映画衣装をチェックして、さらに『ハウス・オブ・グッチ』通に! | Numero TOKYO
Fashion / Editor's Post

映画衣装をチェックして、さらに『ハウス・オブ・グッチ』通に!

公開前から、すでに話題沸騰の映画『ハウス・オブ・グッチ』。グッチのアーカイブから劇中でレディー・ガガが着用した衣装を、ただいまグッチ銀座で公開中! レディー・ガガが演じた悪女パトリツィアはいったいどんな服を纏っていたのか、直接現物を確認したい衝動にかられ、早速伺ってみました。

映画『ハウス・オブ・グッチ』の監督、リドリー・スコットは、『ブレードランナー』(1982年)『ブラックレイン』(1989年)『テルマ&ルイーズ』(1991年)『グラディエーター』(2000年)と時代ごとに話題作を生み出してきた巨匠、84歳で現役とは驚きです。直近2017年の『ゲティ家の身代金』でも実話をもとにしたサスペンス作品を手がけており、ファッション担当、サスペンス好きとしては、今回の『ハウス・オブ・グッチ』は見逃せない作品。

トップ画像とともにⓒ2021 METRO-GOLDWYN-MAYER PICTURES INC. ALL RIGHTS RESERVED.  
トップ画像とともにⓒ2021 METRO-GOLDWYN-MAYER PICTURES INC. ALL RIGHTS RESERVED.  
現実世界に華やかなことが少ない今、『ハウス・オブ・グッチ』はうってつけの娯楽! グッチという1921年創設の世界中知らない人はいないほどのブランドを生み出した一族に実際に起こった事件であり、その時代背景、成長過程を追うのも楽しいですし、とにかくレディー・ガガ、アルパチーノ、アダム・ドライバー、ジャレット・レトと豪華なキャストが、グッチ家の人物そのものか⁈ と思うような出で立ちで登場しているのも見どころです。
ⓒ2021 METRO-GOLDWYN-MAYER PICTURES INC. ALL RIGHTS RESERVED.  
ⓒ2021 METRO-GOLDWYN-MAYER PICTURES INC. ALL RIGHTS RESERVED.  

今回の衣装担当はリドリー・スコットとタッグを組んできたジャンティ・イェーツ。ガガが扮するパトリツィア用に用意したのは全70スタイル! ガガは試着に60時間をかけ、合わせるアクセサリーなどを一緒に考え、ガガの私物も劇中で使われています。洋服のデザインは往年のイタリア女優、ジーナ・ロロブリジータから着想を得たそうです。またNYのペントハウスに着いてテラスでダンスするシーンのアンサンブルは、ヘルムート・ニュートンのファッション写真から生まれたのだとか。普段着はクラシックでシンプルなデザインにジュエリーを効かせることを基本にしており、「派手な衣装よりも、シンプルな衣装を着飾らせたほうが贅沢な暮らしをしているようすが伝えられる」とイェーツはその手法を語っています。

ⓒ2021 METRO-GOLDWYN-MAYER PICTURES INC. ALL RIGHTS RESERVED.
ⓒ2021 METRO-GOLDWYN-MAYER PICTURES INC. ALL RIGHTS RESERVED.

パトリツィアの衣装のうち2スタイルは、グッチのアーカイブコレクションから提供されており、そのうち1スタイルが現在グッチ銀座3階で展示中です。アイコニックなGGキャンバスに同系色のレザーを配したチュニックは1969年のもの。アーカイブなども紹介するグッチの新しいオンラインコンセプトストア Vaultでも、近いデザインを展開していました。現在はSold Outですが作品を見ることはできるので、こちらもチェックしてみてください。

このほか70年代のスクエアなシェイプの「G」ロゴパターンのバッグ、90年代のバンブーバッグやメタルバッグなど、映画に提供されたアイテムも展示されています。


この日は私も90年代に購入し愛用しているマイヴィンテージのバンブートートを持って、グッチ気分を高めてみました! 

『ハウス・オブ・グッチ』の余韻に浸りつつ、こちらの展示にも足を運んで、グッチのクリエーションをじっくりと味わってみてください!

映画『ハウス・オブ・グッチ』
全国公開中  配給:東宝東和

グッチ アーカイブ展示
会場/グッチ銀座 3階
住所/東京都中央区銀座4-4-10 
会期/~2022年1月31日(月)
時間/11:00–20:00

※本展示は感染対策を徹底の上、開催。今後の状況によっては事前の予告なく変更となる可能性あり。最新の状況については下記まで問い合わせください。

グッチ ジャパン クライアントサービス
TEL/0120-99-2177

 

Profile

古泉洋子Hiroko Koizumi コントリビューティング・シニア・ファッション・エディター。『Harper's BAZAAR』『ELLE Japon』などのモード誌から女性誌、富裕層向け雑誌まで幅広い媒体での編集経験を持つ。『NumeroTOKYO』には2017年秋よりファッション・エディトリアル・ディレクターとして参加した後、2020年4月からフリーランスとしての個人発信を強め、本誌ではファッションを読み解く連載「読むモード」を寄稿。広告のファッションヴィジュアルのディレクションも行う。著書に『この服でもう一度輝く』(講談社)など。イタリアと育った街、金沢をこよなく愛する。
Instagram: @hiroko_giovanna_koizumi

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