松岡茉優『ほんまつ』刊行記念スペシャルインタビュー「読者を目の前にして、感謝の気持ちでいっぱいに」
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松岡茉優『ほんまつ』刊行記念スペシャルインタビュー「読者を目の前にして、感謝の気持ちでいっぱいに」

デビュー20周年のタイミングで俳優・松岡茉優が初の著書『ほんまつ』を上梓した。発売当日に即重版が決定するほどの反響を呼んでおり、11月23日(木)には刊行を記念したトークイベントが代官山 蔦屋書店で開催。イベント開催前の松岡にスペシャルインタビューを実施した。

ニット¥96,800/Peien(ペイエン info.peien.connect@gmail.com) リング(左人差し指・下)¥33,000 イヤカフ ¥13,200/ともに Sararth(サラース カスタマーサポート customer@sararth.com)
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表紙は等身大の自分

無類の本好きである松岡のこだわりが詰まった『ほんまつ』。

「学生さんにも手に取ってほしいという気持ちが強くあったので、できるだけお手頃な金額にしたいというお話を最初にさせていただきました。スタッフの皆様が検討し、頑張ってくださって、値段が抑えられたことにとても感謝しています」 と、制作に携わった関係者にお礼を述べた松岡。

表紙には、映画『桐島、部活やめるってよ』(12年)で出会い、その後も、ドラマ『初恋の悪魔』 (22年)や映画『愛にイナズマ』(23年)といった作品で共演している俳優・仲野太賀が撮影した、松岡のふとした表情の写真が使用されている。


「表紙の写真は本のイメージになるものだから、なるべく素の私のような一枚がいいなと思っていて。表紙に決まったバスのお写真は、等身大の自分だなと感じ、使用させていただきました。仲野太賀さんが撮影してくださった写真たちは、メイクさんとスタイリストさんにロケバスで待っても らって、私と太賀の二人で吉祥寺を歩き、撮っていったものです。頭が椅子に当たって髪の毛が盛り上がってしまっている箇所なんかは、メイクさんからしたら直したかった箇所かもしれないけど、二人で回ったからこその切り抜きだなと、好きな写真です」

企画ごとにそれぞれ異なる紙の手触りもお気に入り

装丁を手がけたのは、日本を代表するブックデザイナー・名久井直子。企画によって様々な紙を使い分け、巧みだがとても手に取りやすい人懐っこさを宿した装丁になっている。

「名久井さんの素晴らしいセンスのもと、『ほんまつ』には様々な紙が使われています。人間同士の相性があるのと同じで、本の手触りの相性もあると思っているのですが、どの紙もすごく好きな手触りです。特に漫画家の板垣巴留さんとの企画の紙が好きです」


自信のあるページになった「AtoZ」

松岡自身によるエッセイ、親友・伊藤沙莉とのチャット企画、ヘアメイク、スタイリストや、マネージャーが参加した松岡不在の“お身内6人座談会”、リリー・フランキーとの「新しいサインを考える」をテーマにした対談等、盛りだくさんの内容だ。松岡が「自信のあるページができた」というのが、これまで作品をともにした監督や役者陣に加え、身近なスタッフやプライベートの友人26 名から「松岡への質問」を募集したAtoZ コーナーだ。

「よくファッション誌などに掲載されているその方のパーソナルな部分に触れるAtoZインタビューを読んでいて。何色が好き?とか、モーニングルーティンなどの質問は今までもしていただいたことがあったから、せっかくなら私の尊敬する方々、大好きな方々に質問を募れないかな?と思 って。皆様、そう来たかと唸るような質問をくださって、特別なページになりました」

読者に初対面。改めて感謝の気持ち

初めての著書。自己紹介のような一冊ができたことで楽しみにしていることがあるという。

「先日、できあがった本を装丁、デザインを担当してくださった名久井さんに直接お渡ししたんです。今までも、お世話になった方に映画のチケットとか、パンフレットとかをお渡ししたことはあったのですが、自身の何か、をお渡しするというのは初めてで。照れくさくも、嬉しい時間でした」

刊行直後にタワーレコードでオンライントークショー、誠品生活日本橋でお名前入れ&サイン本販売会を行った。

「私のことしか書かれていない本を、お金を払って手元に置こうと思ってくださった皆様を目の前にして、感謝の気持ちでいっぱいになりました。数多の芸能人や著名人がいる中で、私のことを見つけて、好きでいてくださっていることが嬉しくて、有難くて。応援してくださっている方の中には、例えばバラエティーや朗読劇をきっかけに私のことを知ってくださった方がいることを知り、 20年の間で、色々なご縁があったことに改めて感謝の気持ちが湧きましたし、挑戦してきてよかったなと感じました」

、スカート¥71,500/Mukasa(ザ ウォール ショールーム 03-5774-4001)、ブーツ¥66,000/Yohei Ohno(ヨウヘイ オオノ)、
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代官山蔦屋書店での写真展は残り1日

11月30日まで代官山 蔦屋書店で、『ほんまつ』の中から松岡自身が厳選したカット10点に、未公開アザーカット4点を加えた14点を展示した写真展が開催中。国内外で活躍する写真家・尾身沙紀をはじめ、松岡が信頼するスタッフとともに作り上げたファッションポートレイト企画のほ か、仲野太賀による撮影企画のアザーカットも初公開されている。

「皆様が新しい本との出会いを求められたり、ほっとお茶を飲みに来られる代官山 蔦屋書店に、 私の写真をどーん、と展示してくださっていることには、お邪魔しています、という気持ちなのですが、尾身沙紀さんに引き出していただいたお写真は、いつもの私とはちょっと違って、とても素 敵なお写真になっているので、タイミングが合いましたらぜひ見にきていただきたいです」

『ほんまつ』
著者/松岡茉優
定価/2,200 円(税込)
発行/扶桑社
購入リンク/ www.amazon.co.jp/dp/4594093922
書籍HP(Numero.jp 内)https://numero.jp/honmatsu-1/

Photos:Kouki Hayashi Styling:Miku Ikeda(in the pink) Hair & Makeup:paku☆chan Interview & Text:Kaori Komatsu

Profile

松岡茉優Mayu Matsuoka 1995年2月16日生まれ、東京都出身。2008年「おはスタ」(テレビ東京系)で おはガールとして本格デビュー後、 NHK連続テレビ小説「あまちゃん」(13)などで注目を集める。第 42 回日本アカデミー賞では『勝手にふるえてろ』で優秀主演女優賞、『万引き家族』で優秀助演女優賞を受賞。20 年には『蜜蜂と遠雷』で優秀主 演女優賞、22 年には『騙し絵の牙』で優秀主演女優賞を獲得した。近作に、WOWOW 連続ドラマ W「フ ェンス」、テレビドラマ「最高の教師 1 年後、私は生徒に□された」(日テレ系)、「ゆりあ先生の赤い糸」 (テレビ朝日系)、映画『愛にイナズマ』ほか。

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