日本初の旗艦店が表参道にオープン! 「MARIA BLACK」に10の質問 | Numero TOKYO
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日本初の旗艦店が表参道にオープン! 「MARIA BLACK」に10の質問

デザイナーのルーツであるデンマークのミニマリズムに、現在の拠点、ロンドンのパンクなスピリットをさり気なく融合したファッションジュエリー「MARIA BLACK(マリア ブラック)」。日本にも多くのファンを持つジュエリーブランドが、日本初の旗艦店を表参道にオープン。ローンチに合わせ来日したマリア・ブラックを直撃! 10の質問から、彼女のクリエイションをひも解いてみたい。

1 日本はどんな印象?

来日したデザイナーのマリア・ブラック
来日したデザイナーのマリア・ブラック

2016年から1年ごとに3回、パンデミックを挟んで今回が4度目の来日です。日本の人々は以前からとてもスタイリッシュでしたが、さらに魅力的になったように思います。自粛生活でいらないものを手離して、新しいものを手に入れたりしてアップデートしたのかしら(笑)。とにかく東京はメガシティなのに礼儀正しい。私が住むロンドンもマナーを尊重する街ですが、ニュアンスが少し違いますね。東京には暗黙の了解のような、あうんの呼吸があります。そしてとっても街がきれい。正直、住みたいくらいです。美術やデザインなど関心の高いものに溢れていますし。以前京都の展覧会で観た草間彌生さんの作品が印象に残っています。

2 ジュエリーデザイナーになったきっかけは

若い頃スペインのイビザ島のジュエリーストアで働いていたときにジュエリーの修理や制作に関わり、私の天職だと確信しました。そこからコペンハーゲンやロンドンで4年間、貴金属の細工職人、ゴールドスミスとして実習生として経験を積んだのです。卒業後、ロンドンのノッテング・ヒルのポートベロー・ロードなど有名なマーケットで、ハンドメイドのジュエリーを販売しながら生活していました。自分でジュエリーボックスも作ったりしてね。そのときお客様と直接対話すことで、何が求められているか知ることができたのです。そうしていくうちにエージェント数社から声をかけてもらい、2010年にはファーストコレクションが誕生しました。なんというか、ごくごく自然の流れで出会いがあり、ジュエリーと私のとても美しい旅路が始まりました。

3 デザインはどんなふうに発想する?

プロセスは2種類です。ひとつはどういうストーリーにしようかムードボードを作ることから。人が持つ悩みだったり楽しみだったり、自分の思いを目に見える形で具現化し、そこからジュエリーを形づくります。このとき、いちばんしてはいけないことはムードボードに他のジュエリーを貼ること。ムードボードはあくまでインスパイア源であるべきです。例えば花とロボット、こういう対極で一見無関係にあるものを融合してジュエリーに落とし込む場合、言葉も重要なインスピレーションになります。もうひとつはもう少し抽象的に実際にアートだったり、例えば美しい花瓶などをみて、それを感覚的にジュエリーに落とし込むという方法です。

4 デンマークやロンドンから得ている影響を教えて

ネックレス¥12,100〜
ネックレス¥12,100〜

私のデザインスタイルは生まれ故郷のデンマークにも、現在生活するロンドンにも影響を受けています。デンマークらしいスカンジナビアの温かみのあるミニマルなデザインはもちろんのこと、労働者階級が多いイーストロンドンに暮らしたことから、ネックレスのパンクなレイヤードが生まれました。それから旅も好きなので、いろんな土地のエッセンスも投影しています。

5 マリアさんにとって、ヒュッゲなひとときとは

マリア・ブラック自身によるサイン
マリア・ブラック自身によるサイン

ヒュッゲはたくさんの意味合いを持つすばらしい言葉なんですよ。家に帰って着心地のいい服に着替えてリラックスする、お茶を淹れてキャンドルに火を点けてリラックスするという自分の時間もありますし、家族や友人とのひとときでもあります。とにかく快適で幸せな気持ちになるとき、それが私にとってのヒュッゲです。今回オープンした表参道のお店も、ヒュッゲが生まれる空間になるよう考えました。

6 新しい表参道の旗艦店はどんなコンセプト?

日本初の路面店で、私のクリエイションを日本の皆さんに伝えることができて嬉しく思っています。「CRAFTSMANSHIP」をコンセプトに、私のものづくりのフィロソフィに日本の伝統や職人へのリスペクトを込めています。ディテールに和紙や再生ガラス、再生アルミニウムを使っているんですよ! 

7 サステナブルに対する取り組みは

サステナブルを意識したのはパンデミックに入ってから。それまではやはり仕事、仕事で、一旦止まって考えられるタイミングだったので、とても集中して取り組みましたね。まず素材がどこから来てどういうふうにつくられているのか、そこを最初に検証しました。次にお客様が買った後のリペアやリサイクルはどうなっているのか。提供する私たち側がきちんとしていれば、サステナブルは当たり前になって、お客様は考えなくていいものだと思うので。その心がけのひとつとしてマリア ブラックのシルバーは可能な限り、再生シルバーを使うようにしています。

8 インパクトゴールドとはどういうもの?

フェアトレード30%、リサイクル70%のマリア ブラック独自の合金です。ゴールド調達についてNGOなどをリサーチした結果、80%が小規模発掘会社で低賃金かつ労働環境が悪い。それは平等ではないですし、直すべきところだと考え、そこからスタートしたのです。価格に対しプラスで対価を与え、新しく環境を整えていきたいと考えています。人、地球、利益を考えたときに100%パーフェクトにすることはすごく難しい。自分たちの会社の規模であれば、30%のフェアトレードが現実的だと思いました。もしそこで無理したなら、商品価格が高くなり、結果お客様に負担を強いることになります。会社としての責任として、できる範囲のことから始めることが大切です。

少しずつ前に推し進めていて、NGO団体のFARE TRADEとタッグを組み、近い将来には小規模採掘団体独自で環境を整えられるよう支援した「サポートゴールド」を使い、比率をサポートゴールド10%、フェアトレードゴールド40%、リサイクルゴールド50%にする取り組みをスタートします。同じくサステナブルなラボグロウ(人工)ダイヤモンドを組み合わせた14Kのインパクトゴールドを使ったファインジュエリーの新作「バーティゴ」も、今回のオープンに合わせて日本で初めて展開しています。

9 日本人におすすめのコレクションは

日本限定の「Forest Bathing」コレクションはイヤカフ¥18,000〜、ピアス¥22,000〜
日本限定の「Forest Bathing」コレクションはイヤカフ¥18,000〜、ピアス¥22,000〜

対面したときに最初に視界に入るイヤピースは、楽しく自分を表現できるアイテムなので、いろいろなデザインをラインナップしています。今回ショップで先行発売している日本限定コレクション「Forest Bathing(森林浴)」をぜひ手にとってみてください! 人と自然のコントラストを私らしい曲線に仕上げたイヤカフを、レイヤードして着けるのがおすすめです。

10  最後にこれからの展望を!


このお店に来ていただいて、とにかくいろんなジュエリーをタッチ&トライして欲しいですね。ユニセックスなので、パートナーと一緒にお互いにギフトを選び合うのもいいかもしれません。海外のショップではスタートしているのですが、お店の中にピアスホールを開けるピアッシングスタジオをもっと増やしていきたいです。あとはワークショップやコラボレーションも積極的に行っていきたいと思っています。

マリア ブラック 表参道店
住所/東京都渋谷区神宮前5-3-3
TEL/080-4009-2020
営業時間/13:00~19:00(土・日は~18:00)
定休日/火、水
URL/escapers.jp
instagram/@mariablackjp

Photos:Takahiro Idenoshita
Edit & Text:Hiroko Koizumi

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