可愛いうえに社会に貢献!「Michaela Buerger」のレトロニット【#エディターたちのカートの中身】 | Numero TOKYO
Fashion / Editor's Post

可愛いうえに社会に貢献!「Michaela Buerger」のレトロニット【#エディターたちのカートの中身】

秋冬シーズンのなかで大きい流れではないものの、心に留まったファッションはフリルシャツやチロルジャケットなど少しほっこり感のあるノスタルジックなテイスト。似合う似合わないなどはさておき、展示会巡りであまりの可愛さに引きつけられたニットブランドをご紹介します。

バラクラバ¥46,200
バラクラバ¥46,200

それは「Michaela Buerger(ミカエラ・ビュルガー)」というニットブランドです。オーストリア人のミカエラ・ビュルガーが、2012年にパリでスタートし、日本にはこの秋冬上陸。すでに幼少期に母親からオーストリアの伝統的なハンドクラフト技法を受け継ぎ、ウィーン応用美術大学ではラフ・シモンズの指導も受けたのだとか。

衿付きカーディガン¥118,800
衿付きカーディガン¥118,800

カーディガン¥140,800
カーディガン¥140,800

写真でも十分伝わると思いますが、子どもの頃に着ていた服を思い起こすような懐かしさが、このところのレトロブームにも通じるぐっとくるポイントかもしれません。レースの大きな衿や小花やチェリーの刺繍、スカラップの縁飾りなど、手に取るとつくりもとっても繊細。ヘッドピースも注目のバラクラバのほか、ビーニーやスカーフなどタイプもいろいろラインナップ。どれも素材はイタリアやフランスの上質なウールやヤーンで、丁寧に編まれています。

ビーニー¥29,700
ビーニー¥29,700

しかも今では当たり前になっているウーマンエンパワーメントについても10年ほど前からすでに取り組んでおり、特に90年代の紛争で被害の大きかったボスニア・ヘルツェゴビナの女性の社会的経済的な自立を支援。ミカエラ・ビュルガーのニットは、現在4か国400人の女性のハンドニッターとともに制作し、東欧の伝統的な手工芸の保護、継承に務めています。

カーディガン¥135,300
カーディガン¥135,300

「Sadijaという女性の例を挙げます。夫からDVを受け、子どもを連れて別れましたが十分な教育を受けていませんでした。私のニットを共同で制作するボスニア・ヘルツェゴビナの経済支援協会で働き、娘は大学を出るまでになりました。デザイナーとして彼女のなしえたことに少しでも寄与できたなら、ファッションにも意味があり、私の仕事もこのように彼女たちの人生を変える手伝いができると言えるでしょう」とミカエラ・ビュルガーは語っています。

デザイナーのミカエラ・ビュルガー
デザイナーのミカエラ・ビュルガー

社会に貢献しようとする彼女の真摯な思いが、ニットの可愛さを引き出しているのかもしれません。ショップによってラインナップは違いますが、フェルメリスト ビームス、イエナ ラ ブークルなどで扱っているそうです。ぜひチェックしてみて!

Michaela Buerger

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Profile

古泉洋子Hiroko Koizumi コントリビューティング・シニア・ファッション・エディター。『Harper's BAZAAR』『ELLE Japon』などのモード誌から女性誌、富裕層向け雑誌まで幅広い媒体での編集経験を持つ。『NumeroTOKYO』には2017年秋よりファッション・エディトリアル・ディレクターとして参加した後、2020年4月からフリーランスとしての個人発信を強め、本誌ではファッションを読み解く連載「読むモード」を寄稿。広告のファッションヴィジュアルのディレクションも行う。著書に『この服でもう一度輝く』(講談社)など。イタリアと育った街、金沢をこよなく愛する。
Instagram: @hiroko_giovanna_koizumi

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