おうちで新作映画を鑑賞して、ミニシアターにも貢献できる「仮設の映画館」 | Numero TOKYO
Culture / Editor's Post

おうちで新作映画を鑑賞して、ミニシアターにも貢献できる「仮設の映画館」

新型コロナウイルスによる外出自粛の影響で、ミニシアターが存続危機に直面していることはすでにご存知の方が多いと思います。映画好きとしては、良質な映画が日本で上映される場がなくなってしまうことは悲しいなと思っていました。クラウドファンディングや年間パスを販売し始めたミニシアターがあるというのはチェックしていましたが、新たに、新作『精神0』の公開を控えた想田和弘監督と配給会社東風が共同で「仮設の映画館」がオープンしたという情報が!

「仮設の映画館」は、自分で映画館で作品を見るのと同じ仕組みで成り立っています。HP上で作品一覧から見たい作品を選んで(一作品1500円〜)、そこから全国の映画館からどこで見るのかを選ぶことができます。普段自分で行きつけの映画館がある人はそこを選んでもいいし、たまには地元の映画館に貢献するのもあり。どこでも好きな映画館を選べるのです。

作品によって配信期間や鑑賞期限は異なるよう。
作品によって配信期間や鑑賞期限は異なるよう。
鑑賞料金は、手数料等を差引いたものを実際の映画館で見る作品の興行収入と同様に、劇場と配給とで5:5で分配。さらにそれを配給会社と製作者とで分配するという、きちんとミニシアターにも作品制作陣にもお金が回る素晴らしいシステム!

このシステムを発足した想田和弘監督は、HPで以下のようにコメントしています。
「もしこれがうまく機能すれば、映画館だけでなく、配給会社や製作者にも、通常の劇場公開を行った場合と同程度の収入が見込めます。ーーーーーーたとえリアルな映画館が一時休館せざるをえなくなっても、収入の道が確保できます。したがってコロナ禍が過ぎた後、劇場・配給・製作の三者が生き残っている可能性が高まります。」

現在12作品が公開中もしくは公開を控えていますが(5月21日付け)、愛する者への精神医療ケア描いた夫婦の物語『精神0』や日本で初めて刑務所で撮影したドキュメンタリー『プリズン・サークル』、環境に優しいと謳った商品の嘘を描いた『グリーン・ライ』など、この時期だからこそ今後の未来を考えさせられるような世界中の作品が集まっています。

コロナウイルスにより休映や休館した作品を、お家で安心して見れるチャンス。良質な映画がこれからも作り出されるような未来のためにも、ちょっとでも気になった方はぜひこのプラットフォームはぜひチェックしてみてください。

Profile

大岩翠Midori Oiwa ファッション・エディター/フォト・エディター。大学卒業後、渡英。ロンドンのファッション誌でアシスタント経験を積む。2018年に帰国し、『Numero TOKYO』に参加。現在は、海外撮影のカバーストーリーをメインに、ファッションコンテンツを担当しているほか、フリーのエディター、スタイリストとしても活動中。去年から猫を飼い始め、愛猫と一緒に寝るのが何よりも癒し。おかげで引きこもりがちなので、今年こそは海外旅行のルーティンを取り戻したいとたくらみ中。
Instagram: @midorioiwa

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