新コレクション発表のため来日!アレクサ・チャンにインタビュー
モデルで女優、そして自身のブランド「ALEXACHUNG(アレクサチャン)」のクリエイティブ・ディレクターとして活躍するアレクサ・チャン。最新コレクションのプレゼンテーションを行うために来日した彼女が、ブランドのこと、自身のスタイルアイコンについて語ってくれた。
──プレゼンテーションの場に選んだのは、東京タワースタジオ。レトロなムード漂う会場で、日本に向けて最新コレクションを発表する今の気持ちは? 「日本のカルチャーやファッションには夢があるからこそ大好きなの。この会場もエキゾチックですごく気に入った。今回のプレゼンテーションはヴィジュアルとしても刺激的で楽しいものにしたかったから、ぴったりの場所だと思う」 ──VIRGINIAコレクションのインスピレーション源は? 「今回のコレクション名『VIRGNIA』はイギリスの作家のヴァージニア・ウルフにちなんだもの。彼女は独自のフェミニズム論を掲げるなど、すごく先鋭的な考えの持ち主だったのだけれど、ヴァージニアをはじめ、芸術家や詩人などによる集団、ブルームズベリー・グループは、1900年代前半から第二次世界大戦ごろまで活動していて、さまざまなアートや詩、文学、器などの作品を生み出していたの。彼女たちの活動は私にとってすごく刺激的で、当時着ていたロマンティックなファッションから着想を得ながら、モダンで、春の季節に似合うフェミニンさをプラスしたの。彼女たちが拠点としていたチャールストンハウスにも足を運び、美しい庭や歴史を感じさせる外観にすごく惹かれた。すぐにルックブックの撮影のロケーションにすることを決めたの」 ──クリエイティブ・ディレクターであり、またファッションアイコンでもあるあなたのスタイルアイコンとは? 「本当にたくさんいるけれど、70年代のロックスターから特に影響を受けているの。たとえばミック・ジャガー、ジョージ・ハリソン、ジョン・レノン、ブライアン・ジョーンズ…。」
──男性ばかりなのですね…?
「もちろん女性のスタイルアイコンもいるわ(笑)。ケイト・モス、シャーロット・ランプリング、クロエ・セヴィニー、ジェーン・バーキン、グレース・ジョーンズ…。本当にたくさんいるわ。でも、あの頃のロックミュージシャンに惹かれるのは、彼らのアティテュードやカリスマ性が圧倒的だからよ。そして60~70年代の男性ミュージシャンは女性からインスパイアされたファッションで着飾っていたと思うの。だからジェンダーという括りでスタイルをカテゴライズすることはしないわ。それは自分のファッションの可能性を狭めてしまうことになってしまうから」
─ガーリーな着こなしも印象的ですが、さまざまなスタイルを楽しんでいるのですね。
「確かにイベントやパーティなどメディアに出るときは、ガーリーなファッションをすることもあるけれど、デイリーワードローブはむしろすごくマスキュリンなのよ。ダンガリーシャツにデニムとか、セットアップも好き」
─ファッションを通して伝えたいメッセージは?
「常にユーモアのセンスと遊び心を忘れずに思う存分、自分のスタイルを楽しんでほしい。私の服を着ることによって、自分らしくいることの心地よさを感じてもらいたい。私の服は、女性をセクシーに見せるためのものではないけれど、着る人それぞれの魅力を引き出す手助けになれたら嬉しいわ」
Photos:Wataru Fukaya Interview:Etsuko Soeda Edit:Michie Mito,Yukiko Shinto