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People Interview

世界的アーティスト、ジャウメ・プレンサの彫刻が語るメッセージ

世界最古のシャンパーニュメゾン「ルイナール(Ruinart)」が、2017年、世界各地でパブリック・アートを展開するアーティスト、ジャウメ・プレンサ(Jaume Plensa)とのコラボレーションを発表。インタビューを通じて彼の世界に触れる。

Photos:Ayumi Shino
Interview&Text:Hiroyuki Morita
Edit:Masumi Sasaki

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1729年に創業した、世界最古のシャンパーニュ・メゾン「ルイナール」。エレガントで洗練されたシャンパーニュは「シャルドネの芸術」として愛されている。一方で、「ルイナール」はアートとの繋がりが深いことでも知られ、それは1896年、アール・ヌーヴォーを代表する画家、アルフォンス・ミュシャに広告を依頼したことに始まる。その後も多くの才能を支援すると同時に、年間30以上もの世界の名だたるアートフェアに協賛してきた。2000年以降は毎年、気鋭アーティストとのコラボレーション・プロジェクトを始動している。

今回、2017年のコラボレーターに選出されたスペイン出身のアーティスト、ジャウメ・プレンサにインタビュー。NYのマディソンスクエアパークの巨大な少女像、虎ノ門ヒルズにある文字で象った人型の彫刻などが有名だが、彼が「ルイナール」とどんなコラボレーションを繰り広げていくのか。

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ジャウメ・プレンサの彫刻マスクがあしらわれた創業者ドン・ルイナールの肖像も展示。

ルーツを分かちあうことの美しさを表現する

──「ルイナール」とのコラボレーションの話が来た時の感想を聞かせてください。

「シャンパーニュが大好きなので、とても嬉しかったです(笑)。『ルイナール』とのコラボレーションの話が出たとき、私はヴェニスで展覧会をしていました。何年も取り組んでいる作品のひとつで、アルファベットを使ったものです。今回、コラボレーションをするにあたり、この方向性を維持するのは興味深いと思いました」

──どのような過程で今回の作品は出来上がりましたか?

「『ルイナール』は地球上で特定の土地でできるマテリアル(ぶどう)を使っています。ワインであれシャンパーニュであれ、その特定の場所が変われば味も変わります。このコンセプトに強く惹かれました。なぜなら我々人間も、ひとつの特定の土地に深く関わりがあります。その土地から文字が生まれ、文化が生まれます。そして、文化は文字によって表されています。その文字によって情報を分かち合うことがいかに美しいか、私のルーツとあなたのルーツを分かち合うことがいかに素晴らしいか、我々がともにいることがいかに美しいことか、それが今回のコンセプトです。同じような考え方をしている、東京(虎ノ門ヒルズ)にある私の作品には『ルーツ』と名付けました。全ての人間が過去を持っているという考えにとても惹かれます。大切なことは、我々は自身のルーツのおかげで、お互いに情報を交換し合えるのだということです」

喧騒の時代に必要な詩的シェルター

Profile

Jaume Plensa(ジャウメ・プレンサ) 1955年、スペイン・バルセロナ生まれ。鉄やブロンズ、ガラスなどの素材と、哲学的なテキストを用いて独自の空間を構成する立体作品を制作。シカゴ市民のポートレイトをあしらった噴水「クラウン・ファウンテン」など、世界各地パブリック・アートを展開。代表作でもある、さまざまな言語の文字を組み合わせた作品は、虎ノ門ヒルズや男木島でも見ることができる。jaumeplensa.com

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