再始動したONFにインタビュー。会えなかった時間とこれから始まる第二章 | Numero TOKYO
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再始動したONFにインタビュー。会えなかった時間とこれから始まる第二章


パフォーマンスと楽曲に定評のある、韓国の6人組ボーイズグループ・ONF(オンエンオフ)。2021年12月にメンバー5人が軍隊に入隊し、2023年、除隊後にカムバックを果たした。日本では11月に『LOVE EFFECT -Japanese Ver.-』をリリースし、来日ファンミーティングを成功させるなど、再始動後したばかりの彼らの勢いは止まらない。そんな彼らに空白期の1年6ヶ月、そしてこれからについて聞いた。

『LOVE EFFECT』で、1年10ヶ月ぶりのカムバック!


──2021年12月から、日本人メンバーのUさんは個人活動、メンバー5人は兵役に従事され、昨年除隊後、10月に7th Mini Album『LOVE EFFECT』でカムバックを果たしました。まず、FUSE(ONFのファンの呼称)のみなさんと久しぶりに対面したときの気持ちは?

MINKYUN「入隊前はコロナ禍だったこともあり、FUSEのみなさんとたくさん会う機会を作ることができなかったんですね。でも、今、音楽番組の収録やファンミーティングで直接、会える時間が増えて、こういう時間が僕らにとって本当に大切だと実感しましたし、どの瞬間も楽しくて幸せでした」

──カムバックに対して、どんな気持ちで準備したのでしょうか。

HYOJIN「1年6ヶ月はやっぱり長く休んだと思うので、ステージに上がる前は、心配ごとや不慣れなところもありました。そこで、以前の僕らのステージ映像を見たり、練習やステージの回数を積み重ねることで、以前のようにカムバックに取り組む気持ちを取り戻していきました」

HYOJIN


SEUNGJUN「ONFが軍隊に入隊してから『LOVE EFFECT』までの長い時間を取り戻すような、アイドルらしいフレッシュな姿でカムバックすることができたと思います。今回、ちゃんと外見の管理もできたし、心の余裕もあったし。カムバックに対して、これまでよりもさらに前向きに取り組めました」

E-TION「やっぱり、すぐには感覚が戻らなかったんですよね。だから、少し不安なところもあったけれど、FUSEのみなさんに会うと自然と元気が出てくるし、ステージに上がると、以前に僕らがもっていた“アイドルとしてのバイブ”が目覚めたような気がして。カムバックの活動をしているうちに、入隊前に戻ったような感覚になりました。今回の活動も、完璧にこなせたと思っています!」

E-TION

──『바람이 분다 (Love Effect)』を制作した、プロデューサーのファン・ヒョン氏(MonoTree)は、「新たなスタートではなく、これからの変化のためのブリッジだと考えよう」とお話されたそうですが、この曲を最初に聴いたときの気持ちは?

SEUNGJUN「『以前のONFらしさもあるし、これからのONFの新しいカラーも込められているなと感じました。歌詞に『길었던 밤은 안녕(長かった夜に アンニョン)/長い夜グッバイ』とあるように、これからみなさんと過ごす時間についての思いも込められていて、まるで僕たちによく似合う服を着ているような感覚にもなりました。この曲を書いてくださったファン・ヒョンさんに感謝を伝えたいです。『ONFが戻ってきたよ』と伝えることができる本当に素敵な曲です」

SEUNGJUN

──『Be Here Now』の歌詞は、メンバーのみなさんも作詞に関わったそうですが、どんな思いを込めたのでしょうか。

MINKYUN「『Be Here Now』の歌詞には『보고 싶었다는 말 대신에 이렇게 노래를 만들었어(会いたいという言葉の代わりに、こんな曲を作ったよ)』という部分があります。この言葉の通り、音楽で表現したかったし、この曲を聴いてもらえたら、FUSEのみなさんとONFの関係や、軍隊にいたとき僕らが考えていたことを感じてもらえると思います」

MINKYUN

──MonoTreeは日本でも人気のプロデューサーチームですが、MonoTreeのファン・ヒョン氏からもらった言葉の中で、今も大切にしているものはありますか?

U「デビュー当時から僕らの音楽プロデューサーとしてアルバムを制作してくださっているんですが、最初の頃にファン・ヒョンさんが『音楽で恥をかかせない』と言ってくださったんです。その言葉を聞いた時、まっすぐについていこうと思いました。すごく自信をもって僕たちの楽曲やアルバムを作ってくださっていることに感動したし、僕たちも、もっとがんばろうと思いました。いつも僕たちのカラーに似合う楽曲を書いてくださるし、しかもひとつのジャンルだけじゃなくて、ヒップホップ、バラード、いろんなジャンルで僕らの新しい魅力を引き出してくれるので、僕らを音楽の面で引っ張ってくれるお父さんのようなな感覚です。サバイバル番組(『Road to Kingdom』)のときも力になってくれました。すごく信頼しています」

──そして、昨年の11月には、大阪と東京でファンミーティングが開催されました。

WYATT「4年ぶりに戻ってきたONF単独のファンミ―ティングだったので、とても感慨深かったです。日本のFUSEのみなさんにお会いすることで、これからの第二章は、日本でもたくさんステージを披露したいという意欲が出てきました。それに、ファンのみなさんに対する僕らの気持ちの大きさを表現できるくらい、これからもっと大きな会場で公演をする機会が巡ってきたらいいなと思っています。今回、日本でもファンミ―ティングを開催することができて、日本のFUSEのみなさんに本当に感謝しています。僕らのことを忘れずにいてくださって、本当にうれしかったとお伝えしたいです」

WYATT

軍隊、番組MC……。メンバーそれぞれの1年6ヶ月

──メンバー5人が兵役を務める間、Uさんは日本の番組やイベントでのMC、ラジオ番組、一人でサバイバルに番組出演するなど、新しい挑戦もありました。Uさん自身はこの期間をどのような気持ちで過ごしていたのでしょうか。

U「ずっと一緒に活動していたメンバーが一瞬でいなくなるという状況だったので、すごく不安でした。一人で何をしたらいいんだろうと悩んだし、1年6ヶ月もの長い間、僕一人でチームを守れるのかという心配もありました。でも、この期間、ファンのみなさんが僕の隣にずっといてくれたのでとても心強かったし、軍隊で頑張るヒョンたちの姿をみて、僕もがんばらなきゃと思っていました。それで、ラジオ番組や日本のテレビ番組のMC、ダンスのサバイバル番組への挑戦など、一人でできることを自分なりに一つずつこなしてきて。自分にとっては成長できた時間だったんじゃないかと思っています。それから、実はこれまでの日本でのイベントでは、僕は積極的に日本語を話すことはしなかったんです。僕だけ日本語で話してしまうのは良くないなと、一歩引いたスタンスでいたんですが、この期間で僕の日本語もだいぶ上達したので(笑)、今回のファンミーティングでは、僕が先頭に立って日本語でトークを引っ張りました」

U

ほかの5人「Uさん、ありがとうございます!(日本語で)」

──みなさんは軍隊にいる間も、休暇になると、Uさんに会いに行ったりしていたとか。

HYOJIN「他にすることもなかったので(笑)、休暇のたびにUと会っていました。Uは料理を作ってくれたし、一緒にゲームもしたり。そういう時間がまるで夢のように感じたので、休暇を終えて軍隊に戻るときが本当に大変でした」

──軍の服務期間中に、「鶏龍世界軍文化エキスポ」で披露した『Hype Boy』のパフォーマンスがSNSで大きな反響を呼びましたね。

E-TION「これはSEUNGJUNがやろうと言い出したんですよ(笑)。軍務ではありましたが、たくさんの方が関心を持ってくださったおかげで、僕らのことを忘れられていないんだと感じることができたし、いい思い出にもなりました」

SEUNGJUN「このイベントは軍で年1回開催しているものなのですが、コロナ後の開催だったので、どなたも自由に観覧していただけるものでした。軍の公式のイベントですが、久しぶりにFUSEのみなさんに会える機会だったし、僕らの曲のほかに『Hype Boy』のカバーダンスを準備したんです。FUSEのみなさんに会えたことも嬉しかったし、みなさんの前でダンスを披露できたことも楽しかったので、そういう姿に関心をもっていただけたのかなと思っています」

──兵役期間中、MINKYUNさんは『Your Song』を聴きながらトレーニングをしていたそうですが、空白期間中、よく聴いていた自分たちの曲は?

HYOJIN「僕は軍隊の先輩・後輩にONFを知ってほしくて、『Moscow Moscow』を聴いてくださいとたくさん広報しました」

E-TION「僕も、時間があるときに隊のみんなで『Beautiful Beautiful』をたくさん聴きました」

SEUNGJUN「僕が聴いていたのは『Traveler』です。旅に出るときの心境を描いた歌詞が、ONFのそのときの状況にも似ていて、落ち着いたメロディーも気持ちに寄り添ってくれるようで、この曲を1日に何十回も聴いていました」

WYATT「僕は『GUCCI』という曲です。僕たちの曲の中でも、ビートが強いので、トレーニングで力が出るような気がしていました」

MINKYUN「僕は『Your Song』をたくさん聴いていたんですが、『신세계(New World)』もよく聴きました。BPMが早くて、走り出したくなるような気持になります」

U「僕は『Goosebumps』です。この曲をリリースしたのは、みんなの入隊が迫っていた頃だったので、音楽番組に3回くらいしか出演できなかったんです。もうちょっとこのステージがやれたらよかったのになという気持ちもあって、一人でよく聴いていました」

これまで積み重ねてきた経験と、新しい魅力で描く、
ONFの新しい物語

──軍隊にいる間は軍隊用の体づくりをしていたと思いますが、現在のトレーニングと食事の管理は?

WYATT「普通の食事と、鶏の胸肉を一緒に食べて、そのあとプロテインも飲んでいます」

──空白期間中の経験から学んだこと、今後の人生に生かそうと思っていることは?

MINKYUN「幼い頃から練習生として過ごしていたので、入隊以前は社会経験があまりなかったのですが、軍隊では草刈りなどの作業や、人間関係について学ぶことができました。これは有意義な時間だったと思います」

──ヒョジンさんは他のインタビューで、これからアイドルの「基準となるグループを目指したい」と発言していましたが、「基準」について詳しく教えてください。

HYOJIN「K-POPアーティストを目指している方が増えました。僕たちもデビュー前は、たくさんの先輩方のステージに憧れて、練習生生活を送ってきたので、ロールモデルにしている先輩方のグループもたくさんいました。そんなふうに、今、アイドルを夢見る方にとって、『K-POPと言えばONFだ』とすぐに思い浮かぶようなグループになりたいし、多くの方々が僕たちを通じて夢を叶える、そんな基準となるグループになりたいと思っています」

──これからのONFの第二章、どのような思いがありますか。

WYATT「これからは、もっと人間的にも成熟して、精神的にも大人にならなければならないと思うし、もっと責任感をもって活動をしていこうと思っています」

──ONF第二章は大人の魅力も期待していますが、目指している魅力的な大人像とは?

E-TION「自分自身の考え方や主観をきちんと確立して、周囲に惑わされず動じない。黙々とやるべきことをやる、不言実行の大人の魅力を身につけたいと思っています」

──今後の活動の予定を教えてください。
HYOJIN「まだ正式にお伝えできることはないのですが、今年は、日本でファンミーティングも、コンサートもしたいと思っています。今、いろいろと準備をしているので正式にお伝えするまで、少し待っていてくださいね!」

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Photos: Aaron Park Interview & Text: Miho Matsuda Edit: Yukiko Shinto Coodination: Yasuko Nakamori

Profile

ONFオンエンオフ 2017年8月、韓国にて『ON/OFF』でデビューした6人組ボーイズグループ。メンバーは、HYOJIN、E-TION、SEUNGJUN、WYATT、MINKYUN、U。グループ名のONFには「ON」と「OFF」という相反する言葉が融合しているように、さまざまな個性やスキルを持ったメンバーがそこに集まり、多彩な才能と魅力を持ったグループになるという意味が込められている。2018年8月『ON/OFF-Japanese Ver.-』で日本CDデビュー。2020年4月『Road to Kingdom』に出演し、最終バトル直前の累積投票では1位、最終順位では準優勝を果たす。2021年、韓国人メンバー5人全員が兵役に就き、日本人メンバーのUは、『Who is your next? THE KLOBAL STAGE』(テレビ東京)のMCなどのソロ活動を行う。2023年6月に5人全員が除隊となり、10月『LOVE EFFECT』でカムバック。11月に『LOVE EFFECT -Japanese Ver.-』をリリースし、大阪と東京での4年ぶりの来日ファンミーティングを成功させた。2024年2月より、初のカナダツアーがスタートする。

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