見える方向転換も、あなたにしてみればストイックな選択。あらゆる可能性を試してみる価値があります。成功は間近。
射手座
健康面でのケアが重要。射手座の「つい頑張りすぎてしまう」性質が、疲労を溜めているかも。各種検査もぬかりなく。今年いっぱいは養生を決め込むのもいいかも。キーワードは「地球に癒される」。温泉、鉱泉、吉。
山羊座
イメチェン期。「せっかくだったらもっとこだわってみる」と満足できます。特にファッションや美容、コミュニケーション面での洗練など。仕事も「堅実にやればいい」だけでなく、選ばれる人のテクニックを盗みたい。
水瓶座
焼け跡から灰だらけになって生還してきたような水瓶座。オーラを新しくして、汗や涙は洗い流していい香りをまとってみて。つまらないことにとらわれている人間たちとは距離を置いて、高い価値観を共有できる仲間を大切に。
魚座
再び「夢見る心」が活発に。アーティスティックな感性はMAXに開かれているので、それを使って作品を完成したいときです。あなたをマネージメントしてくれるしっかり者を探すのは◎。魚座は永遠の子供でいてOKです。
Illustrations & Text:Lapis Nekohoshi Edit:Naomi Sakai
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