銀座メゾンエルメスの素敵すぎるショーウィンドウ | Numero TOKYO
Fashion / Editor's Post

銀座メゾンエルメスの素敵すぎるショーウィンドウ

エルメス、銀座メゾンエルメス、ウィンドウディスプレイ、吉岡徳仁
エルメス、銀座メゾンエルメス、ウィンドウディスプレイ、吉岡徳仁

街を歩いていると、ショップのウィンドウディスプレイに目を奪われて立ち止まることはありませんか? とりわけ、いつも趣向を凝らした、アーティスティックな、時に斬新な世界を繰り広げているのが、銀座メゾンエルメス。そして、1月18日から現在展開中のウィンドウで、なんと100回目を迎えるのだそう。

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そもそも、エルメスのウィンドウディスプレイの歴史は、1920年代のパリにて始まりました。フォーブル・サントノーレ店のウィンドウには、想像もしない夢の物語が広がっています。銀座メゾンエルメスでも、2001年6月のオープン以来、通りに面したウィンドウでは、「エルメス劇場」としてメゾンの世界観が表現されてきました。「メタモルフォーズ - 変身」「オブジェに宿るもの」「“時”の恵み」といった毎年の年間テーマを題材に、2カ月ごとに国内外のアーティストやデザイナーとコラボレーションし、自由な発想とデザインを展開。全部はチェックできていませんが、銀座を訪れる度に、つい気になって見入ってしまいます。 アーティストによって、テイストも見せ方もアイデアも千差万別なのがまた面白い。なかでも、製品の特性を生かして、シンプルだけど美しい演出で印象的だったのが、吉岡徳仁さんの「吐息」。モニターに映った女性がふうっと息を吹きかけると、前に吊るされたスカーフがゆらりと舞うという仕組み。「風だけでスカーフの美しさを表現すること」という彼の言葉通りの粋な仕掛けは本当に素晴らしかった。 一方で、もう製品がどこにあるのかわからない、小道具に紛れて隠れんぼ状態だったり、絵作りの一部となって組み込まれていたりと実にさまざまです。そういった表現も受け入れる、エルメスの懐の深さもさすがです。

Mai Miyake
Mai Miyake

ミヤケマイ(Mai Miyake)「雨奇晴好」2007年

Nicolas Buffe
Nicolas Buffe

ニコラ・ビュフ(Nicolas Buffe)「赤ずきんのカレちゃん」2010年
パズルのように白黒を基調とした絵の中に配されたカラフルな製品が際立つ効果的な演出。

Mike Ableson
Mike Ableson

 マイク・エーブルソン(Mike Ableson)「Tool Roots」2017年
エルメスのオブジェと日用品を並べて、ウィンドウに立体のカラーチャートを作った。

今回、エルメスでは、ウィンドウディスプレイ100回を記念し、スペシャルサイトを開設し、ウィンドウ100 回の歴史を動画で振り返るほか、それぞれの画像やコンセプトもより見やすくアーカイブ化。さらに、デザイン評論家アリス・ローソーンとウィンドウを手がけたデザイナーを迎えてのトークイベントも開催。

これまでの軌跡を振り返ると同時に、ウィンドウから発信されたメゾンのエスプリを多角的に紹介しています。

トークショー
アリス・ローソーン講演
日時/2018年3月17日(土) 15:00〜16:00
デザイン評論家、アリス・ローソーンによる、ウィンドウディスプレイの歴史から、銀座メゾンエルメスウィンドウの特徴までを、ビジュアルとともに考察。

アリス・ローソーン x 服部一成対談
日時/2018年3月18日(日) 11:30〜12:30
2015年に銀座メゾンエルメスのウィンドウディスプレイを手がけたグラフィックデザイナーの服部一成と、アリス・ローソーンの対談。ウィンドウデザインの独自性や方法論について。

ミシェール’トラクスラー講演
日時/2018年3月18日(日) 15:00〜16:00
3月に101回目のウィンドウディスプレイを担当するオーストリア人デザインユニット、ミシェール’トラクスラーが展開中のウィンドウについて語る。

会場/銀座メゾンエルメス フォーラム
住所/東京都中央区銀座5-4-1 8F
参加費/無料 各回80名
応募方法/スペシャルサイトにて、2月16日(金)より開始
URL/www.maisonhermes.jp/feature/670959

Photos:© Satoshi Asakawa / Courtesy of Hermès Japon

Profile

佐々木真純Masumi Sasaki フィーチャー・ディレクター/ウェブ・コンテンツディレクター。大学在学中から編集プロダクションにて雑誌などに携わる。『流行通信』編集部に在籍した後、創刊メンバーとして『Numero TOKYO』に参加。ファッション、アート、音楽、映画、サブカルなど幅広いコンテンツを手がける何でも屋。操上和美が撮影する「男の利き手」や「東信のフラワーアート」の担当編集。ここ数年の趣味は山登りで、得意芸の“カラオケ”は編集部名物。自宅エクササイズ器具に目がない(なんならコレクター)。

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