篠原ともえインタビュー「OMO7大阪 by 星野リゾート」ユニフォームデザインに込めた思い | Numero TOKYO
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篠原ともえインタビュー「OMO7大阪 by 星野リゾート」ユニフォームデザインに込めた思い

星野リゾートの都市型ホテル「OMO7大阪(おも) by 星野リゾート」(以下、OMO7大阪)が“なにわラグジュアリー”を掲げ、2022年4月にオープン。そのスタッフ用ユニフォームを手がけたのは、デザイナー・アーティストとして活躍する篠原ともえさん。制服をデザインするのは初と言う篠原さんに、制作秘話を聞いた。

──OMO7大阪のスタッフユニフォームをデザインしたきっかけは?

「コンペにお声がけいただいたんです。2020年にデザイン会社STUDEOを立ち上げて、デザインのお仕事をできる体制はありました。OMO7 大阪が開業に際しアイコニックなユニフォームを検討していると、コンペのお話をいただいて、会社としてもトライしたいと思いました。デザインを提案する前にまず全国のホテルのリサーチをはじめました」

──全国のホテルを?

「ビジネスホテルやクラシックホテルなど様々なホテルがある中で、OMO7は他とどう違うのか、オリジナリティがどんなところにあるのか自分なりにリサーチしました。ホテルのオリジナリティを探り出せば、ユニフォームのデザインがどうあるべきかが浮かび上がってくると思って、まずはOMOブランドのポジショニングから始めたんです。ホテルの顔となるユニフォームは、ホテルのイメージと連動しているので、コンセプトと合致している方がいいと考えました。OMO7 大阪にはゲストに街を楽しんでもらうガイドサービスがあることを聞いて、とてもオリジナリティがあるサービスですよね。ホテル独自のガイドサービスをデザインで可視化することを思いついたんです」

──星野リゾートからのリクエストは?

「ホテルのアイコンとなるようなオリジナルのテキスタイルをデザインすることでした。またせっかく私に声をかけてくださったのだから、これまでのステージ衣装制作の経験を踏まえて、ホテルを一つのステージと捉え、スタッフさんが演者で、おもてなしをパフォーマンスと考えたとき、どんなアウトフィットだと素敵かな、などと考えたりもしました。それから大阪ならではのテンションの高さも期待されました」

──それはちょっと派手めな?

「そうですね。でも新しさを提案するのもデザイナーの仕事ですから、例えば斬新で派手なユニフォームだった場合、スタッフの方が着てどういう気持ちでおもてなしするかなと考えました。施設のインテリアを見たらとてもスタイリッシュで、この美しさを邪魔せず馴染み、コンシェルジュもガイドサービスのユニフォームも兼ね備え、ホテルと共に街を好きになってもらえるようなデザイン。新しい地にホテルを作って、そこから街が活性化したらいいという企業理念をユニフォームにまできちんとつなげたいなと思いました。

『自分だけのお気に入りを見つける』ということから、テキスタイルを地図に見立てて、お気に入りの場所にピンを立てる、その“ピン打ち=好き”がいっぱいに増えるイメージで、ドット柄にしたら、可愛らしさと親しみやすいテキスタイルになるんじゃないかと閃きました。そこからダークネイビーにポップなピンドットのテキスタイルと、それぞれ着こなしを楽しめるアイテムを提案しました」

──着こなしを楽しめるとは?

「例えばパンツの裾を折り返して裏のドット柄を見せたり、吹き出しのポップアップをイメージしたマグネットバッジでアレンジできたり、着る側のテンションが上がるように工夫しました。デザインも男女兼用でアクション性のあるパンツスタイルに。スポーツウェアにも採用されるストレッチ素材で着心地もよく、サイズ展開も少なくして過剰生産も防ぐようにしました」

──他では見ないホテルユニフォームですね。

「コンペに通って、とても嬉しかったです。シンプルであまり派手すぎないデザインがいい、ホテルの空間に合うものを作るべきだと思って提案したことを受け入れていただけて。そこから生産に至るまではチャレンジの連続でした。私はブランドを持っていないので、生産管理まで手がけるのも初めてのことだったんです。コロナ禍で日本が元気を失っていた頃ということもあって、すべて国産で仕上げようと思いました。生地からボタン一つまで、自分で業者さんにコンタクトを取ってお願いをしました。

星野リゾートもデザイナーと組んで、一からオリジナルのユニフォームを制作するのは初の試みで、実際ユニフォームを着るスタッフの皆さんと密にコミュニケーションを取りました。どんなことをユニフォームに求めるかを聞き、サンプルも何度も試着してもらってミリ単位で直しました。着用シーンを考えて、レンジャーとして街をガイドするなら帽子が必要では?ホテルの中のサービスと外に出るサービスでバッグのサイズは違った方がいいのでは?と小物の展開も提案もし、全て型から作り上げるという、とてもクリエイティブな時間でした。直接スタッフの皆さんとお話しすることで、隅々までアイデアのあるホスピタリティが溢れていて、ゲストの皆さんに楽しんでもらおうというおもてなしの気持ちがよくわかり、それを形にしたいと思いました」

──スタッフの皆さんそれぞれ違っていて、見ていて楽しいです。

「出来上がったユニフォームをお届けしたとき『スタッフのインナーモチベーションが上がった』という言葉をいただいたんです。それがとても嬉しくって。『自分らしいスタイルで堂々とお客様をお迎えできる』という心のお手伝いができたことが、私にとってかけがえのない経験になりました。40代になって新しいことに挑戦することは、責任も伴いますが、とてもやりがいがありました。届けた作品を通じて、いろんな方を幸せにできる。私は表舞台に出ることから、物を作ることにステージを変えましたが、みなさんの喜びを作りたいということは一貫して変わってないです。これからもものづくりを通してたくさんの方に喜びを届けられたらいいなと思っています」

大阪の魅力の虜になりそうなアクティビティー

篠原さんもスペシャルな体験と話していたのが、ご近所ガイドOMOレンジャーによる大阪ガイドツアー! 大阪のディープな魅力に触れることができます。 「ほないこか、ツウな新世界さんぽ」 通天閣やジャンジャン横丁などが有名な「新世界」。タイムスリップしたかのようなレトロな雰囲気漂うエリアの見どころをOMOレンジャーとお散歩しながら巡ります。気になったお店で飲食したり寄り道も可能。地元情報も教えてもらえます!

他にも大阪を代表するB級グルメ「串カツ」文化と味を堪能できる「めっちゃ串カツどっぷりツアー」や、ディープな大阪の市場を巡りながら関西の「だし文化」について学ぶ「ええだし出てますわツアー」など気になるガイドツアーがいろいろ。

ジャポネスクスタイルの客室

客室は8タイプ全436室。どの客室も畳敷きになっていて、靴を脱いで上がるスタイルで旅館のようにのびのび過ごせます。客室も広く、ベッドも大きく、大きな窓からは通天閣を眺められる部屋も。

大阪食文化を楽しめるダイニング

メインダイニングの「OMOダイニング」では大阪の食文化に独自のアレンジを加えたオリジナルメニューが楽しめます。
ディナータイムには「大阪の食の本質を表現する」をテーマにしたコースを2 種類提供。フランス料理をベースに箱寿司や船場汁など大阪の郷土料理や大阪で馴染みのある食材でイノベーティブに仕上げた「Naniwa Neo Cassic」コースと串カツをアレンジし、味も見た目も進化させた「Naniwa KUSHI Cuisine」。各コース¥13,000(税・サービス料込 要予約)

朝食は和洋食のビュッフェスタイル。ドリンクからご飯に合うおかずにパンの種類も豊富。ねぎ焼きやうどんなどの「粉もん」や「出汁」を楽しめるコーナーも。¥2,500(税込)

大阪のお風呂屋文化を感じる「湯屋」

ガーデンエリア「みやぐりん」に併設されている「湯屋」。ゆったり広いお風呂には大きな天窓があり、外気を感じることができます。空が切り取られてアートのよう。

「OMO7大阪」には他にもお楽しみスペースがいろいろ。コーヒーやサンドイッチ、スイーツなどが揃う「OMO カフェ&バル」に、ワーケーションにもぴったりな「ライブラリーラウンジ」、約7,600平米もの広大なガーデンエリア「みやぐりん」など。街に出てよし、施設で過ごすのもよし、大阪をもっと好きになれるホテルです。篠原さんデザインのスタッフユニフォームにも注目です。

OMO7大阪 by 星野リゾート
住所/大阪府大阪市浪速区恵美須西3-16-30
TEL/0570-073-099(OMO予約センター)
URL/hoshinoresorts.com/ja/hotels/omo7osaka/

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Profile

水戸美千恵Michie Mito マーケティング・ディレクター/エディトリアル・ディレクター。大学時代にジャーナリストアシスタント、ライターとして書籍、雑誌に携わる。卒業後扶桑社へ入社し、女性ファッション誌を経て『NumeroTOKYO』創刊1年目より副編集長に就任。ファッションページ制作や取材のほか連載「YOUのテキトーく」「佐久間由美子が聞く 女性表現者たちの闘い」を担当。食、旅、アートも好きなもの。座右の銘は「いつも心にナンシーを」。Instagram: @mitomiche

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