パンクな奇才ピアニスト、チリー・ゴンザレスの映画とニューアルバム! | Numero TOKYO
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パンクな奇才ピアニスト、チリー・ゴンザレスの映画とニューアルバム!

© RAPID EYE MOVIES / GENTLE THREAT
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ダフト・パンクのグラミー賞作『Random Access Memories』に参加し、ジャーヴィス・コッカー、ドレイクなどとのコラボするなどで知られるピアニスト、チリー・ゴンザレスの破天荒な生き様を描いたドキュメンタリー『黙ってピアノを弾いてくれ(原題:Shut Up and Play The Piano)』が公開。さらに、ヒットアルバム『Solo Piano』シリーズの最終章『Solo Piano III』もリリース。

ダフト・パンク、ビョークらが心酔する、狂気のピアニストであり、天才音楽家、チリー・ゴンザレス。最初に彼の音楽に触れたのは、遅ればせながら、彼にとっての原点回帰であり、転機となった、2004年発表の大ヒット作『ソロ・ピアノ(Solo Piano)』シリーズからだった。 なので、このドキュメンタリー映画を見るまでは、90年代後半に、ピアノと挑発的なラップでアンダーグラウンドシーンで活動し、友人である女性ミュージシャン、ピーチズ(Peaches)と並んで、あんなにアグレッシブなパフォーマンスをするアーティストだとは知らなかった。それぐらい『ソロ・ピアノ(Solo Piano)』は、過激さとは無縁の、繊細なピアノのピュアな音色がなんとも美しいのだ。ただ、音楽の素晴らしさはもちろん、ユーモア、人間性、型にはまらないピアニストとしての生き様、エンターテイナーとしての魅力を知って、より興味をそそられました。

劇中シーンでの、ウィーン放送交響楽団とのステージでの破天荒なパフォーマンスぶりといったら…。真面目な緊張感漂う会場を一気に爆笑と、そして感動に包み込んでしまうのです。というわけで、ベルリン映画祭で鳴り止まないスタンディングオベーションを巻き起こした、天才音楽家チリー・ゴンザレスの魅力に迫るドキュメンタリー映画必見。そして、生で彼のパフォーマンスを体験したいと思わずにはいられないのです。

『黙ってピアノを弾いてくれ』

監督/フィリップ・ジェディック
出演/チリー・ゴンザレス、ピーチズ、トーマ・バンガルテル(ダフト・パンク)ほか
渋谷・シネクイント他にて2018年9月29日(土)より全国順次公開中!
URL/www.transformer.co.jp/m/shutupfilm/

この映画鑑賞後には、彼の音楽を聴き直したくなること必至。もしまだ聴いたことのない人も、耳に残る美しい旋律、チリー・ゴンザレスの音の世界に触れてみてほしい。クラシック音楽を新解釈した『Solo Piano』、より深化させた『Solo Piano Ⅱ』、さらに映画公開に先立って2018年9月7日にリリースされた、最新アルバムにして、シリーズ三作目の最終章!?の『Solo Piano Ⅲ』を制覇してみて。

Chilly Gonzales『Solo Piano Ⅲ』

¥2,200(Beat Records/Gentle Threat LTD)


Chilly Gonzales『Solo Piano Deluxe Edition』
¥1,381(Beat Records/Gentle Threat LTD)


Chilly Gonzales『Solo Piano Ⅱ』
¥2,095(Beat Records/Gentle Threat LTD)

Profile

佐々木真純Masumi Sasaki フィーチャー・ディレクター/ウェブ・コンテンツディレクター。大学在学中から編集プロダクションにて雑誌などに携わる。『流行通信』編集部に在籍した後、創刊メンバーとして『Numero TOKYO』に参加。ファッション、アート、音楽、映画、サブカルなど幅広いコンテンツを手がける何でも屋。操上和美が撮影する「男の利き手」や「東信のフラワーアート」の担当編集。ここ数年の趣味は山登りで、得意芸の“カラオケ”は編集部名物。自宅エクササイズ器具に目がない(なんならコレクター)。

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