2016年秋冬ファッション対談
Vol.1 Bourgeois Punk「ブルジョアパンク」
numero.jpでしか読めないモードな連載『JUJU’s クローゼット』。最旬アイテムをJUJUが着こなす撮影に先立ち、2016年秋冬のファッショントレンドについて、JUJUと小誌編集長・田中杏子が3回にわたりトーク。
ツアーでは、リハーサル中にドレスアップ!?
J「いいですね。ところで、この先、ファッションはどこへ向かっていくんですか?」
A「今は変化が大きいので、どこへ向かっているのか断言できないのですが、ただ、今のファッション界にとって、インスタグラマーの功績が大きく関係しているとはいえますね。彼らが“Like!”を得るにはシンプルなだけでは難しいので。そういう意味では、バレンシアガ(BALENCIAGA)も見逃せません。ヴェトモン(Vetements)のヘッドデザイナー、デムナ・ヴァザリア(Demna Gvasalia)をアーティスティックディレクターに迎えて初のコレクションを発表したんですけど、それが不思議なシルエットで、最高に今っぽいんです」
J「すごいですよね。ランウェイに登場した赤いダウンは、肩から落として着ていましたが、暖かいんですか?」
A「ランウェイでは着くずしていますが、普通に着れば暖かいと思いますよ。ほかにも、コンテンポラリーなトレンチコートやいろんな花柄がミックスされたドレスなど、不思議で可愛いアイテムがたくさんありました」
J「花柄ドレスの下にはいているタイツなんか、まるでキャンディーバーみたいで見ていて楽しいです」
A「どんな発想でこのようなコレクションが生まれてくるのか興味深いですよね。最近、お買い物はされましたか?」
J「久しぶりにプラダ(Prada)でお買い物したんです! もともと友人のプレゼントを買いに出かけたんですが、ちょうどセールをやっていたので、ふらっとお店に寄ったら、秋冬のプレフォールの飾り付けをしていて。全く買うつもりじゃなかったものを、つい買ってしまいました(笑)。着てこようと思ったんですが、恥ずかしいなって、やめちゃいました(笑)」
A「え〜! 見たかったです。どんなアイテムを買ったんですか?」
J「黒いレースの中にズロースのようなショートパンツが付いているロマンティックなスカートです」
A「素敵! ぜひ次回は着てきてください」
J「毎回『着てきます!』と宣言するのに、結局いつも同じような格好になっちゃいます(笑)。でも実は最近、すごく頑張っているんですよ。前回の対談のときに、買うばかりじゃなくて着てくださいと言われたので、今回のツアーのリハーサルでは気合を入れておしゃれしたんです」
A「それ絶対に記録しておいたほうがいいですよ! きっとファンの方も気になると思います、JUJUさんの私服が」
J「リハーサルは私服で今までツアー中は動きやすい服を着ていたんですが、今回はドレスアップ。まるで“何も着てないんじゃないの?”と思われそうなグッチのベージュのスケスケワンピースを着たりして(笑)。ほかにもドリス ヴァン ノッテン(Driea Van Noten)やヴァレンティノ(Valentino)、ランバン(Lanvin)のドレスを着てみたり」
A「それ自撮りしてSNSにアップしたほうがいいですよ。“#今日のJUJU”っていうタグも付けて」
J「リハーサルといえば、最後の日にメンバー・スタッフ全員で集合写真を撮ったんです。ベージュのドレスを着た私を、紫色の衣装を着たダンサー2人が囲んでいて、写真の中で中央にいるその3人だけが異様な雰囲気をつくっちゃっていて。なんだこれは!って盛り上がりました(笑)。そんな場面もあったので、おしゃれをしていると、リハをするのもとても楽しかったです。仕事ではそうやって派手な格好を楽しんでいるので、あとは普段出かけるときに実行するのみですね」
A「素敵じゃないですか。買うだけじゃなくて着る行為に至ったということで、第一段階はクリアですね」
J「あと、クローゼットの整理をしたら着たい服が見えてきたんです。なので、これからはプライベートでも頑張りますよ、杏子さん。たんすの肥やしから脱却します。派手な格好で出かけて、『JUJUだ!』って言われても、『そうです、JUJUです!!!』って言えるくらいに(笑)」
A「その調子で、出かけるときもぜひおしゃれしてくださいね!」
Photo:Yosuke Morimoto
Hair & Makeup:Akiko Gamou
Interview & Text:Kefa Cheong
Edit:Maki Saito
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