岩田剛典、初ミュージカルへ。「僕だからきたオファーを増やしたい」 | Numero TOKYO
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岩田剛典、初ミュージカルへ。「僕だからきたオファーを増やしたい」

アーティスト、俳優として表現の幅を広げながら、常に挑戦を重ねてきた岩田剛典。そんな彼が2027年、新たなステージに立つ。挑むのは、世界中で愛され続けてきたコメディミュージカル『モンティ・パイソンのSPAMALOT』。ミュージカル初挑戦にして初主演を務め、アーサー王を演じる。上演台本・演出を手掛けるのは福田雄一。英国流ユーモアとパロディに満ちた唯一無二の世界で、芝居、歌、ダンスという表現にどう向き合うのか。出演を決めた理由から現在の心境、俳優として重ねてきた経験、そしてこれからについて彼が語ってくれた。

「がんちゃんしかいない」。福田雄一から届いた熱烈なオファー

──今回の『モンティ・パイソンのSPAMALOT』への出演オファーを受けたとき、最初に何を思いましたか? 福田雄一さんから「アーサー王はがんちゃんしかいない」と熱烈なオファーがあったそうですね。

「福田さんから直接LINEをいただいたんです。2年くらい前だったかな。久しぶりの連絡だったんですけど、『自分がいちばん好きなミュージカルで、主役のアーサー王をやってほしい』という、ものすごく熱烈な長文メッセージで(笑)。『どうしよう……』と思いましたけど、そこまで言われたら、もう断れなかったですね。しかも、僕が返事をする前から、HIROさんをはじめ周りの方にも『がんちゃんを借りるから』みたいな感じで、すでに連絡をされていたみたいで。公演が年始なので、稽古は年末になりますし、音楽活動との兼ね合いもある。かなり先の話でしたけれど、三代目のメンバーにも相談しました。みんな快く『先に決まっている仕事ならいいんじゃない』と言ってくれたので、かなり早い段階で福田さんに『やります!』とお伝えしました」

──メンバーのみなさんに「ミュージカルに出演する」と伝えたときは、どんな反応でしたか?

「もう僕がやることに対して、あまりみんな驚かないんですよ(笑)。『そうなんだ、頑張ってね!』くらいの感じでした。メンバーにとってもミュージカルは未知の領域なので、まだなかなか想像がつかないところもあると思うんです。それより、『そんな先の仕事がもう決まったんだ!』という反応のほうが強かったかもしれないですね」

──福田さんは、なぜ岩田さんをアーサー王にと思ったのでしょう?

「映画『聖☆おにいさん THE MOVIE』の現場で決めたとおっしゃっていました。僕を見て、『こういうバカなことを一緒にできる、歌って踊れる俳優を探していたら、いた!』って(笑)。だから、相当前から決まっていたみたいです」

13年ぶりの舞台で知る、“生の芝居”の魅力

──今回がミュージカル初挑戦。舞台に立つこと自体も10年以上ぶりになりますが、今、どんなことを楽しみにしていますか?

「やっぱり、生でお芝居を観てもらえることですね。新人の頃に2本くらい舞台に出たことはあるんですけど、それから13年ほど、映像を中心に芝居をしてきたので、今の自分が舞台に立ったときにどんな感覚になるのか、まだ正直わからないんです。舞台が本当に好きな役者さんってたくさんいるじゃないですか。そういう人たちが、なぜ舞台に惹かれるのか──今回、自分もそこに触れて、その魅力を感じられたらいいなと思っています」

──オファーを受けてから2年以上。ミュージカルに向けて何か準備してきましたか?

「特別なことはしていないです(笑)。ミュージカルを観に行ったりはしていますけど、その間にもアリーナツアーを2回やっているので、ステージに立つこと自体には慣れている。ただ、大勢のお客さんの前で、カメラではなく生で芝居をするというのはほぼ初めてなので、そこはすごく楽しみですね」

台本を超えて生まれる、福田雄一との“笑い”

──福田さんの舞台では、台本通りではない“笑い”も求められそうですね。

「福田さんの舞台で大切なのは“キャッチボール”だと思うんです。稽古でセリフを完璧に頭に叩き込むのはもちろんですけど、本番では絶対にそれだけじゃないことが起きる。それが福田さんの舞台だから。その場で飛んできたものに対して、アーサー王としてどう返すのか。何が起きても笑いにできるくらいにならないといけないので、かなりレベルが高いですよね。本当に芸人さんがやっているようなことだと思います(笑)」

──初ミュージカル主演、さらに福田作品の座長ということにプレッシャーは?

「それはありますね。でも福田さんは、『いやいや、固いキャスティングでしょ。盤石でしょ』みたいな感じなんですよ(笑)。僕からすると、『結構、攻めてません?』って思うんですけど。そのあたりはちょっと感覚が違う(笑)。もちろん不安がないわけではないですが、楽しみのほうが大きいですね。もう、やるだけだなという感じです」

──これまで福田さんと作品を重ねる中で、“笑い”の表現に関して、少しずつ解放された感覚はありますか?

「芝居の“遊び”の部分に関しては、最近はもう遠慮なくやらせてもらっていますね。ただ、やりすぎて『そっちじゃない』と言われることも本当によくあって(笑)。『じゃあ、これはどうですか?』ってやってみても、『いや、それじゃないんだよな』って。福田さんの中には明確なゾーンがあるんですよ。しかも、めちゃめちゃ狭い(笑)。僕自身、人を笑わせることは好きなんです。ただ、『これ面白いだろうな』と企んだ瞬間に、自分が先に笑っちゃうタイプで(笑)。福田さんとは何度かご一緒してきて、『ここまでやっていい』という感覚もわかってきたので、今回はその中で福田さんが気に入る笑いを作れるか──そこがひとつの挑戦ですね」

アーサー王として飛び込む、“なんでもあり”の世界

──福田さんがこれほど『SPAMALOT』という作品に惹かれる理由を、岩田さんはどう感じていますか?

「福田さんは本当に笑いが好きだし、ミュージカルも大好き。そのふたつが、福田さんのツボに完全に刺さる作品なんだと思います。ご本人も『いちばんくだらないけど、いちばん楽しい舞台』だと話していましたし、何より“なんでもあり”なんですよね(笑)。今回は『これまでの『SPAMALOT』から大きく変える』とおっしゃっていて。僕もまだ詳しい内容は聞いていないので、どうなるか楽しみです」

──現時点で、アーサー王という役をどのように捉えていますか?

「周りのキャラクターたちがいろいろな“飛び道具”を仕掛けてきて、アーサー王がそれを受け止めていくような役なのかなと思っています。もちろんボケる部分もあれば、ツッコミに回る部分もある。とにかく仲間たちがものすごく個性豊かで、もう『ストリートファイター』みたいな感じ(笑)。そこにアドリブも加わってくると思うので、いかに“ナマモノ”としてお客さんに楽しんでもらえるか。そこでちゃんと笑いを起こすことは、僕にとって未知の挑戦ですね」

──舞台は映像と違って編集ができません。その日の反応がダイレクトに返ってくることも、今回の醍醐味になりそうですね。

「本当ですよね。『あそこ滑ったな』とか、『あのとき違う返しをしておけばよかった』とか、毎日あると思います(笑)。きっとその繰り返しですよね。でも、逆に何度も観に来てくださる方がいたら、毎回違うものを楽しんでもらえると思う。たぶん終演時間も毎日違うんじゃないですか(笑)。それくらい、その日その日で変わっていく舞台になる気がしています」

キャリアの先に求める、“自分だから”という価値

──9月に発売された『三代目 J SOUL BROTHERS SPECIAL BOOK』の取材で、山下(健二郎)さんにインタビューした際、「がんちゃんはライブ本番でステージにせり上がる直前まで、舞台の下で台本を読んでブツブツ言っている。その姿を見ると本当に変わっていると思うし、でも心からすごいなって思うんです」というお話をしてくださいました。アーティストと俳優、ふたつの世界で活動を重ねたいま、今回のミュージカルもその延長線上にあるように感じます。

「明確に何かを目指して突き進んできて、今があるという感覚ではないんです。ひとつひとつ、いただいた仕事を自分なりに一生懸命やってきて、その積み重ねで今がある。今回もそうですけど、福田さんとこれまで一緒に仕事をしてきたからこそ、この仕事にたどり着いたと思いますし、これを経験することで、また違う仕事につながるかもしれない。自分がこれからどこへ行くかは、正直わからない世界ではあります。ただ今は、漠然とですけど、“僕だからきたオファー”を増やしていきたいという気持ちはありますね」

──「岩田剛典だからお願いしたい」と思われる仕事を?

「そうですね。この仕事って、代わりがいくらでもいるんです。『誰でもいいんだけど、やってくれない?』みたいな仕事もたくさんある。でも、『僕の芝居が観たい』とか、『僕のステージが観たい』と思ってもらえるようになりたい。それが具体的に何なのかと言われると、自分でもまだわからないですが、そういうふうに思ってくれる人を少しずつ増やしていけたら、幸せなことだなと思います」

積み重ねてきたすべてを、ひとつのステージへ

──俳優、歌、ダンスと、それぞれのフィールドで積み重ねてきたものが、今回ひとつの舞台に集約されることになりますね。

「そうですね。演技、歌、ダンスは、それぞれ自分がこれまでキャリアの中でやってきたことではあるんですけど、そのすべてを複合的に、ひとつのステージで“総合エンターテインメント”として見せるのは初めてなんです。もちろん真剣に取り組みます。でも、それ以上に、とにかく肩肘張って観る舞台ではないので(笑)。『楽しかった!』と思って帰ってもらえるエンターテインメントを、福田さんと一緒に作りたい。シリアスな作品ではないけれど、作る側はすごく真剣。そのうえで、本番では僕自身も思いっきり楽しみたいと思っています」

──『SPAMALOT』で幕を開ける2027年。どんな一年にしたいですか?

「景気のいい年明けになりそうですよね(笑)。それこそ、みなさんに“初笑い”を届けたいです。来年のスケジュールもだんだん決まってきているんですけど、ファンのみなさんとめちゃくちゃ会える一年になりそうです。それが楽しみですね。本当にたくさん会えると思います。ステージに立つ機会も多い一年になりそうなので、僕自身も楽しみにしています」

ミュージカル『モンティ・パイソンのSPAMALOT』

出演/岩田剛典/山下幸輝 藤原大祐 一色洋平 安西慎太郎
Mehri/坂口涼太郎 小手伸也 ほか
音楽/ジョン・ドゥ・プレ&エリック・アイドル
上演台本・演出/福田雄一
翻訳・訳詞/福田響志
公式サイト/https://spamalot.jp

東京公演/2027年1月6日(水)〜31日(日)EXシアター有明
大阪公演/2027年2月5日(金)〜8日(月)オリックス劇場
福岡公演/2027年2月12日(金)〜14日(日)久留米シティプラザ ザ・グランドホール

Photos:Akihito Igarashi Hair & Makeup:Shinya Shimokawa Edit, Interview & Text:Hisako Yamazaki

 

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