岡田将生・志尊淳・平手友梨奈インタビュー「自分の才能に気付くことが才能」
霊が「祓える」冷川理人(岡田将生)と、霊が「視える」三角康介(志尊淳)が怪奇事件に挑むという、ヤマシタトモコの大ヒットコミック『さんかく窓の外側は夜』が実写映画化。W主演を務めた岡田将生と志尊淳、ヒロインを演じた平手友梨奈にインタビュー。特殊能力を持ってしまったが故に葛藤する役を演じた3人に、特殊な「才能」の活かし方や、それぞれが「信じるもの」について聞いた。
人と人とのつながりを意識することの大切さ
──今回は「霊視」「除霊」「呪い」という特殊な要素のある作品ですが、役を演じて新しい発見や挑戦したことはありましたか? 志尊「作品によって、スタッフや共演者が変わるので、そのたびに新しい刺激があるんですけど、今回はファンタジックな作品なので、見えないものに対してどう演じるかが挑戦でした」 岡田「僕も冷川という役自体が挑戦でした。特に前半戦は感情をほとんど表に出さず、何を考えてるかわからないんですね。こういうキャラクターへのアプローチは、今まであまり経験してなかったので、こういう表現方法もあるのかと探りながら楽しく演じました」 平手「私は映画に出演することが久しぶりだったので、それ自体が挑戦でした」──役に共感した部分は?
志尊「共感かぁ。三角は霊が視えるという役だったので、共感という感じではなかったかな……」
岡田「僕も共感ではないけど、この作品を通して、改めて気が付いたことがあって。社会の中で生きていると、誰しもがふと孤独を感じる瞬間があると思うんです。そんな時、冷川の隣には三角がいて、冷川があちらの世界に取り込まれそうになったとき、三角の声で我に返ったりするんです。そんなふうに、身近にいて自分に声をかけてくれる人の大切さや、人と人とのつながりを意識することは、生きていく上でとても必要なことだと感じました」
──作品では、3人とも霊視や除霊など、特殊な能力があるという設定です。その能力をどう活かすか、苦しみ葛藤する様子も描かれていますが、自分の「才能」や「能力」、その活かし方についてどう考えていますか。
岡田「まず、自分の才能に気付くこと自体が才能ですよね。自分の中に才能を見つけたとき、どう向き合うかが大事で、苦しむ人もいるし、悪用しようと近づいてくる人間もいる。僕自身、まだ自分がどんな才能を持っているのかわからなくて、撮影中も、冷川を演じては落ち込んで帰る毎日でした(笑)」
志尊「どうして?」
岡田「僕には才能がないなって(笑)」
志尊「そんなことないでしょ(笑)。僕は才能について、あまり考えたことがないですが、この仕事をしていると、監督や共演者、スタッフさんが才能を引き出してくれて、導いてくださる瞬間があるんです。だから、周囲の人が導こうと思ってくれるような人間になりたいですし、そのためには自分をしっかり提示していないといけない。だから、恥ずかしがったり、自分にストッパーをかけるようなことは止めようと思っています」
平手「私は自分に才能があるとは思ったことがないし、考えたこともなかったので、これはすごく難しい質問です」
3人が「絶対に信じるもの/信じないもの」
──この作品では、滝藤賢一さん、マキタスポーツさん、筒井道隆さんなど、共演者も豪華でしたが、撮影中はどんなお話をされましたか?
岡田「僕は淳くんとの2人のシーンが圧倒的に多くて。皆さんとの共演シーンは、てち(平手さん)が一番多かったんじゃない?」
平手「そうですね。でも、人見知りなので……」(苦笑)
志尊「滝藤さんと話しているのは見かけたけど」
平手「そうですね。滝藤さんがいろいろ話しかけてくださいました」
志尊「僕も滝藤さんとの二人のシーンが多かったし、以前も共演したことがあるから、いろんな話をしました。滝藤さんは4人お子さんがいるので、子育ての話とか、僕が小さい頃どんなことを考えていたとか。作品や演技の話じゃなくて、そんな話をしていました」
──なるほど(笑)。最後に、今作では「信じるか、信じないか」が物語の鍵となりますが、「これは絶対に信じている」というものはありますか?
岡田「天気予報!」
志尊「信じるの?」
岡田「うん。朝は必ず天気予報を確認します。雨の予報だったら、絶対に傘を持って出かけるし、それをチェックするのが楽しみになっています」
志尊「それでいうと、僕は数字。明確に数字として現れているものは信じます」
岡田「天気予報も数字だね。降水確率が何%とか」
志尊「そういえば。てち(平手さん)は?」
平手「絶対に信じるものはないかなぁ」
──逆に絶対に信じないものは?
岡田「僕らの名前は出さないで」
志尊「それだけはやめて」
平手「それはないです(笑)。じゃあ、二人のことは信じます」
岡田「その答え、期待してた」
志尊「言わされたね(笑)」
『さんかく窓の外側は夜』
書店員として働く三角康介(志尊淳)は、幼い頃から霊が視える特異体質だった。霊に怯え、悩まされていた彼の前に、除霊師の冷川理人(岡田将生)が現れる。冷川の「僕といれば怖くなくなりますよ」という言葉で、三角は冷川と一緒に除霊作業の仕事をすることに。ある日、刑事の半澤(滝藤賢一)から、不可解な未解決事件の捜査協力を持ちこまれる。調査を進め真相に近づく二人だが、そこに非浦英莉可(平手友梨奈)という一人の高校生が浮上してきて……。
原作/ヤマシタトモコ『さんかく窓の外側は夜』(株式会社リブレ刊)
監督/森ガキ侑大
脚本/相沢友子
出演/岡田将生、志尊淳、平手友梨奈、滝藤賢一、マキタスポーツ、新納慎也、桜井ユキ、和久井映見、筒井道隆
配給/松竹
2021年1月22日(金)ロードショー
©️2021映画「さんかく窓の外側は夜」製作委員会
©️Tomoko Yamashita/libre
Profile
岡田将生
1989年生まれ、東京都出身。2006年デビュー。映画『ホノカアボーイ』『重力ピエロ』『僕の初恋をキミに捧ぐ』『ハルフウェイ』など、出演作が相次いで公開された09年に映画賞の新人賞を独占。以降テレビドラマ、舞台など活躍の場を広げ、実力派俳優として活躍中。近年の映画出演作に、『何者』『銀魂』『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』『伊藤くんAtoE』『家族のはなし』『そらのレストラン』『星の子』など。他にもNHK連続テレビ小説「なつぞら」「タリオ 復讐代行の2人」、舞台『ハムレット』『ブラッケン・ムーア』等に出演。現在放送中のオシドラサタデー「書けないッ!? ~脚本家 吉丸圭佑の筋書きのない生活~」に出演中。
志尊淳
1995年生まれ、東京都出身。11年ミュージカル『テニスの王子様』で俳優デビューを果たし、14年「烈車戦隊トッキュウジャー」で注目を集める。近年の主な映画出演作に、『帝一の國』『フォルトゥナの瞳』『劇場版おっさんずラブ~LOVE or DEAD~』『HiGH&LOW THE WORST』など。その他、NHK連続テレビ小説「半分、青い。」や、読売テレビ・日本テレビ系列「極主夫道」など多数テレビドラマにも出演。第43回エランドール賞新人賞・TVガイド賞ほか、NHKドラマ10「女子的生活」における演技により、第11回コンフィデンスアワード・ドラマ賞主演男優賞、第73回文化庁芸術祭テレビドラマ部門放送個人賞を受賞。
平手友梨奈
2001年生まれ、愛知県出身。15年8月に結成された女性アイドルグループ欅坂46のメンバーとして、16年「サイレントマジョリティー」でデビュー。18年、『響 -HIBIKI-』で映画初出演にして初主演を務め、第42回日本アカデミー賞で新人俳優賞、第31回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞で新人賞を受賞した。本作で2年ぶり2度目の映画出演となる。近日公開の映画「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」へも出演。
Photos: Takao Iwasawa Styling: Yusuke Oishi(Masaki Okada), Yosuke Tezuka(Jun Shison), Testuya Omura(Commune Ltd.,)(Yurina Hirate)Hair & Makeup: Juri Nakanishi(Masaki Okada), Akari Isono(スタジオまむ)(Jun Shison),Mao(maxstar)(Yurina Hirate) Interview & Text: Miho Matsuda Edit: Yukiko Shinto
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