今訪れたい、東京の新旧8スポットはここ!
「ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)」2019年5月号のファッションストーリー「田中杏子のリアル・モード vol. 92 never stop, Tokyo!」では、目にも止まらぬ速さで成長しつづける地、東京のホットなロケーションを舞台に撮影しました。ここでは、ファッションストーリーでは場所にフォーカスできなかった、2018年末にオープンしたばかりのクラブ、マダム・ウー トーキョーやプラストーキョー、そしてかつて長岡藩の武士の山口萬吉氏が暮らしていた九段ハウスなど、新旧の8スポットを取り上げてご紹介します。
Bunkitsu 新たな本との出会いへの入り口
喫茶室では珈琲や煎茶のフリードリンクや軽食とともに、本を閲覧することもできる、時の流れを忘れて何時間でも入り浸りたくなるような店内。今後、事前に連絡すると、希望のテーマやジャンル、好みに合わせてスタッフが本を選んでくれるサービスも展開予定だという。本を買うことが非日常となっている今だからこそ、一冊一冊丁寧に選書された本が並ぶ空間で新たな本と巡り合ってみては。
文喫 六本木
住所/東京都港区六本木6-1-20 六本木電気ビル1F
TEL/03-6438-9120
営業時間/9:00~23:00(L.O.22:30)
定休日/不定休
入場料/¥1,500
URL/bunkitsu.jp
Shibuya Scramble Square
渋谷の新ランドマーク
“100年に一度の再開発”とここ数年話題を集めている地、渋谷。このプロジェクトの一環として、2019年11月にオープンするのが、「渋谷スクランブルスクエア」。同ビルは、このエリアでは最も高い地上47階建て・約230メートル。
14階・45階~屋上には、スクランブル交差点や、富士山、東京スカイツリー®︎などを360°一望できる日本最大級の屋上展望空間「SHIBUYA SKY」を有する。世界的な注目を集めるクリエイティブ集団のライゾマティクスを演出プランナーとして迎え入れ、渋谷上空でしか見ることができない新しい眺望体験を演出する。また15階の産業交流施設「SHIBUYA QWS」では、多様な人たちが交差・交流することで新たなクリエイティブ人材の育成を目指す会員制の施設として、7月から会員募集を開始する。その他に17階~45階のオフィス、地下2階~14階の商業施設で構成され、渋谷の新ランドマークとして人気を集めそう。
渋谷スクランブルスクエア(東棟)
住所/東京都渋谷区渋谷2-24-12
URL/shibuya-scramble-square.com
Tokyo Saryo
世界初、ハンドドリップ式の日本茶専門店
世界初、カウンターでバリスタがハンドドリップで淹れるスタイルの日本茶専門店「東京茶寮」。三軒茶屋に店を構え、特許出願もしている独自に開発・デザインした日本茶専用ドリッパーを用い、茶の成分が抽出されるのに最適な温度と必要な蒸らし時間に基づいて、茶を淹れてくれる。
茶葉は、通常ほとんど流通しない単一農園・単一品種を日本各地から集めた希少なものばかり。茶葉の違いだけでなく、ドリップする湯温と蒸らし時間で、味に違いを感じられる飲み比べメニューも提供している。
茶室を再解釈して、漆喰仕上げの壁と国産の無垢材を使用したカウンターを始め、職人仕事が随所に感じられる、無駄を削ぎ落としたモダンミニマルな内装はでこだわりの一杯を味わいたい。
東京茶寮
住所/東京都世田谷区上馬1-34-15
営業時間/平日13:00〜20:00、土日祝11:00〜20:00 (L.O19:30)
定休日/月(祝日の場合は翌日休み)
URL/tokyosaryo.jp
Plustokyo
時代が変わりつつある今にぴったりの大人の遊び場
銀座の大人の遊び場として2018年11月にオープンしたミュージックラウンジ「プラストーキョー」。“ホテルロビー”をテーマにしたラウンジフロアには、日本でたった2人しかいない銭湯絵師の一人、中島盛夫氏が描いた富士山(赤富士と青富士)がそびえ、日中にはホテルのラウンジフードを現代的に解釈したロビーフードを楽しめるランチやカフェ、週末の夜はクラブとして楽しめる。
都心にいながらリゾート気分を味わえる180坪のルーフトップでは、左右に東京タワーとスカイツリーを望むことができ、DJブースを完備。夏はBBQも開催する予定だという。また、エントランス横のアートギャラリーでは、最新の現代アートを展示。現在、オープニングを飾っているのは、クリエイティブプラットフォームのガスアズインターフェイスとクリエイティブスタジオYAR(ヤール)のコラボキュレーションによる「ネオンミュージアム」で、アート販売もしている。ナイトタイムエコノミー創出や働き方改革などで遊び方が変わりつつある今、注目のナイトスポットだ。
プラストーキョー
住所/東京都中央区銀座1-8-19 キラリトギンザ12F/RF
TEL/03-3563-3776
営業時間/カフェ・ランチ:12:00~18:00 バー・ディナー:日祝 18:00〜24:00、火水木:18:00~25:00、金土:18:00~21:00
ナイトクラブ:金・土 21:00〜27:00
*クラブ営業時は20歳未満入場禁止、入場時には写真付き身分証明書の提示が必要
定休日/月
URL/plustyo.com
Madam Woo Tokyo
渋谷で新しい夜遊びのススメ
渋谷・道玄坂のジェントルマンズクラブ「マダム・ウー トーキョー」は、2018年11月にオープン。プロデュースは、ラッパーであり、ヒップホップレーベルRRATEDの創設者RYUZO氏が務めた。インテリアとブランディングは国内外で活躍するグラフィックアーティスト、ヨシロットンとクリエイティブスタジオYAR(ヤール)を採用し、飛行機の内装からインスパイアされた店内は、カウンターやシート、頭上のモニターが設置されたフューチャーリスティックなデザイン。
コンセプトはチャイナタウンと東京の境界がなくなるという仮想の近未来で、店内には烏夫人(マダム・ウー)の「烏」の巨大ネオンサインが光る。若手や実力派のDJがヒップホップを中心としたミュージックをプレイし、ポールダンサーが踊る空間は、東京でいま一番ホットなナイトスポットの一つだ。
マダム・ウー トーキョー
住所/東京都渋谷区道玄坂1-22-12 長島第一ビル9F
TEL/03-6416-0577
営業時間/22:00~
定休日/日~水
URL/madamwoo.tokyo
Kudan House
紡いだ歴史から生まれるクリエーション
九段に残る歴史的建築を活用した会員制ビジネスサロン「九段ハウス」。新潟県長岡出身の5代目山口萬吉氏が1927年にスパニッシュ様式で建てた邸宅で、来客用の和室やダンスホールとして設計された3階居室など、和と洋が見事に調和した、ヴィンテージの香りが漂う空間だ。
加えて、1階スクリーンポーチや2階ベランダ、3階の屋上など半屋外空間も存在するため、家の中にいながら庭と連続的かつ立体的に繋がっており、四季を肌で感じ取ることができる。当初から鉄筋コンクリートで建てられたため東京大空襲でも戦火を免れ、戦後GHQへ接収されたり、外国政府の要人への賃貸が続いたものの、昭和38年に再び山口萬吉氏の子息一家が居宅として使用することに。
現在はビジネス向けのイノベーション拠点として提供しているほか、トークイベントやアート×ビジネスプログラムなども随時開催中。90年もの間、激動の時代を乗り越えた歴史を感じつつ、特別な時間を過ごしたい。
九段ハウス
住所/東京都千代田区九段北1-15-9
URL/kudan.house
Munsell
たまに花を売らない花屋
「たまに花を売らない花屋」をコンセプトに掲げる目黒のフラワーショップ「マンセル」。花を贈る文化が根付くように、男性でも気軽に立ち寄りやすい無機質かつモダンに仕上げた空間が特徴だ。店内には、珍しい品種の花々やアーティストとのコラボレート商品を揃えている。
また、季節のイベントに沿ったテーマで器と花材を自由に選んでオリジナルのフラワーアレンジメントを作れるワークショップも毎週日曜日と第2、第4の月曜日と土曜日に定期開催中。ほかにはない花の贈り物をしたいなら、ぜひ足を運んでみたい。
マンセル
住所/東京都目黒区目黒2-13-28
TEL/03-6712-2345
営業時間/10:00~19:00(木曜日のみ13:00~)
定休日/火
URL/munsell.tokyo
Nakagin Capsule Tower
後世に残したい昭和の名作建築
1972年に黒川紀章氏が設計し、世界で初めて実用化された銀座に建つカプセル型集合住宅。60年代に提唱された、老朽化した場合にカプセルごと交換できるメタボリズム(新陳代謝)のムーブメントのもと、長方形のカプセルを積み重ねたようなユニークなデザインが一際目を引く(ただし、実際にカプセル自体を交換した例は今までないという)。
地上13階建てと11階建ての2棟から成り、3階以上に140個のカプセルがパズルのように構築され、各カプセルの部屋は4.5畳の広さ。今も住居や事務所、セカンドハウスなどとして100弱のカプセルに入居中。海外の観光客にも人気だという。現在、老朽化から解体の危機に直面しており、保存・再生を訴えるグループが活動している。
中銀カプセルタワービル
住所/東京都中央区銀座8-16-10
URL/nakagincapsuletower.com
Photo:Koji Yamada(Tokyo Saryo)
Profile
Instagram: @midorioiwa