韓国でも大人気! 吉田ユニ展覧会「Alchemy」へ【私の土曜日16:00】
アートディレクターの吉田ユニさんがソウルの石坡亭ソウル美術館で展覧会を開催していると聞き、ちょうどソウルに週末遊びに行こうかなと思っていたところだったので、タイミングよしと行って来て、ユニさんにもお話しを伺いました。
石坡亭ソウル美術館に行くのは初めて。場所的には景福宮の奥の丘の上あたりの付岩洞(プアムドン)。景福宮駅近くから路線バスで10分ほどで到着。上野の森美術館ぐらいの規模感。
会場ではキーワードごとに作品が展示されていました。広告やなど、そうそうコレ!という過去作品から ドラマ『エルピス』のビジュアルなど、これもユニさん作品だったのか!という最近の作品まで数多く展示。00年ラフォーレミュージアムでも大きな展覧会をしていましたが、その時と大きく違うのはメイキングの展示量。スケッチや素材などのアイデアなどが作品に呼応するようにディスプレイされています。なかにはレシートの裏のメモなどもあり「どこかで急にアイデアが降って来たのかな?」と想像したり。
来場者は日本でもコアなファン層であろう20代〜30代はもちろん、ファミリーでいらしている方や年配の男性の方などお客様の層がさまざまで、韓国でのユニさん人気ぶりに驚きました。子供たちが楽しそうに見ていてこちらまで嬉しくなります。ユニさんに伺ったところ、美術館の方がユニさんの作品を知っていて、直接オファーをいただいたそう。韓国で個展を開催するのは初めてで、現地での打ち合わせを重ねて展覧会に着地させ、制作過程の展示は「韓国の方はそこに興味を持たれる」という美術館側の要望があったからとか。
ハイライトは今回の展覧会のために制作したトランプ「PLAYNG CARDS」。55枚のトランプの絵柄が、サンドイッチの断面だったり、ネジだったり、それぞれ驚くようなアイデアで表現されています。
ユニさんは「もともとトランプが好きなんです。絵柄もトランプで遊ぶことも。いつかトランプの作品を制作してみたいなと思っていて、今回韓国での展示が決まって何か新しい作品をと、トランプの制作をすることに決めました。思ったよりも大変で自分で後悔するほどでした(笑)。それぞれの絵柄を考えるのが楽しくもあり、大変でもあり」。
一つ一つの絵柄の制作に作品1点ぐらいの時間がかかったそう。特に大変だったのは、キング・クイーン・ジャックだったとか。どの絵柄も美しく、ウィットがあって、ユニさん作品の真骨頂だと思いました。メイキングの動画コーナーもあり、「この数字、野菜で作られてた!?」とメイキング動画見てまた作品を見直したり。とても楽しい時間でした。
9月24日まで開催なので、ソウル旅行のご予定のある方は是非行ってみてください! 美術館屋外の朝鮮王朝末期の政治家の別荘や、文化財に指定されている石坡亭など、韓国の伝統建築家屋もあわせて見学できておすすめです。
ユニさんのトランプ作品展、日本での開催も待ち望んでいます。
吉田ユニ展覧会「Alchemy」
場所/石坡亭ソウル美術館
seoulmuseum.org/
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