バービー、瀧波ユカリ、清田隆之が”恋愛老廃物”をデトックス!「おしんり研究所」公開収録レポ | Numero TOKYO
Interview / Post

バービー、瀧波ユカリ、清田隆之がリスナーの“恋愛老廃物”をデトックス! TBSラジオ「おしんり研究所」公開収録レポ

バービーがホストを務めるTBSラジオ『バービーとおしんり研究所』が2022年6月24日に初の公開収録イベントを開催した。漫画家の瀧波ユカリと恋バナ収集ユニット「桃山商事」清田隆之をワンナイトパートナーに迎え、会場に集まったリスナー研究員たちの恋愛体験を聞きながら、嫌な思い出や後悔を笑い飛ばしながらデトックスするという一夜限りのスペシャルなイベント。その模様と収録後の3人のインタビューをお届けする。

「久しぶり! 元気?」bot持ちは9割!?
番組で最も会場内の共感を集めたエピソード

恋愛によって頭にこびりついた嫌な思い出や忘れられない後悔といった老廃物を笑い飛ばしながら排出する「恋愛体験デトックス」。このイベントが開催されたのは、2022年3月に渋谷に誕生したばかりのスタジオ「Amazon Music Studio Tokyo」。同スタジオは、日本のアーティストやクリエイターが楽曲や番組を作ったり、ファンと交流するために、新しいカルチャーの発信地である渋谷に作られた。なんとラジオやポッドキャストの公開収録が開催されるのは今回が初という。さっそく、リスナー研究員から寄せられた恋愛体験を紹介しながら、大いに盛り上がった会場の様子を抜粋し、Numero.jp独占でレポート!

リスナー、ネコパン将軍さんの恋愛体験
「私がデトックスしたい恋愛は高校時代に付き合った元彼です。私にとって初めての彼氏であり、当初は本当に幸せだったのですが、付き合ってから女癖の悪さを知って耐えられなくなり、3カ月でお別れしました。それでも振り返れば楽しくて、素敵な思い出になりました。元彼に連絡を取らない主義の私ですが、社会人になった後、一時の気の迷いでLINEしてしまいました。ちょっと盛り上がったのですが、彼の軽薄さにやはりガッカリしてしまい、すぐにやり取りは終了。ですが、その後、彼から『久しぶり! 元気?』というLINEが来るようになりました。その時すでに別の人と付き合っていたのでシカトしていたのですが、それからも半年に一度、『久しぶり! 元気?』というLINEが来ます。こちらからからはずっと返信をしないのに、定期的に『久しぶり! 元気?』とLINEしてくる彼のことを、もはやワンチャン狙いの生存確認botにしか見えなくなり、健気で可愛いやつだなと思う程度に私は大人になりました。彼を微笑ましく思いつつも、これ以上高校時代の思い出を汚してくれるなよ、とも思います」

バービー「……ということなんですが、ネコパン将軍さん、最近botの呟きはありましたか?」

ネコパン将軍「落ち着いてきて、2年前くらいに停止状態になりました」

瀧波「こういうbotって、ちょっと大きめの地震があったときに『大丈夫?』って言ってくるよね」

清田「たしかに(笑)」

バービー「そういう時だけ異様に連絡早い人いますもんね(笑)」

瀧波「地震あったらまた連絡来るかも」

ネコパン将軍「心の準備しておきます(笑)」

清田「桃山商事でも“クソLINE”と名付けて、いろんな人のしょうもないラインをスクショして投稿していただく企画があるんですけど、こういうbot系もあるんです。正月や誕生日とか節目節目に送ってきて、こちらが健康で元気なときは無視できるんですけど、ちょっと弱ってたりすると、反応しちゃうことがあるって。そこがbotの怖いところです」

バービー「なるほどね。ただ、どれだけシカトされても、半年ごとに『久しぶり! 元気?』っていうところが結構かわいいですよね」

瀧波「女の人ってLINEで一言送るだけでもすごく考えて時間をかけるのに、こやつらはなんだよ(笑)!」

清田「しかも、この人は元彼なわけですもんね。絨毯爆撃的にいろんな人に一気に同じ内容を送ってるんだろうなって」

ネコパン将軍「かっこよくて、ちょっと女癖が悪い感じの方だったので、他の人にも送ってるかもしれないです」

清田「……考えてみると“女癖が悪い”ってすごい言葉ですよね。恋バナをしてるとよく出てくるじゃないですか、“女癖が悪い”って。本人の責任というよりもそういう性質だからしょうがないみたいな、なんとなく免責されるニュアンスもある」

瀧波「わかる。“寝癖”くらいのライトな感じで使ってる」

清田「これも男性社会が発明した悪い言葉だなって思ったりして」

バービー「こちら側も使いやすいから言ってるときありますけどね。適当に『あいつ女癖悪いからヤバいやつ』って言っちゃったり」

瀧波「この一言でいろいろ通じちゃうから便利っていうのもあるよね」

バービー「女癖が悪い人って顔がいいって人が多いのかな?」

瀧波「どうだろう。私は、好かれてるなって思ったときにフィルターかかっちゃうところはある」

バービー「かっこよく見える?」

瀧波「そうそう。『なんとなく目の辺りがかっこいいかも』とか。私、いいところを探しちゃうタイプだから」

バービー「ちなみに、この会場に来ているリスナーさんで、『久しぶり! 元気?』って定期的に送ってくるbotに出合ったことある人います?」

(9割の手が上がる)

バービー「えええー! みんなbotいるの? bot持ち?!」

清田「bot持ち(笑)」

瀧波「やっぱり、一人のbotが10人とか20人に送るから、botの数に対して、送られる人数は10倍、20倍になるんですね。ということは、この会場に来てくださっている人たちについているbotを除霊しないといけない!」

バービー「そうですね、除霊するのはbotの方ですね。はい、除霊します!」

〜〜〜バービーによる除霊〜〜〜

公開収録後にNumero.jp独占インタビュー!
「戦ってきたリスナーたちの連帯を感じた」

─というわけで、ここからは収録を終えたばかりの3人にインタビューさせていただきます。初の公開収録いかがでしたか?

バービー「まるでサロンのような密室感と一体感でしたね」

瀧波「これ、週3くらいでやりたいよね」

バービー「本当ですね。今回紹介できなかった話も結構ありましたもんね」

瀧波「最初は恋バナだと思って聞いていても、最終的に『それ、犯罪だよ!』っていうのもあって」

バービー「でも、みんながどうにか笑いに変えたいっていう前向きな気持ちを感じました」

瀧波「そう、たくましい」

清田「エピソードを読んだ時は、どういう温度感で話していいのかちょっとわからなかったんですよ、笑って話していいのか。でも、リスナーさんがある程度セルフデトックスをして話してくれたから、こんなに楽しい空気になったんじゃないかなって」

バービー「たしかに」

瀧波「『バービーのおしんり研究所』って、『あなたの“おしんり”を教えてください』っていうのがテーマだから、リスナーさん自身がすでに答えを導き出してて、それをシェアするところがいいなと思うんです。『どうしたらいいでしょうか?』っていう悩み相談じゃなくて、リスナーさん自身の解放を手伝うスタンスがいいですよね」

バービー「“解放の手伝い”っていいですね(笑)」

─そして、今日はバービーさんが持参したシンギングボウルやティンシャーなど、音が出る除霊グッズも大活躍でした。Amazonの音楽スタジオということもあって、音の響きが素晴らしかったです。

瀧波「特にシンギングボウルを鳴らしたときはすごかったよね、神々しかった」

清田「ちょうどあの時、GPS(で彼女の位置情報を追跡し束縛する男性)の話をしてたから、束縛野郎のGPSの電波を断ち切ってくれる感じがありましたよね」

バービー「たしかに(笑)。シンギングボウルで電磁波ブロックした感じがありました」


─リスナーを招いて公開収録をし、その様子をYouTubeで生配信するというのは、これまでのラジオとはまた違った体験になったと思うのですが、どうでしたか?

バービー「ラジオの生電話のように音声だけのほうがしゃべりやすかったり、ライブよりも収録のほうが緊張しなくて話しやすいかなって思ってたんですけど、みなさん気持ちよくしゃべってくださるし、こちらからの問いかけにもすぐに反応してくださってうれしかったですね」

清田「今日のイベントで改めて思ったんですけど、女性は自分の身に起きたこととか、そこから生まれた感情を言語化する能力に本当に長けてますよね。男性は政治や好きなことについては熱く語れると思うんですけど、自分自身のエピソードをうまく話せないというか、断片的でまとまってないんです。女性の方はこういうことを普通にやってると思うと、すごいなっていつも思う。言語化を一つの筋肉にとらえたら、今日の会場はマッチョばっかり集まってました(笑)」

バービー「たしかに。みなさん言語化がすごかったですね。そして、みんなが同志になってる感じもありました。リスナーさんは横並びに座ってらっしゃったんですけど、会話の途中で一人のリスナーさんを指ししても、他の方はその方の顔をジロジロ見ないというか、好奇の眼差しを向ける人が一人もいないのもいいなって思いました。でも、エピソードを話し出すと、『ええ〜いやだ〜』とか反応はすごくよくて。戦ってきた同志の連帯というか」

瀧波「各地で歴戦を繰り広げてきた戦士が今日集うみたいなね」

清田「地方予選をくぐり抜けてきた(笑)」

バービー「今日来てくださったリスナーさんにbot持ちが多いという結果にも象徴されている気がします。みんな同じ目に遭ったから結託できるのかもしれないですね」

─では、最後に。バービーさん、瀧波さん、清田さんという3人の掛け合いはいかがでしたか?

バービー「こちらも戦士の集まりなので、布陣がしっかりしていたので安心でした」

清田「瀧波さんがダメな男を分類して、骨組みをしっかりしてくださっていたので、わかりやすかったですよね。僕はどの立場からものを言ってるんだって思われていたかもしれないんですけど(笑)」

バービー「男性一人で相当厳しい立場でしたよね(笑)」

清田「エピソードを読みながら『ひどい男だな』って思いつつも、自分も同じことしてなかったかなって振り返るきっかけにもなりました」

─リスナーさんの恋愛体験話が本当に多様で、いろんな男性がいるんだなと改めて思いました。恋愛体験デトックス週3開催の足がかりとして、Numero.jpでもまた3人の鼎談を企画したいです。

バービー瀧波清田「ぜひ!」

今回の“bot男子”以外にも、さまざまなエピソードのオンパレードだった「恋愛体験デトックス」。
イベントの様子はAmazon music『#バービーと“はみだし” #おしんり 研究所』で独占配信中。
ぜひ、全編を楽しんで。

TBSラジオ(AM954kHz/FM90.5MHz)
『Amazon Music Presents バービーとおしんり研究所』

毎週火曜日21時30分〜22時
URL/www.tbsradio.jp/oshinri
MAIL/oshinri@tbs.co.jp
TWITTER/@oshinri_radio
INSTAGRAM/oshinri_radio
LINE/oshinri

Amazon Music 独占配信 ポッドキャスト
『Amazon Exclusive バービーとおしんり研究所』

毎週火曜 22:00更新
配信番組URL/amzn.to/36gnCww

 

「開けチャクラ! バービーのモヤモヤ相談室」を見る

 

PROFIELE
バービー
Barbie

お笑い芸⼈。2007年、相⽅のハジメとお笑いコンビ「フォーリンラブ」を結成。TBS『ひるおび!』のコメンテーターや、TBS ラジオ『バービーとおしんり研究所』のパーソナリティを務めるほか、⽣まれ故郷の町おこしにも尽⼒。大学でチベット密教を学んでいたときに出合ったシンギングボールやティンシャーはプライベートのリラックスタイムに愛用中。

瀧波ユカリ
Yukari Takinami

漫画家。著書に『臨死!! 江古田ちゃん』『あさはかな夢みし』『モトカレマニア』(すべて講談社)、エッセイ『はるまき日記』『ありがとうって言えたなら』(ともに文藝春秋)ほか多数。SNSの鍵垢でしかつぶやけない女子が、顔のいいクズ男子に振り回されながら令和時代のフェミニズム観を備えたフェミおじさんに出合う新感覚の漫画『わたしたちは無痛恋愛がしたい ~鍵垢女子と星屑男子とフェミおじさん~(1)』が発売中。TBS ラジオ『バービーとおしんり研究所』のヘビーリスナーの1人でもある。

清田隆之
Takayuki Kiyota

文筆家。恋バナ収集ユニット「桃山商事」の代表。著書に『よかれと思ってやったのに─男たちの「失敗学」入門』(晶文社)、『さよなら、俺たち』(スタンド・ブックス)、『自慢話でも武勇伝でもない「一般男性」の話から見えた生きづらさと男らしさのこと』(扶桑社)など。恋愛相談で収集したエピソードから自らの恋愛体験までを語っていくポッドキャスト番組『桃山商事の恋愛よももやま話』をSpotifyほかで配信中。

Photos:Koji Yamada Interview & Text:Mariko Uramoto Edit:Mariko Kimbara

Magazine

DECEMBER 2024 N°182

2024.10.28 発売

Gift of Giving

ギフトの悦び

オンライン書店で購入する