──3人とも、クラブがお好きなようですね。
J「NYにいた18の頃から、たくさん通っていましたからね。最近また、NYのクラブが面白くなって来ているらしいんです。実は、HIPHOPが商業ベースになった頃から、クラブのイベントが面白くなくなってきていました。でもここ数年でちょっと動きが変わっているみたい。景気が悪くなるとサブカルって楽しくなりますよね。あと、NYのパーティプロモーターって、一生その仕事をやっていく人が多いから、私が住んでいた頃の人たちがまだ、パーティプロモーターとして活躍しているんです。大人が遊ぶ場所が少なくなって、昔イケてるパーティをアレンジしていたプロモーターたちが再び、大人の遊び場を作っているみたい」
H「場所はどの辺りですか?」
J「場所は相変わらず。ミート・パッキング・ディストリクトの方にもあるだろうし、27丁目とか。古きよきNYのクラブが復活している。私が行った頃、本当にかっこいい人たちが集まって、お洒落じゃないと入れないっていう90年代のパーティ全盛期の雰囲気が戻りつつあるみたいです」
K「音楽は何が主流なんですか?」
J「NYのクラブって、アシスタントはいたとしても、基本はひとりがやる。だから、オールジャンルなんですよね。ひとりのDJが起承転結全てを演出する、一晩のドラマ。もちろん、ハウスのクラブはハウスのクラブ、HIPHOPはHIPHOPってあるけれど、でも大体、でもオールミックスですね。途中でロックがかかるときもあります」
K「個人的に好きなジャンルはありますか?」
J「一番好きなのは、最初はプログレッシブ・ハウスから始まって、だんだん盛り上がってHIPHOPがかかって、レゲエもかかって… 最終的に、3時20分あたりから4時まではハウスが聞きたい! すっごい楽しかった頃の往年のディープ・ハウスみたいのを聞いて『わー! 楽しかった!』って帰るのが理想的」
H「今なら、何を着ていく?」
J「超ハイファッションでしょう。でも、きっと完全に、高級娼婦の大人バージョン(笑)。でもNYのクラブって、本当にハイファッションの嵐だったりするから。そういうイメージですよね」
K「イギリスはもっとストイックですね。HIPHOPならHIPHOP、ハウスならハウス、私はテクノが好きだったんですけど、テクノの中でも種類がいっぱいあるし。ミックスしているクラブはほとんどないから、とにかく好みの場所に、躍りやすい格好して行く。どこに座ってもいいような格好(笑)」
J「特にハウスのクラブは、踊りに行くぞ!って感じですよね。林田さんもロンドンですか?」
H「私が行っていたのは、ロンドンのブラウンズと、ホワイトチャイナ、アナベルズって3カ所。特にアナベルズはすごい大人な雰囲気。昔はビートルズとか、ローリングストーンズとかが来ていたらしいのですが、彼らもスニーカーは絶対にNG。1970年代にミック・ジャガーがスニーカーを履いて行って、NOって追い返されたこともあるらしい。全面ガラス張りで、来ている人達は超ハイファッション! ブラウンズは、音楽系の人が来るところだったかな。上がラウンジになっていて、そこで選曲を聞きながら、お気に入りがかかったら下のフロアへ行って踊る。すごく懐かしい…クラブは、楽しいですよね」