森田恭通がパリで写真展開催「リビングに飾れるエロティックな作品」 | Numero TOKYO - Part 3
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森田恭通がパリで写真展開催
「リビングに飾れるエロティックな作品」

インテリア、空間デザイナーでもあり、アーティストでもある森田恭通がパリで写真展を開催。「Porcelain Nude」と名付けられたシリーズでは、女性の裸体をグラフィカルに撮影。パリで開く第2弾となる個展に際し、森田氏からその思いを語ってもらった。

──今回初めて発表された「Billion」シリーズでは実際の貨幣を撮影されていますが。 「このシリーズもパッと見たらなにを撮っているか分からない。人によっては渋谷の街ですか、という方も。人間の価値は面白いもので、最近1億円くらいでは驚かない。10億円くらいで驚くのではと思い、10億円の札束を並べて撮影しました。そもそもお金って石で、その後、金銀銅になって、お札になって。お金の価値ってどういうものだろうと思うと、実際撮影して思ったのが、5分くらいしたらその10億円も完全にレゴブロックみたいになる。お金がオブジェになる。お金っておかしいなと。でもお金が無ければ生活できないわけで、物の価値ってなんだろうと。それも見る側に問いかけ、コミュニケーションできたらと」

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──最近はクリスタルのバカラや、フランスの食器の老舗、ベルナールなどとのコラボをされ、幅広くご活躍ですが、デザイナーとアーティスト、この二つをどう棲み分けていますか? 「デザインとアートのスタートは180度違う。デザインはビジネスのアシストというか、例えばレストランだったら料理、ブティックだったら洋服がメインであって、それを盛り上げるのがデザインです。アシストする。写真はこちらから発信するもので、攻め方が違う。写真は問いかけるもの。空間は動かないけど、写真は動く。ただ共に共通しているのは、それによって人の感度が上がるとうこと。いいものを見ると人は気が上がる。気が上がるとおのずとハッピーになる。ハッピーになれて、サプライズを与えるものを生活に中に取り入れれば生活はさらに豊かになるのではないか。それが創作の原動力になっています」 Yasumichi Morita Photo Art Works 2016 Porcelain Nude 会期/2016年11月10日(木)~11月13日(日) 12:00~19:00(最終日のみ17:00) 会場/Patrick Roger Saint-Sulpice 住所/2-4, Place St Sulpice 75006 Paris, France TEL/+33(0)1 43 29 88 25 yasumichimorita.com

森田恭通 インフォメーションはこちら

Photos:I.Susa 
Interview & Text:Hiroyuki Morita

Profile

森田恭通(Yasumichi Morita)1967年大阪生まれ。 2001年の香港プロジェクトを皮切りに、ニューヨーク、ロンドン、カタール、パリなど海外へも活躍の場を広げ、 インテリアに限らず、グラフィックやプロダクトといった幅広い創作活動を行なっている。 2013年婦人服・婦人雑貨フロアに引き続き2015年にはリビング、ベビー子供フロアの 「伊勢丹新宿本店本館 再開発プロジェクト」 が完成した。 2013年自身初の物件集 「GLAMOROUS PHILOSOPHY NO.1」 がパルコ出版より発売。 2015年11月初の写真展 「Porcelain Nude」 をパリで開催。

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