近年、Z世代を中心に世界的に注目されているセルフケア習慣があります。
それが「ジャーナリング」です。
ジャーナリングは主に自分の感情や思考を整理するために、その日の出来事、思ったことなどを書き起こす作業のこと。コロナ禍以降、徐々に注目を集め始めたこのジャーナリングは“書く瞑想”とも呼ばれ、自分の感情を文字にすることで絡まった思考が整理され、不安やストレスの軽減、さらには理想の現実を引き寄せる効果も期待できると言われています。
SNSによって若い世代を中心に拡散し、ゼンデイヤやテイラー・スウィフトといった世界的なセレブたちも実践しているとか。おしゃれなノートやペンと組み合わせた“映えるセルフケア”としても人気を集めています。

数あるジャーナリングの中でもアメリカで一大ブームを巻き起こし、日本でも話題になっているのが「シャドウワーク・ジャーナル」。心理学者カール・ユングの思想をベースにしたこの手法は、自分の中の無意識やあえて見ないようにしている感情・思考・価値観と向き合うための記録方法。ポジティブ・ネガティブ問わず日々の出来事や気持ちを記録する通常のジャーナリングに対して、シャドウワーク・ジャーナルは特にネガティブに感じる感情や、自分の影の部分にフォーカスして掘り下げていく点が特徴です。

今年の1月、アメリカで累計100万部を突破した話題の書籍『The Shadow Work Journal』が日本でも発売となりました。占星術研究家であり翻訳家でもある鏡リュウジさんが翻訳を務めた『シャドウワーク・ジャーナル “本当のあなた”になるためのガイド』です。書き込み式で構成された本書は、用意された質問に答えながら自分の内面を丁寧に探り、自分にとってネガティブな障壁を乗り越えていくためのガイドブックになっています。質問は具体的で答えやすく、自分では気づかなかった感情や価値観にも自然と触れることができ、さらに一度のワークを終えるごとに心が軽くなるような感覚が得られるのも魅力です。そのため、ジャーナリング初心者にとっては始めやすく、経験者にとっても新たな発見をもたらしてくれる一冊と言えるでしょう。

自分の負の感情に正面から向き合うことは、なかなかカロリーの高い作業。実際にワークをこなしてみると、想像以上に自分の感情と正面から向き合う行為は難しいものでした。普段は考えたことのない、あるいは考えないよう蓋をしていたことに目を向けることは少し勇気が必要ですが、それでも1つのワークを終えるたびにモヤが晴れ、頭と心がすっきりする感覚が訪れます。
1日の始まりあるいは終わりに、この本と一緒に自分自身を省みるセルフケアの時間を過ごすことで、だんだんと自分の感情のコントロールが安定していくのを実感できました。
『シャドウワーク・ジャーナル』は、過去の記憶や感情を振り返る時間を与えてくれるガイドブック。ジャーナリングをやってみたいけれど何から始めればいいかわからない人にも、自分をもっと深く知りたいと感じている人にも、そしてネガティブな感情や過去の出来事を整理して次のステップに進みたいと願う人にもおすすめ。ペンを手に取り、少しずつ心の奥を探ってみることで、意外にも新しい光を見つけるきっかけになるはず。
ぜひこのガイドブックで、心をデトックスするようなセルフケア習慣を日常に取り入れてみてはいかがでしょうか?

シャドウワーク・ジャーナル “本当のあなた”になるためのガイド
著者/ケイラ・シャヒーン
訳/鏡リュウジ
価格/¥1760
発行/総合出版すばる舎
Text:Manami Hotta

