2016年秋冬ファッション対談
Vol.1 Bourgeois Punk「ブルジョアパンク」
numero.jpでしか読めないモードな連載『JUJU’s クローゼット』。最旬アイテムをJUJUが着こなす撮影に先立ち、2016年秋冬のファッショントレンドについて、JUJUと小誌編集長・田中杏子が3回にわたりトーク。
初回のテーマは「Bourgeois Punk(ブルジョアパンク)」。豪華絢爛、デコラティブな貴族的ファッションを大胆に着くずしたスタイルがキーワードの今シーズン。JUJUが気になる最新アイテムとは?(前編)
2016年秋冬シーズンのキーワードは“盛り”
田中杏子(以下A)「2016年秋冬シーズンは、柄に柄を合わせたり、アクセサリーをたくさん着けたり、スタイリングでどんどん盛っていこうという“盛り“がトレンドです。発売中の9月号でも『“モード盛り”ワンダーランド!』と題して特集しています」
JUJU(以下J)「前シーズンに引き続き“柄”なのですね」
A「そうなんです。マリー・アントワネットなど、中世ヨーロッパの王室や貴族のようなスタイルを取り入れて、さらによりデコラティブな方向になっています。かと思えば、パンクやロックなスタイルもトレンドなので、初回のトークテーマはその2つが融合した『ブルジョアパンク』です」
J「大好きなテーマです。『ブルジョアパンク』って、私が生きる上でのモットーでもあります!(本誌に掲載中のトレンド図鑑を見ながら)この特集を見ながら一晩中語り合えるかも(笑)」
A「代表的なのはサンローラン(Saint Laurent)。ハートのスタッズが敷き詰められたライダースジャケットと、ドットがプリントされたシフォンの黒いロングスカートにゴールドの太ベルトを着けたルックなんて、JUJUさんの私服の雰囲気に近いですね」
J「とても好きです! ロックやパンクなスタイルに、さらにロマンティックな要素も含まれているんですね」
A「アニマル柄や花柄にファーと、とにかく要素を盛る。少し毒っぽい花柄があったり…。以前、春夏ファッションの対談でも毒ロマンティックの話をしましたが、ここ1年くらい、トレンドの方向性が同じなんですよね」
J「覚えています! 今シーズンだと、私は引き続きグッチ(Gucci)が気になっています。特にブラックのレースにブルーやイエローなどカラフルなスパンコールが施されたスカートが好きです」
A「可愛いですよね。今シーズン、ほかに気になっているブランドはどこですか?」
J「サンローランやシャネル(Chanel)も気になります。セリーヌ(Celine)は相変わらず好きです」
A「ファッション好きがお買い物したくなるアイテムが今シーズンは多いですよね。例えば黒いアイテムでも、サンローランのライダースやスカートのように、柄や装飾が施されたものがたくさん出てきているので、黒好きのJUJUさんは今シーズン必見ですね。ちなみに小物やアクセサリーは着けますか?」
J「小物って見ていても楽しいし、可愛いので買うのですが、結局そんなに使わないので、たんすの肥やし状態です(涙)」
A「アクセサリーをゴテゴテに着けてスタイリングしていないと物足りないシーズンに突入するので、クローゼットの中で眠っているアイテムも活躍し始めると思いますよ」
J「本当ですか! それはうれしいですね」
A「今日のピアスは、VERBALとYOONが手がけるアンブッシュ(AMBUSH®)のものなのですが、釘がモチーフで、耳だぶを貫通しているように見えて、かなりパンク(笑)。いま履いているグッチの靴も、尖ったスタッズのような装飾が相当ハードコアでしょう。こういうアイテムを足していくのがこの秋冬の主流です」
J「まさに“盛り”ワンダーランドですね」
A「今日のこのTシャツだって、ゴスっぽいけど実はブルジョアパンク風なんですよ。セレーナ・ゴメス(Selena Gomez)のライブを見に行ったときに買ったツアーTシャツなんです。ステージに投影されていた絵がTシャツにプリントされているんですが、そのステージが個人的にはアレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)の世界観と通じるなと思って感動しました」
Photo:Yosuke Morimoto
Hair & Makeup:Akiko Gamou
Interview & Text:Kefa Cheong
Edit:Maki Saito
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