ミュージシャン・JUJUのファッション連載がスタート! | Numero TOKYO - Part 4
Fashion / Post

ミュージシャン・JUJUのファッション連載がスタート!

レコーディングやリハーサルにはスタッズで挑む!
 
T「舞台上の衣装は、街を歩くときの服とは違いますよね。気をつけていることはありますか? もちろん、ショー映えするというのはひとつあるかと思いますが」

 

J「ステージで映えるものっていうのは確かにあって、今はある程度テイストが定着してきました。でも初めの頃は色々ありましたよ。一時期なんて、ジーパンとタンクトップ! 余分なものは身につけずに歌声だけで望むという。スタッフとしては、親しみやすい人を演出したつもりだったんでしょうね。でも、観る側にはストイックすぎてやや嫌みに写ってしまったらしく失敗。ストイックさっていうのは、ある人にとっては近寄りがたい」

 

T「そこから、着飾る方向にいったんですね。衣装とはいえ自分の舞台だから、スタイリストさんが持ってきてサイズさえあえばいいですよって訳ではないですよね?」

 

J「すごく選びます。さっき、ドレッシーなものが好きって言いましたが、元をたどるとやっぱりジャズ。50年代とかのジャズクラブの雰囲気に憧れるから、そういうものを着たくなります。ブルーノートのライブの時とか、実はあれほとんど私服。どうしても衣装を着回すのが嫌なんです。ステージが毎日2セットずつあって、先日は10回公演だったんですけど、10ルックのうち6ルックは自分で用意しました。気に入って買ったのに派手すぎて東京では着られないドレスがここで登場ですよ。日頃のお買い物が、そういうところで意外と活かされている(笑)」

 

T「歌う歌によって、こういう方向性がいいとか、こういう色のものがいいというのはあるんですか?」

 

J「曲にあわせることもあります。でも、わざと逆行することもありますよ。実は逆行したい願望の方が強い。曲自体は甘すぎるくらいスイートなのに、私は小さいおっさんがいっぱい詰まってできている人間だから(笑)。世間的に“バラードの人”と思われているかもしれないけど、本人はバラードの中に出てくるような、そんないい人ではないので(笑)。そこは気にしますよね」

 

T「なるほど。イメージを付けるのにファッションって大切な要素。見え方ひとつで大分印象が変わりますからね。実は、そのギャップを楽しんでいる部分もあったりして?」

 

J「そうかも。前回のシングル『ただいま』が、すごく温かい日常生活の中の曲だったから、わざとテレビとかのリハーサルのときはスタッズだらけの服で行ってみたり(笑)」

 

T「リハーサルだけ?」

 

J「本番が白やベージュのドレスなので、裏側でレザーやスタッズの服を着て自己主張するんです。そういえば、リハーサルとかレコーディングの時とかは結構そういう自分なりの反抗をしてますね。リハーサルとはいえ、共演者さんとかスタッフとか観てる人がいらっしゃるじゃないですか。だからその人たちに対して“私はいい人ではありません”と伝えるアピールタイム。スタッズをギラギラ光らせながら、“ただいまと~”って歌ってる(笑)」

 

T「ご自身の立ち位置と歌のイメージ、置かれた場所、聞いてる人達を意識してそこに向けてアピールしている。ファッションをコミュニケーションツールにしていますね」

 

J「別名、無言の抵抗ってやつですね(笑)」
 
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