BiSH『GOiNG TO DESTRUCTION』メンバーによるセルフライナーノーツ
既存のルールやコロナ禍における閉塞感を破壊し、自分らしく生きていこうというBiSHらしい闘志が渦巻くメジャー4thアルバム『GOiNG TO DESTRUCTiON』。収録曲14曲について、メンバーそれぞれが1曲ずつ解説。
1「CAN WE STiLL BE??」
作詞/松隈ケンタ×JxSxK 作曲/松隈ケンタ アレンジ/SCRAMBLES
アイナ・ジ・エンド「もしも自分たちが消えたとしてもまた新しい何かが生まれ、それがきっとおもしろいし、だからこそ今を一生懸命に生きたいという気持ちをこめました。この曲のメロディが大好きで、『焦燥感』のところは歌っているメンバーによって叫び方が全然違うのでそこを楽しんでほしいです。レコーディングで松隈さんに『アイナは岡村靖幸さんみたいに歌って』と言われたので意識しました。振付はこれからつけるんですが、かなり面白いものができそうなので、サビは一緒に踊りたいです」
2「in case…」
作詞/JxSxK 作曲/松隈ケンタ アレンジ/SCRAMBLES(TVアニメ『ゴジラS.P <シンギュラポイント>』オープニングテーマ)
モモコグミカンパニー「まだまだBiSHというグループも未完成で、個人としても成長していかないといけない。そんな成長過程も楽しんでやろうと思える曲です。サビにラップが混じってるところが好きですね。アイナが考えてくれたライブ映えする振り付けがやっていて楽しいし、曲のかっこよさを引き立ててくれてると思います」
3「STACKiNG」
作詞/竜宮寺育 作曲/松隈ケンタ アレンジ/SCRAMBLES (TVアニメ『キングダム』第2クールオープニングテーマ)
セントチヒロ・チッチ「日々戦い続けているなかで、BiSHなりの守りたいものを守る覚悟を表す強い意思のある曲です。『キングダム』の世界の人たちと自分たちが、いろんな場を飛び越えて手をつないで敵と戦ってるようなイメージなので、強い固い絆を感じてほしいです。歌詞が難しいのですが、読み解くとグッとくる言葉たちなので、是非ゆっくり言葉も感じて欲しい。振り付けも強い戦士のようなかっこいいダンスなので注目してほしいです」
4「BE READY」
作詞/JxSxK 作曲/松隈ケンタ アレンジ/SCRAMBLES(スマホゲーム「ラグナドール」主題歌)
リンリン「すごく共感できるけど、白黒つけようとする歌詞にハッとさせられます。歌詞に『化け物』という言葉があって、『BiSH-星が瞬く夜に-』にも『化け物』が出てくるのですが、個人的に“化け物=BiSH”だと思ってるので、どんな自分でも良いんだという意味が込められてる気がして好きです。今のライブはキャパ半分でやることが多いので、一個空けの座席の中で左右に体を振りかざしてお客さんも踊れるようにアイナが振りをつけてくれました。歌うメンバーの顔を他5人で覆ったり、集団で動く振りに妖怪っぽさがあって気に入ってます」
5「ZENSHiN ZENREi」
作詞/松隈ケンタ×JxSxK 作曲/松隈ケンタ アレンジ/SCRAMBLES(フジテレビ系『レンアイ漫画家』オープニングテーマ)
ハシヤスメ・アツコ「“原点回帰”。レコーディングの時にこのワードを言われたのを強く覚えてます。BiSHでいうとメジャー1stシングルの『DEADMAN』の時のような……。個人活動で6人色々やってますが、そんなの関係なく全部脱ぎ捨てて歌いました。BiSHらしさ全開なところが好きです。振り付けもサビ真似しやすいし、やっていて楽しいし、清掃員さんも楽しそう!! 一体感が生まれて一瞬で会場がひとつになるところも好きです。音源では『甘えは 許されない』のところはアイナが歌ってるんですけど、ライブではニュアンスを変えて面白おかしく歌ってるところが個人的には好きです(笑)。手をあげて左右に動かすだけの振り付けなので、簡単で真似しやすいと思ってます」
6「NATURAL BORN LOVERS」
作詞/アイナ・ジ・エンド 作曲/松隈ケンタ アレンジ/SCRAMBLES
アイナ・ジ・エンド「2021年2月にソロアルバムを出したけど、私は出会う方々みんなにソロデビューをさせていただいた気持ちになって、周りのことを以前より感謝したり大切にしたくなったのでこの歌詞を書きました。ストリングスがたくさん入っていて壮大なのと、サビの『苦しまないでよ』のメロディを生々しい人間の声色で歌えるので大好きです。笑いあったり涙を見せあいながらもまた一緒に走り出していけたらいいいなという振りにしていきたいです」
7「I have no idea.」
作詞/竜宮寺育 作曲/松隈ケンタ アレンジ/SCRAMBLES
ハシヤスメ・アツコ「イントロから6人全員で歌っていて、どこか10代のような青春の匂いがすると思ったので、個人的に学生や学校の先生っぽく歌いました。10代のどこか儚くてどこか酸っぱく誰もが通る道を歌で表せていたら嬉しいです。真剣な歌詞の中に表われる『ちーんちんちんちんちんちーん』というセリフが好きです‼ 『ちーんちんちんちんちんちーん』をいつか清掃員みんなで合唱できたらいいなと思ってます。『いいたいことがない』をBiSH全員で歌ってるのがポイントです。学校みたいな振り付けになるのかな~(笑)」
8「WiTH YOU」
作詞/モモコグミカンパニー 作曲/松隈ケンタ アレンジ/SCRAMBLES
モモコグミカンパニー「今までのBiSHを振り返って歌詞を書きました。前に進むために何が必要なのか考えてみました。あと、“破壊”という言葉のイメージから“泡”という言葉を思いつきました。明るく歌えば歌うほど切なく聞こえるような曲だと思いますし、曲中のメンバーの声質にも注目してほしいです」
9「狂う狂う」
作詞/セントチヒロ・チッチ 作曲/松隈ケンタ アレンジ/SCRAMBLES
セントチヒロ・チッチ「真面目だけがすべてじゃないかもしれないと思ったときに、やるべきことをやったなかでどれが正解なのか何が支配されてるのか、結局誰も気付かないなら好きなことをやって仲間とハメ外すのもいいんじゃない?っていうジャンキーソングです。メンバーのいろんな声で混ざり合う印象的な歌い出しが好きです。ラスサビや頭のリンリンの声が最高にエモーショナル。英語と日本語を混ぜておもしろくしたのでみんなで歌いたいです」
10「MY WAY」
作詞/松隈ケンタ×JxSxK 作曲/松隈ケンタ アレンジ/SCRAMBLES
リンリン「いろんな人がいる世の中でぶれずに自分の芯を持ち続けたいなと思う曲です。BiSHの曲では珍しいラップ調のメロディで、何人かずつで歌っているのですが、このパートをライブでやる時はどんなダンスなのか今から楽しみです。ラップの部分はミュージカルのようなイメージで切磋琢磨してる感じでシャウトしながらレコーディングしました。Aメロ部分はシーンとしてる感じなので、キンキンとした声にならないように冷静な感じで歌いました」
11「Beginning, End and Beginning」
作詞/アユニ・D 作曲/松隈ケンタ アレンジ/SCRAMBLES
アユニ・D「今回のアルバムは“破壊”がテーマで、このアルバムに残したい言葉たちをBiSHという存在に焦点をあてて書き留めました。創造と破壊、終わりと始まりについて。BiSHの生まれた場所『道玄坂のワンルームから』の部分が特に好きです。ぶちあがるサウンドに乗せて平うたの部分に全員遊び心がある歌い方にしてて、おもしろ味がつまっております」
12「STORY OF DUTY」
作詞/アイナ・ジ・エンド 作曲/松隈ケンタ アレンジ/SCRAMBLES([Call of Duty:Mobile]タイアップソング)
アイナ・ジ・エンド「ゲームの世界ではリスポーンできて羨ましいけど、現実だとできない。だからこそ人生は一度しかないし、楽しんでいこうという曲です。ラップがあるのですが、なかなか変な歌詞をかっこよく歌ってくれるメンバーがいて毎回幸せに思います。振り付けは銃を持っていたり、ビデオゲームシリーズ『Call of Duty』に出てくる臨場感ある戦場をイメージしてます。とても気に入ってる振り付けなので、ライブでたくさんやりたいです‼」
13「BROKEN」
作詞/JxSxK 作曲/井口イチロウ アレンジ/SCRAMBLES
セントチヒロ・チッチ「愛こそすべて。ずっと思っているけれど大事なものほど壊れるのが怖くて言葉にできなかったりする。そういう人間らしい曲です。サビの歌詞が人間らしくて素直なので大好きです。“愛”をテーマにもどかしさが伝わったらいいなと思います。感情的に歌ったのでみんなの心の声のように聞いてほしいです」
14「STAR」
作詞/アユニ・D 作曲/松隈ケンタ アレンジ/SCRAMBLES(読売テレビ『ボクとツチノ娘の1ヶ月』主題歌)
アユニ・D「私らしくないほどくさい愛のうたです。大切な人の何かになりたい。その人の生活や歴史に交わりたいという人間らしい甘えと優しさがつまっております。歌詞やサウンドに温度や景色が混ざってるところが好きです。人と人のふれあいを表したような、メンバー同士が手を繋ぎながら空を見上げる振り付けがよきです」
BiSH『GOiNG TO DESTRUCTiON』
8月4日(水)リリース
初回生産限定盤(CD+Blu-ray+フォトブック)¥11,000
破壊盤(CDのみ)¥3,300
DVD盤(CD+DVD)¥6,380
CD盤(CDのみ)¥3,300
Photos:Takao Iwasawa Interview & Text:Kaori Komatsu Edit:Mariko Kimbara