216
Culture Editor's Post

バーレスク女王のDita von Teeseが歌手デビュー

©️ Camille Vivier

艶っぽくてファンタジックな世界観で魅了してきたバーレスク・クイーン、ディタ・フォン・ティース(Dita von Teese)が歌手として待望のアルバムをリリース!

©️ Camille Vivier
©️ Camille Vivier

バーレスクの女王として名高いディタ・フォン・ティース。2000年代のファッション・シーンに欠かせないアイコン的な存在だった、彼女の1940年代頃のヴィンテージ・スタイルをモチーフとしたキュートでファッショナブルなパフォーマンスは、バーレスクをモードに昇華したと言っても過言ではありません。数々のファッションブランドのパーティやイベントで、エロティックで華麗なファンタジーの世界を披露していました!(いっときは、あのマリリン・マンソンと結婚したことも話題を呼びました!)。

そのディータがなんと本格的にミュージシャンデビュー! これまでにMonarchyやDie Antwoordといった前衛的なダンス・ミュージック・アーティストらの作品に参加してきた彼女が満を持して、1stアルバムを完成させました。

©️ Camille Vivier

タッグを組んだのは、フレンチ・エレクトロ界の重要人物で、ダフト・パンクやソフィア・コッポラも認める世界的なDJ/コンポーザーのセバスチャン・テリエ(Sébastien Tellier)。なんだかすごく納得のいくコラボレーションで、イメージぴったり。

「セバスチャン・テリエはずっと憧れていたミュージシャン。ステージに立つ私はゴージャスで自信あふれる女性のように振舞っているけれど、実際の私はもっと脆い存在。この作品は、セバスチャンとありのままの自分をシェアしながら作った作品」とディタが語る自身の名を冠した本作は、きらびやかなイメージとは対極的な、繊細でアンビエントな世界観を押し出した仕上がり。でも吐息混じりに囁くような歌声や息遣いは、なんとも艶めかしく、エロティックです。

一方、メイン・プロデュースを務めたセバスチャンも「ずっとコラボ相手を探していた。美しく、個性に溢れた女性シンガーを探していたが、なぜかプロのシンガーには惹かれなかった。彼女の存在感やパーソナリティ、そして声は僕の音楽と完ぺきにマッチする」と相思相愛。息ぴったりで相性抜群わけです。肝心の楽曲はというと、フューチャリスティック・カリプソといった趣の「Sparkling Rain」、シンコペティックなビートが織りなす「Rendez-Vous」、シルキーなR&B風の「My Lips On Your Lips」、「Bird」など、ディタの内面をそのまま表しているような個性豊かなラインナップ。

Photo:Shutterstock/Aflo

「Phillip Plein」 2018SSコレクションのショーでのパフォーマンス。 Photo:Shutterstock/Aflo

ディタ・フォン・ティースとは一体どんな人かというと…。
アメリカ、ミシガン州に生まれ。幼少期からバレエを習い、一時期はストリップ・ダンサーになるも、ストリップの世界があまりにも個性がない事に失望。1930年代、40年代のミュージカルや映画からヒントを得た、複雑なダンスに小道具やキャラクターを加えた独自のスタイルを作り上げ、バーレスクダンサーへと転身する。巨大なカクテルグラスを用いたパフォーマンスは彼女の十八番。マリリン・マンソンとの離婚歴といった奔放なプライヴェートも経て、今も現役で活動する。1999年、2001年、2002年に雑誌『PLAYBOY』で特集を組まれ、2002年には表紙を飾ったほど。

実は、その昔、『ヌメロ・トウキョウ』の記念すべき創刊2号目、「エロティシズム(Eroticism)」特集にて、楽屋とステージをイメージしたセットで、ディタの撮り下ろしビジュアル&インタビューを掲載しているんです。誌上バーレスクパフォーマンスを披露してくれました! ここではほんの一部を蔵出ししちゃいます。


『ヌメロ・トウキョウ』2007年5月号 Photo:Sheryl Nields

2007年当時のインタビューで彼女は、パフォーマンスを通じて表現したいものとは? という問いに、「偉大な美を表現したいと思っている。それは、私がきれいだから見て、というものでなくて、美しいコスチュームや裸体や振り付けを通じて伝えたい純粋なファンタジーよ。日常ではありえないイリュージョンなのよ」と語っている。そんな美意識の高い、生粋のアーティストであり、エンタテイナーである彼女が、音楽、歌声を通じて、どう表現するのか楽しみです。


Dita Von Teese 「Bird of Prey」
(written and composed by Sébastien Tellier)

Dita Von Teese『Dita Von Teese』
発売/2018年2月16日(金)
(Racord Makers/輸入盤)
URL/www.rambling.ne.jp/catalog/dita-von-teese/

Profile

佐々木真純(Masumi Sasaki)フィーチャー・ディレクター/ウェブ・コンテンツディレクター。大学在学中から編集プロダクションにて雑誌などに携わる。『流行通信』編集部に在籍した後、創刊メンバーとして『Numero TOKYO』に参加。ファッション、アート、音楽、映画、サブカルなど幅広いコンテンツを手がける何でも屋。操上和美が撮影する「男の利き手」や「東信のフラワーアート」の担当編集。ここ数年の趣味は山登りで、得意芸の“カラオケ”は編集部名物。自宅エクササイズ器具に目がない(なんならコレクター)。

Recomended Post