可愛いうえに社会に貢献!「Michaela Buerger」のレトロニット【#エディターたちのカートの中身】
秋冬シーズンのなかで大きい流れではないものの、心に留まったファッションはフリルシャツやチロルジャケットなど少しほっこり感のあるノスタルジックなテイスト。似合う似合わないなどはさておき、展示会巡りであまりの可愛さに引きつけられたニットブランドをご紹介します。
それは「Michaela Buerger(ミカエラ・ビュルガー)」というニットブランドです。オーストリア人のミカエラ・ビュルガーが、2012年にパリでスタートし、日本にはこの秋冬上陸。すでに幼少期に母親からオーストリアの伝統的なハンドクラフト技法を受け継ぎ、ウィーン応用美術大学ではラフ・シモンズの指導も受けたのだとか。
写真でも十分伝わると思いますが、子どもの頃に着ていた服を思い起こすような懐かしさが、このところのレトロブームにも通じるぐっとくるポイントかもしれません。レースの大きな衿や小花やチェリーの刺繍、スカラップの縁飾りなど、手に取るとつくりもとっても繊細。ヘッドピースも注目のバラクラバのほか、ビーニーやスカーフなどタイプもいろいろラインナップ。どれも素材はイタリアやフランスの上質なウールやヤーンで、丁寧に編まれています。
しかも今では当たり前になっているウーマンエンパワーメントについても10年ほど前からすでに取り組んでおり、特に90年代の紛争で被害の大きかったボスニア・ヘルツェゴビナの女性の社会的経済的な自立を支援。ミカエラ・ビュルガーのニットは、現在4か国400人の女性のハンドニッターとともに制作し、東欧の伝統的な手工芸の保護、継承に務めています。
「Sadijaという女性の例を挙げます。夫からDVを受け、子どもを連れて別れましたが十分な教育を受けていませんでした。私のニットを共同で制作するボスニア・ヘルツェゴビナの経済支援協会で働き、娘は大学を出るまでになりました。デザイナーとして彼女のなしえたことに少しでも寄与できたなら、ファッションにも意味があり、私の仕事もこのように彼女たちの人生を変える手伝いができると言えるでしょう」とミカエラ・ビュルガーは語っています。
社会に貢献しようとする彼女の真摯な思いが、ニットの可愛さを引き出しているのかもしれません。ショップによってラインナップは違いますが、フェルメリスト ビームス、イエナ ラ ブークルなどで扱っているそうです。ぜひチェックしてみて!
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Instagram: @hiroko_giovanna_koizumi