水玉の女王「草間彌生」のスゴすぎる大展覧会 | Numero TOKYO
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水玉の女王「草間彌生」の
スゴすぎる大展覧会

yayoi kusama, art ,
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国立新美術館で5月22日まで開催中の「草間彌生 わが永遠の魂」展に行ってきました。音声ガイド片手に、水玉の変遷と彼女の並々ならぬ創作のエネルギーに圧倒されっぱなし!

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遅ればせながら、GW最終日に駆け込んだ、国立新美術館で開催している草間彌生の国内過去最大級の個展。行列覚悟してましたが、待ち時間もゼロ、会場内も混雑なく、ゆっくりじっくり鑑賞できました。混雑が予想される展覧会は、閉館1時間前が狙い目と勝手に思っております。 既に鑑賞している友人たちからは、音声ガイドはマストと聞いてたので早速ゲット。本人の肉声で、展覧会のこと、日々の創作への熱い思い、松本で過ごした少女時代、宇宙や死に対する考えが耳元で語られ、しかもアカペラの歌「マンハッタン自殺未遂常習犯の歌」まで収録されていて、作品とセットで聞くこと、断然オススメです。今さらですが。 代名詞的なあの水玉や網目は、幼少期から既に見えていて描いていたとは。小学生の絵とは思えない才能で。今でこそ可愛くてポップなイメージで人気の水玉シリーズですが当初は迫りくる怖さが際立っておどろおどろしさもあります。絵画だけでなく彫刻やインスタレーションも、時代を追って見ていくと、表現は変化しても、変わらずにずっと水玉に取り憑かれ続けているのだなと。 余談ですが、音声ガイドによると、渡米に際し、同じ女性アーティストであった、ジョージア・オキーフに手紙を送ったというエピソードも妙に印象的でした。草間さんもオキーフをリスペクトしてたのかなんて、勝手ながら親近感を抱いてしまうのでありました。
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年齢を重ねていくにつて、88歳の草間さんの作品はどんどん子どものような純真さを持って若返っているような気さえします。描きたいものが日々溢れ、まだまだ独創的な作品をつくりたい、闘いたいと語ってます(by音声ガイド)。死も恐怖ではないと。生きている限り、芸術家であることが草間彌生の100%、創作こそが生きている証、魂そのものということなのでしょう。病室とアトリエを往復する日々、取材や来客に対応する時間も惜しいと、それほどまでに描きたいという無限のパワーにやられてしまいました。これから見るなら、ぜひ音声ガイドをお忘れなく! 草間彌生 わが永遠の魂 会期/2017年5月22日(月)まで 会場/国立新美術館 URL/http://www.nact.jp/

Profile

佐々木真純Masumi Sasaki フィーチャー・ディレクター/ウェブ・コンテンツディレクター。大学在学中から編集プロダクションにて雑誌などに携わる。『流行通信』編集部に在籍した後、創刊メンバーとして『Numero TOKYO』に参加。ファッション、アート、音楽、映画、サブカルなど幅広いコンテンツを手がける何でも屋。操上和美が撮影する「男の利き手」や「東信のフラワーアート」の担当編集。ここ数年の趣味は山登りで、得意芸の“カラオケ”は編集部名物。自宅エクササイズ器具に目がない(なんならコレクター)。

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