人生もキャリアも、私がデザインする!
vol.1 ネイルアーティスト Hana4
自分が最も幸福でいられて、輝くためには? 今、新しい働き方に注目が集まっている。何事にも流されず、核となるものを大切に、自分らしく働く女性たち4人のキャリアライフを紹介する。(「ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)」2017年5月号掲載)
時間さえあればアトリエにこもり、アート制作を行う。
PROFILE 1 : Hana4
ネイルアーティスト、アートディレクター Hana4
20年、30年先も
今の仕事を続けることを頑張ろうと思う。
独創的な色の組み合わせや、信じられないほど繊細な線で描かれるレース模様など、美しいネイルアートを表現し続けるネイルアーティストHana4さん。その才能は、多くのメディアでも紹介されてきたため、知る人も多いはずだ。幼い頃から細密な絵を描くことが得意だったこと、手に職が欲しいと思ったこと。自身のキャリアを考えていた矢先、自然の流れのようにネイルアーティストという仕事に導かれていったという。
アートディレクションを手がけた作品。ジュエリーのスタイリング、ハンドモデルもこなす(Photo:Takuo Itayama)
彼女の仕事はサロンワークだけにとどまらない。企業とのコラボワークを手がけたり、セミナーを通してネイリストに基礎の技術の大切さを伝えたり、ブランドのカタログなどではネイルを含む写真全体のアートディレクションも行う。独自のポジションを築く理由には、自ら掲げる目標があるからだ。
繊細なアート制作を支えるのは独自に開発した筆たち。朱赤の色使いが印象的。
「これだけIT化が進むなかで、ネイルという技術が機械に取って代わられることなく、将来的にネイルアートがさらに発展していってほしい。ネイルをすることで、自分に自信が持てたり、ネイルのある手で持つことで商品がより良く見えたりするなど、ネイルアートの持つ魅力を少し俯瞰しつつ伝える役割を私ができればと思っています」
インスピレーションは旅先で得ることが多いが、一度行った場所から得たものをじっくり自身に取り入れるまで他の場所へはむやみに訪れないようにしているという。アトリエにはアートや海外の紋様を集めた本などが揃う。
爪という、極小のキャンバスに描き出すアートを通して見据える夢は壮大だ。そんな彼女に“好き”を仕事にするための極意を聞いた。
「仕事をする相手から必ずヒアリングをします。その思いを汲み取りつつ、自分の思いとが完全に調和した瞬間、大変さは一気に吹き飛びます。その瞬間があるからこそ、この仕事を続けていけるのだと思っています」
Photos:Koki Hayashi
Edit & Text:Etsuko Soeda
Director:Sayumi Gunji