人生もキャリアも、私がデザインする!
vol.2 「マテリアルワールド」代表 矢野莉恵
自分が最も幸福でいられて、輝くためには? 今、新しい働き方に注目が集まっている。何事にも流されず、核となるものを大切に、自分らしく働く女性たち4人のキャリアライフを紹介する。(「ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)」2017年5月号掲載)
オープンスペースのオフィス内のソファのスペースで。
PROFILE 2 : Rie Yano
「マテリアルワールド」代表取締役社長 矢野莉恵
常にオンの私を支えてくれるのは、
ミラクル・モーニング!
「クローゼットのリフレッシュを手間や罪悪感なく、もっと楽しくできたらと思ったのが出発点」と話すのは「マテリアルワールド」代表取締役社長の矢野莉恵さん。“リインベンション”をテーマに進化し続ける同社は、古着を無料で引き取って査定し、販売する。ユーザーは発行されたデビッドカードで、ユーズドアイテムのほか「バーニーズ・ニューヨーク」など提携する700以上のショップで買い物ができる。
オフィスの一角に並ぶ膨大なストック。なんと2カ月で100%が入れ替わる。
2012年の起業から、失敗や軌道修正を何度も繰り返しつつ、2014年に現在のサービスにたどり着いた。転機となったのが実店舗で買い取りを行なうPRイベントの開催。顧客は不要な洋服を処分して、買い物が楽しめ、ショップの売り上げにも貢献するというもの。「やっと何かをつかんだ気がした」という。
社内で定期的にアートクラスを開催。「マテリアルワールド」をテーマにスタッフが描いたもの。
そこからはノンストップ。週に6日は仕事をし、やると決めたら絶対やるという超行動派の矢野さん。「常にオンなので、自分の健康と精神のためにきちんと時間を取ることが大切」だという。
バレンタインデーに送り合ったスタッフ間のメッセージ。
昨年の春に友人の誘いで始めたのが「ミラクル・モーニング」。起きたらメディテーション、次に「今どう感じ、何に感謝し、昨日何を学んだか」を日記に書き出し、毎朝3つの目標を決める。その後、ジムでエクササイズをして、通勤時には読書をする。「寝坊した日は、それぞれをたった1分でもいい。その簡単さがよかったんです」。毎日続けるうちに頭も体もすっきりして、意思決定もクリアになったそう。
iPhoneには毎朝の日課「モーニング・ミラクル」に欠かせないアプリを左上から順に並べている。
今後はクリーニングやリペアも取り入れていきたいと話す。「扱っているブランドも巻き込み、お客さまだけでなく、ファッション業界全体がユーズドに対して前向きに、サステイナブルな消費が当たり前になるのが目標です」
Photos:Emmy Park
Text:Mari Fukuda
Edit:Etsuko Soeda
Director:Sayumi Gunji