カルティエとサカイの出会いから生まれたジュエリー【#エディターたちのカートの中身】 | Numero TOKYO
Fashion / Editor's Post

カルティエとサカイの出会いから生まれたジュエリー【#エディターたちのカートの中身】

自分らしさを投影しやすいのがジュエリー。特に毎日身につけるベーシックなものには、それぞれにストーリーやエピソードがあるはず。きっと手に入れたらずっと愛用できそうと、心の中で静かにカートインしているのが今回紹介するCartier(カルティエ)の新作ジュエリーです。

長い間、私が毎日手元につけているジュエリーは、カルティエのリングです。ピンク、イエロー、ホワイトのスリーゴールドが層になったリングに、カルティエの頭文字Cを2つ並べたデザインは、カレッジリングのようなマスキュリンさが気に入って手に入れました。「トリニティ」が誕生したのは1924年。このように貴石を使わないシンプルなリングを発表するのは、その当時では大胆なことだったそうです。 日本のお揃い文化では、地金のゴールドを統一しないと落ち着かないという人もいるようですが、私はミックス主義。これは3色のゴールドが使われていることで、他にどんなジュエリーを合わせてもリンクすることも決め手に。このリングは祖母と母からアニバーサリーギフトだったこともあり、3色がファミリーツリーのようにも思えてお守り的な役割も果たしています。 そして、サカイはデビュー当時から大好きなブランド。レースやプリーツを身頃に配したハイブリッドな異素材ミックスのトップスやワンピースがマイクローゼットに並んでいます。凝ったカッティングを駆使したひねりの効いたデザインながら、着れば不思議と誰にでもなじむデザインなので、モードの入門編としても幅広い世代の女性に愛されています。ご存知のとおり、2009年からはパリコレに参加、その後もナイキなどのコラボ、ジャンポール・ゴルチエとの協業によるオートクチュールと、日本を代表する世界的なブランドに。

sacai 2022-23AW
sacai 2022-23AW

sacai 2022-23AW
sacai 2022-23AW

2022−23AWはパリコレのランウェイに復帰し、sacaiの中心的価値観である愛、忠誠、友情に基づいたクリエイションを展開。カルティエ レッドにインスパイアされたオテル・ド・ヴィル(パリ市庁舎)を舞台に発表されたのが「TRINITY FOR CHITOSE ABE of sacai」です。ジュエリーの着け方により「トリニティ」のフォルムを変化させること追求しており、個人的にもまさに好きなもの同士が共鳴し合った、見逃せないコレクションと興奮しきり。

このコレクションは、数年前より友好関係にあったカルティエのプレジデント兼CEOのシリル ヴィニュロン氏と、sacaiのデザイナー兼ファウンダー、阿部千登勢氏が、「トリニティ」のクリエイティブな可能性を探る考察、対話を行い、その結実として互いのビジョンに最も合致する6つのデザインが誕生したそう。 日本で今夏先行発売予定なので、ぜひチェックを!

カルティエ カスタマー サービスセンター
TEL/0120-301-757

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Profile

古泉洋子Hiroko Koizumi コントリビューティング・シニア・ファッション・エディター。『Harper's BAZAAR』『ELLE Japon』などのモード誌から女性誌、富裕層向け雑誌まで幅広い媒体での編集経験を持つ。『NumeroTOKYO』には2017年秋よりファッション・エディトリアル・ディレクターとして参加した後、2020年4月からフリーランスとしての個人発信を強め、本誌ではファッションを読み解く連載「読むモード」を寄稿。広告のファッションヴィジュアルのディレクションも行う。著書に『この服でもう一度輝く』(講談社)など。イタリアと育った街、金沢をこよなく愛する。
Instagram: @hiroko_giovanna_koizumi

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