篠山紀信写真展「快楽の館」へ!
篠山紀信先生の写真展「快楽の館」が原美術館にて開催されています。(2017年1月9日まで) 原美術館は1938年に個人邸宅として建てられたもので、日本におけるモダニズム建築、昭和初期の洋風建築の貴重な例の一つと言われています。個人的にも大好きな美術館なんですが、建物はもちろん中庭も素晴らしく、訪れた時には必ずカフェテリアでまったりとした時間を過ごしています。贅沢な時間が過ごせるので、オススメです。この日は偶然にもドイツ出身の写真家、トーマス・ルフ氏が来館されていました。こんな偶然も美術館ならではなのかも。(トーマス・ルフと言えば11月まで東京国立近代美術館で展覧会が行われていましたね。12月10日から金沢21世紀美術館で巡回されているので、見逃してしまった方は是非。見逃してしまった私はこの機会に金沢に行ってみようと計画中です...!) 話がそれてしまいましたが…「原美術館は一個一個の壁、窓に歴史とドラマがあり、光が室内に入ると、空間からドラマが生まれる。」改めて館内を訪れ隅々を案内されたとき、そう感じられた紀信先生は、今までの写真を飾るのではなく、美術館そのものをテーマにできないものかと思い、今回の展示に至ったそうです。撮影は10日間集中して行われ、歴史ある空間で「出逢いの館」が生まれました。この展覧会は巡回することはなく、来年の1月9日までの4カ月間のみの公開となる貴重な機会になっています。 檀蜜さんはじめ、30名にのぼるヌード写真は、美しい写真を鑑賞するだけではなく、被写体と目が合ったり、自分がその世界にいるかのような不思議な空間を体感できるように仕上がっています。それは、紀信先生が、その空間はヌードのための空間ではなく、身体と空間が織り上げる、濃密なイメージの世界としての「快楽の館」を生み出されたから、私たちはただただ鑑賞するだけでなく、その空間を一緒に体感することになるんだ、と思いました。 緻密に計算されて撮影された作品もあれば、光や影が広がり、赴くままに撮影された作品がここにはありました。