モデル業界の裏側に迫る衝撃のおしゃれムービー『ネオン・デーモン』 | Numero TOKYO
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モデル業界の裏側に迫る衝撃のおしゃれムービー『ネオン・デーモン』

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クライム・サスペンス映画『ドライブ』でその名を知らしめた、カルトな気鋭監督ニコラス・ウィンディング・レフンの新作『ネオン・デーモン』が1月13日(金)より公開される。舞台は私たちにも馴染みのあるファッション業界。といってもいわゆる華やかな世界ではなく、その裏側、究極の美を追求するモデルたちのドロドロとしたダークサイドを、アーティスティックな映像美と実験的な音楽で過激に描き出しているのだ。

田舎町からトップモデルを夢見てロスに出てきた16歳のヒロインを演じるのは、本当に可愛いエル・ファニング。その彼女が、華やかなファッションの世界へ足を踏み入れた純粋な少女が、唯一自信を持っている“美貌”を武器に、栄枯盛衰なモデル業界の中で、眠っていた本性を次第に曝け出し、野心をむき出していく様子を見事に演じています。そして、この手のストーリーに欠かせない整形美女、落ち目の美女などのライバルも登場し、足を引っぱり合い、激しく争っていく。その過激さといったら、とても口では言えません。『ブラック・スワン』どころではありません。そんな衝撃的な展開がレフン監督ならではのカルトな魅力です。

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無垢ゆえに堕ちてゆく、純粋さと狂気は紙一重というような、誰もが秘めている内面の闇を、現実なのか白昼夢なのか境界線の曖昧なダークファンタジーとして表現。天使と悪魔、光と闇を思わせる、真っ白と深い赤のコントラストも効果的な美しさを放っています。ストーリーはもちろんですが、アート映画を見ているような非日常的な美しいシーン満載。そんなとこに、そんなやつ現れるわけないよ!とか…。

例えば、カメラマンによるテストシューティングの場面。白ホリの撮影スタジオが無限の白い世界になったり…。

オーディションのシーンが、ヴァネッサ・ビークロフトの作品のようなフォーメーションで行われたり。

まったくもってリアルではない、グラフィカルなアートのインスタレーションのようなインテリアも見どころです。

そして、さらに物語をホラーな不思議世界へと導くのが、元レッチリのドラマー、クリフ・マルティネスによる実験的な音楽使い。ダイナーやクラブのシーンでもいわゆる状況音楽を使わずに、アナログ・シンセサイザー的な70〜80年代前半のようなエレクトロミュージックで構成。そして、ディプロ(DIPLO)とシーア(SIA)のコラボ曲「WAVING GOODBYE」のエンディングがまたいいのです。

とにかく、人物描写も設定も、音楽も、美術も、ストーリーも、完璧なレフン・ワールドが繰り広げられる、おしゃれでかっこいい、ダークなサスペンスです。とはいえ、あくまでもおとぎ話なので、安心して見てください。

『ネオン・デーモン』
監督/ニコラス・ウィンディング・レフン
出演/エル・ファニング、カール・グルスマン、ジェナ・マローン、キアヌ・リーブス
2017年1月13日(金)より、TOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国順次公開

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