「私たちはありのままで大丈夫」デモに参加してわかった声を上げることの大切さ | Numero TOKYO
Culture / Editor's Post

「私たちはありのままで大丈夫」デモに参加してわかった声を上げることの大切さ

2022年7月4日に行われた、「Stand for LGBTQ+ Life」のデモに参加してきました。このデモは、自民党議員が多く参加する「神道政治連盟国会議員懇談会」で配られた、LGBTQ差別する内容の冊子に抗議するもの。

問題の冊子には「同性愛は心の中の問題であり、先天的なものではなく後天的な精神の障害、または依存症」「個人の力強い意志によって抜け出すことは可能」などという差別的で間違った内容が書かれていました。

これに対し、デモの発起人の1人、アンドロメダさんは「冊子のあの表現は許せなかった。私たちがあの言葉に対して立ち向かわなければ、まだ自分たちのジェンダーやセクシュアリティを探求している子どもたちを孤独にしてしまう。LGBTQでいることは病気ではありません。私たちはありのままの私たちで大丈夫です」と訴えていました。

そのあともリレー形式でLGBTQ当事者やアライ(LGBTを理解・支援する人)が次々に登壇。LGBTQへの差別を辞めること、冊子の内容を明確に否定することを自民党に求めました。

「ありのままのあなたでいい」というのは本来“当たり前”のことであるはずなのに、なぜこんなに声高に叫ばなければいけないのでしょうか。

私は今回初めてデモに参加したので、行く前は自分がLGBTQ当事者ではないのに参加してよいのかという不安や、デモってなんか怖そうという勝手なイメージなどでそわそわしていました。でも、実際に足を運んだことで声を上げてくれた企画者や登壇者の訴えを生で聞けたこと、怒りや違和感をその場にいた多くの人と共有できたことで、暗く悲しかった気持ちがいくらか晴れ、温かい気持ちになりました。まだ直後ですし、どの程度この声が政治に反映されるかはわかりませんが、思いをたくさんのひとと“共有”すること、たくさんの人が集まることで形にすることはとても重要なことだと思いました。

本当に毎日の生活をおびやかされ、恐怖を抱えている当事者のみなさんの力になれたかどうかはわからないし、上記の感想は私の自己満足にすぎません。でも、誰かが差別されている世界は私にとっても生きづらいし、すべての人がありのままに自分らしく生きられる社会こそ、誰にとっても生きやすいのではないのだろうかと思います。

デモのスピーチのアーカイブは、Stand for LGBTQ+ Lifeのインスタグラムに掲載されています。デモに参加できなかった方はもちろん、この問題に関し疑問を抱いている方や知らなかったという方も、ぜひ見てみてください。

 
 
 
 
 
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Profile

金原毬子Mariko Kimbara エディター。学生時代にファッション誌編集部でのインターンや雑誌制作を経験し、編集者を志す。2017年扶桑社に入社し営業職を経て、19年『Numéro TOKYO』編集部に異動。主に人物取材やカルチャー、ライフスタイルなどの特集、本誌の新連載「開けチャクラ! バービーのモヤモヤ相談室」などを担当。音楽、ラジオ、ポッドキャストが好きで片時もヘッドフォンが手放せない。

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