ラッパー、ANARCHYにインタビュー
「要は、楽しいかどうか」
昨年、約2年ぶりとなるアルバム『BLKFLG』を発表したANARCHY。リスナーを魅了する彼を突き動かすものとは?(「ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)」2016年12月号掲載)
ジャンルを超えてメジャーで戦うカリスマMC
“ゲットー育ち”と自らを呼び、TVでZeebraを見て衝撃を受けたことから「貧乏でもマイク1本でできるラップ」を武器に、成功への渇望を現実のものとしてきたANARCHY。荒れた少年時代、逆境に打ち勝つ精神…。そこから放たれる言葉には揺るぎない説得力がある。昨年7月に発売されたメジャー2ndアルバム『BLKFLG』は、闘いのシンボルである「ブラックフラッグ」をコンセプトに「他からの束縛を受けず自由に、自分がカッコいいと思うもの」を追い求め続ける自身の姿を投影した渾身の一作。
「わかりやすさは意識しましたし、変な“壁”を取っ払いたかったというのもあります。今回ELLY(三代目J Soul Brothers/CRAZYBOY)とやったのも、そんな気持ちからやし。それがきっかけで、たくさんの人に聴いてもらえるならうれしいです。聴いてもらわないことには始まらないですからね」
その言葉どおり、収録楽曲にはTHE BLUE HEARTSの名曲「チェインギャング」のカバー曲や、先のELLYをフィーチャーした楽曲をはじめ、原点回帰とも言える全12曲が並んだ。
「僕の中ではロックもヒップホップも一緒なんですよ。マインド的なところが同じであれば、どっちもカッコいい。…っていうか、今の10〜20代の若い人にはロックとかヒップホップとか、その垣根すらないと思いますし。そういう壁にとらわれず自分が耳にして好きなものを聴けばいいと思うんです。要は、楽しいかどうか?」
近年はEXILE TRIBEが総合演出する世界初の総合エンターテインメントプロジェクトとして企画・制作され、ドラマ化、映画化もされた『HiGH&LOW』シリーズに出演するなど、活動の幅も広げる。
「ドラマとかに挑戦するのもそう。自分が楽しいと思うから出てるだけで。いろんな声は耳にしますけど、そこは『WHATEVER』(#2)、『SO WHAT?』(#5)という曲でも書いたように“なんて言われてもいい”“何のためにここまでやってきたと思ってんねん”っていう気持ちでやっていくだけです」
Interview&Text:Tatsunori Hashimoto
Edit:Saori Asaka