『妖怪男ウォッチ』作者ぱぷりこに聞く、目からウロコのイマドキ恋愛事情
時代とともに移り変わるのは恋愛事情も同じ。世の中で繰り広げられる2019年現在の恋愛模様とは!? いますぐ出会いたいと思っているのになかなか出会えないあなたは特にチェックすべし。『妖怪男ウォッチ』の作者ぱぷりこが、現代の恋愛観を説く。(「ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)」2019年4月号掲載)
「説教ビジネス」が終焉! 外的圧力が減少傾向に
2008年に山田昌弘さんと白河桃子さんの『「婚活」時代』が上梓されて以降、10年代に「婚活ブーム」が巻き起こり、「結婚は誰もが自然にできるものではなく、婚活をして初めてできるものだ」と意識の変革が起こりました。続いて16年頃、東村アキコさんの『東京タラレバ娘』が話題になり、17年にテレビドラマ化。この作品を筆頭に「行き遅れを自覚して、さっさと結婚しろ!」と上から物申す「説教ビジネス」が絶頂期を迎えました。18年にはみんながその風潮に疲れ果て、もっとマイペースに結婚を考えるようになったと思います。19年は親や世間体など外的圧力で結婚を焦るのではなく、お互いの価値観を共有できる相手を見つけて「パートナーシップ」を築こうとする傾向が強まっています。
「パートナーシップ」を築くのが最新の恋愛観
昭和的な価値観では、「収入の高い相手と結婚し、仕事や趣味を諦めても夫に尽くすことが女の幸せ」という考え方でした。しかし現代はそのような〝正解〞はなく、結婚・出産を「する・しない」も含めて、自分に合う生き方や幸せを見つけなくてはいけません。結婚を選ぶなら、自分の好きなものを手放すことなく、対等な関係性でいられる「パートナーシップ型」を選択したい人が増えてきています。
パートナーシップ型は、夫婦をチームと考え、主導権は夫婦平等、お互いにリスペクトし合う関係性です。男性が料理を担当し、女性がメインで稼ぐなど、家事は得意なほうが担当する夫婦も一般的に。ただし、親世代から昭和的価値観を刷り込まれた30代は、いまだその呪縛から抜け出せず、現代的な価値観との間で揺れているかもしれません。20代前半は専業主婦回帰があるといわれていますが、一方で、二馬力でジャンジャン稼ごうという合理的な女子もいて、二極化しています。
とはいえ、パートナーシップ型への流れは続くでしょう。男性だけの給料では家族を養えず、女性が働くことが当たり前の今、欧米のようなパートナーシップ型が主流になるのは当然の流れです。かつて富裕層の専業主婦をターゲットにしていた雑誌『VERY』も、共働き前提にシフトチェンジしているようです。女性に対する圧力に「ノー」を突きつける今、問答無用で夫に従属する昭和型結婚観は化石になりつつあります。
情報格差に気をつけろ!恋愛観をアップデート
日々たくさんの恋愛相談にお答えしていて実感するのは「情報感度=価値観の柔軟性」です。皆さん、Twitterを活用してますか? 情報化社会では、ネットを通じて世界中の人とつながり、そこから趣味の同じ結婚相手を見つけることも珍しくありません。しかし、ネットに消極的で読むメディアも固定化している人は、自分の半径5メートルで相手を探している可能性が。さらに情報取得エリアが狭いので、恋愛観が凝り固まってしまい、迷走状態に陥っている可能性も。
婚活や恋愛に苦しんでいる人は、今すぐ情報のアップデートを! 多様な価値観に触れ視野を広げることで、自分を縛っていた価値観から脱却し、恋愛の出口も見つかるはず。情報感度を上げて、恋愛・結婚、その先の人生まで、考える機会をつくってみて。
非効率な合コンよさらば! 婚活アプリはもはや常識
ケータイで気軽に婚活できる「マッチングアプリ」は、すっかり定番になりました。彼氏が欲しい20代は、非効率な合コンはスルーして、婚活アプリを活用するのがもはや常識。アプリで気の合いそうな人を見つけて、サクサク面接していくほうが限られた時間を有効活用できます。自分は世界に一人、一日は24時間だから。ただし、アプリによってユーザーの年齢層や目的が異なるのでご注意を。うっかり目的違いのアプリを使っていると、ヤリたいだけの男や不倫おじさんなどの妖怪男トラップに引っかかり、結婚が遠のきます。きちんとアプリを見極めましょう。
また、若者世代で増えているのは、学生時代の友人や会社の同期が主催し、その友人たちまで集まるBBQなどのアウトドアやパーティ、趣味友とのオフ会での出会いです。彼氏をつくるなら「アウトドア+オフ会+婚活アプリ」を上手に活用してください。
出遅れたと感じたら「闇落ち」に注意
東京の平均初婚年齢は約30歳。王子様を待つ「地蔵女子」は33〜35歳で重い腰を上げることも多く、バリキャリ女子は四十路が見えてきた頃、婚活を始めるなど、結婚適齢期はあってないようなもの。しかし、20代後半に女友達が一斉に結婚する時期があることも事実です。「独身は私だけ?」と焦りを感じたら、「闇落ち」に注意。周りが既婚者や子持ちになると「共通の話題がない→誘われても断る→引きこもりがち→コミュ力の低下」という悪循環に陥りがちです。
特に、友達に会うことが外出の動機だった人は要注意です。「闇落ち」すると、彼氏がいないことや結婚してないことがコンプレックスになり、自分自身を責め始めます。心の奥では「親に孫の顔を見せてあげなきゃ」と思っている女子も多いので自責の念を膨らませてしまいます。「私は真面目に生きているのに、あの子だけ幸せになった」と逆恨みすることも。結婚しても友達は友達です。闇落ちには十分注意を。
目からウロコのイマドキ恋愛事情
Illustration: Akiko Hiramatsu Interview&Text: Miho Matsuda Edit: Sayaka Ito