Y2Kリバイバルで活躍させたいマイヴィンテージ|私たちのモノ語り #002 | Numero TOKYO
Fashion / Editor's Post

Y2Kリバイバルで活躍させたいマイヴィンテージ|私たちのモノ語り #002

2022年春夏トレンドは、ミニスカートやローライズ、ボディコンシャスなトップスなど、とにかくY2K要素が目白押し。デニムもその一つなのですが、展示会やバッグ企画のリサーチでデニムパンツ以外にも、デニム素材を使ったバッグもよく目にしました。

現在発売中の『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2022年3月号の「エディターが欲しい新作バッグとその中身」企画でもご紹介させていただいた、こちらのルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)のバッグを目にした時のことでした。デニム生地のモノグラムパターンにティアドロップのシェイプ、まさにY2Kを体現しているこのバッグに「可愛い♡欲しい!」と思わずいつもの物欲メーターが急上昇。それと同時にどこかで見たことあるような感覚に。それはもちろん、2000年代にブームを巻き起こしたデニムがリバイブしているということもあるのですが、どことなくもっと身近なような気がしたのは、私が同じようなバッグを持っていたためだと気づきました。

そのバッグは、私がまだ小学五年生ごろに叔父からアメリカ土産としてもらったコーチ(Coach)のもの。私にとっては人生初の“ブランドもの”でした。思えばちょうどその時が2000年で、私がいわゆるファッショントレンドを気にし始めた時期。ハート型やバタフライ型のヘアピン、チビTと並んで、デニム素材のサンダルやバッグを持ってればギャルになれると思っていたあの頃、まさにそのタイミングでもらったコーチのデニムバッグは、私にとっては棚からぼた餅な嬉しいプレゼントでした。でも、人生初の“ブランドもの”は大切に使わなきゃいけないし、なんと言ってもまだ小学生の私には持っていく場所もそんなになかったような気がします(笑) 

そんな幼い私があまりそれを使うことなく、そのまま時が経ってしまったのですが、なんせ大切にしすぎたせいで綺麗なままのそのバッグを捨てるのはもちろん忍びないし、人生初の“ブランドもの”は、大人になってデニムブームがとうに過ぎ去っているとはわかっていてもなかなか手放せず、ずっとクローゼットの中で眠ったままなのでした。

そのバッグが、このY2Kブームでようやく今使える時が来た! ということで、お正月に実家に帰った私は、クローゼットに直行。すぐに目当てのバッグを見つけて、引っ張り出しました。それは今見てもやっぱりほとんど綺麗な状態のまま。捨てずに取っておいてよかった! と10代と20代の自分に感謝。

ちょうど1月末に引っ越しを終えたばかりの私は、装いも心機一転したくて、春のファッションを心待ちにしています。新作の服を着るのももちろん楽しみですが、このコーチのバッグを早く持ち歩きたくてしょうがない。あの頃夢中になったデニムバッグが、20年越しに本格的に活躍の目を見ることになりそう!

みなさんもまだお家に2000sなマイヴィンテージが眠っていたら、この春夏に活躍させてみてはいかがでしょうか。
同じ2000年代のファッションでも、サステナブルなアイテムを取り入れる方がより2022年らしいY2Kになれそう。

ちなみに2月28日売りの号では一冊まるごとデニムを特集、現在絶賛校了中です。そちらも是非ご期待ください。

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Profile

大岩翠Midori Oiwa ファッション・エディター/フォト・エディター。大学卒業後、渡英。ロンドンのファッション誌でアシスタント経験を積む。2018年に帰国し、『Numero TOKYO』に参加。現在は、海外撮影のカバーストーリーをメインに、ファッションコンテンツを担当しているほか、フリーのエディター、スタイリストとしても活動中。去年から猫を飼い始め、愛猫と一緒に寝るのが何よりも癒し。おかげで引きこもりがちなので、今年こそは海外旅行のルーティンを取り戻したいとたくらみ中。
Instagram: @midorioiwa

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