Culture / Editor's Post

映画好きにはたまらない!『USムービー・ホットサンド 2010年代アメリカ映画ガイド』

現在発売中のNumero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)6月号「2010年代を振り返り。漫画&映画で笑おう!」では、2010年代のコメディ・ギャグ系の漫画や映画を大特集。作っていて観たい映画や漫画がたくさん増えました。不謹慎ですが言わせてください…テレワーク万歳!


特に「目利きが選ぶ! 世界の”コメディ”」では、知る人ぞ知る映画通4名が世界津々浦々のコメディ映画を計24も紹介。北はフィンランドから南はニュージーランドまで、大爆笑できるポップな映画からふふっと笑えるシニカルな映画まで、ぎゅぎゅっと詰め込みました。4名それぞれの個性もセレクトに現れているので、各文末のイニシャルにも注目してみてください。

さてそのうちの一人、降矢聡さんには今回初めてヌメロに登場していただきました。
降矢さんは、Gucchi’s Free School(グッチーズ・フリースクール)という、日本未公開の映画を上映する団体を主宰されています。降矢さんのセレクトは、ブラックユーモアに思わずにやりとしてしまうアンダーグラウンドな作品が多い印象。我こそは映画通!というそこのあなたもチェック必須。本当にコレは観ましたか?

某人気書店でロングセラー、映画雑誌『ムービーマヨネーズ2』

本誌の宣伝はこれくらいにして、グッチーズ・フリースクールの紹介をしたいと思います。
私がグッチーズ・フリースクールを知ったのは、2019年12月号「あの人がナビゲートする、知る喜び」特集でZINEについてリサーチしていたときのこと。

数々の雑誌、洋雑誌だけでなくZINEも豊富に取り扱う代官山の某書店で目についたのが、グッチーズ・フリースクールが自主制作した映画雑誌『MOVIE MAYONNAISE(ムービーマヨネーズ)2』でした。表紙の絵も素晴らしいし、中をチラリとのぞいてみると映画への愛がぎっしりで、これは家に持って帰ってじっくり読みたいと即購入。書店員さんにあとからお伺いすると、とても人気でロングセラーなのだとか。

『ムービーマヨネーズ2』
『ムービーマヨネーズ2』

『デッドプール』以前のライアン・レイノルズ主演おバカ映画を紹介してみたかと思えば、映画を評する単語「quirky(クゥオーキー)」についてポール・トーマス・アンダーソンやウェス・アンダーソンの作品を絡めながら22ページにわたって考えるしっかりした読み物もあったり、シリーズものの映画を学期(シリーズ)ごとに評価する通知表や、“最低”の映画を表彰する「ラズベリー賞」についての模擬試験があったりなど、もうおもしろくておもしろくて。本の扉にある通り、なんて“高カロリー”なマヨネーズ! あっという間にグッチーズ・フリースクールのファンになりました。

大ボリュームの『USムービー・ホットサンド』

そして。私がファンになったのもつかの間、2020年3月に、グッチーズ・フリースクールは2010年代のアメリカ映画についての書籍『USムービー・ホットサンド』(フィルムアート社)を発売!

『USムービー・ホットサンド』
『USムービー・ホットサンド』

これがまた、たまらないんです。233ページの大ボリュームで、どのページもぎっちりみっちり。細部までこのQ数はいったい何ポイントなんだ?!と思うような小さな文字で埋めてあります。マヨネーズをたくさん絞って挟んだのでしょうかこのホットサンド、なんて高カロリー!

お気に入りはアメリカのティーンのハイスクールライフを妄想した時間割や登場人物のファッションでみる職業求人票、犯罪を犯した映画の登場人物の犯罪者目録など。ほかにも地域ごとに作品をまとめてアメリカの地域性を浮かび上がらせたり、『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』の看板商品はなぜにキューバン・サンドイッチだったのか?という切り口からアメリカの食文化をひもといたりなど、映画がもっと楽しくなる知識が盛りだくさん。新しい発見があるのはもちろん、今までなんとなく観ていた映画も、ああそういう背景があったのか、と気づくことができます。

「映画とファッションでみる職業求人票(架空も含む)」
「映画とファッションでみる職業求人票(架空も含む)」

どんなに楽しくても情報量の膨大なこの本を一気に読むのはなかなかハード。毎日少しずつ読んでは映画を観て、読んでは映画を観て、とちびちびかじって楽しんでいます。

Numero TOKYO 6月合併号と『USムービー・ホットサンド』を手に入れれば、おうち時間が充実すること間違いなし。ぜひチェックしてみてください。

『USムービー・ホットサンド 2010年代アメリカ映画ガイド』
編著/グッチーズ・フリースクール
本体価格/¥2,000
発行/フィルムアート社

Text:Mariko Kimbara

Profile

金原毬子Mariko Kimbara アシスタント・エディター。大学時代『ELLE girl』のインターンや、大学の授業での雑誌制作を経験し、エディターを志す。タワーレコード渋谷店でバイトに明け暮れた3年間はカルチャー好きを加速。卒業後は扶桑社に入社し、営業職で書店から書籍・雑誌販売の愛と厳しさを学ぶ。憧れの『Numéro TOKYO』編集部に異動し、一日も早く一人前のエディターになるべく目下勉強中。好きなバンドはハイム。

Recommended Post

Magazine

ec

JULY / AUGUST 2020 N°138

2020.5.28発売

Time is Precious

時間が教えてくれること

オンライン書店で購入する