「YOHEI OHNO」の新たな試み“3711 Project”で、着物の美しさを改めて! | Numero TOKYO
Fashion / Editor's Post

「YOHEI OHNO」の新たな試み“3711 Project”で、着物の美しさを改めて!


今、改めて身近なことを見直そうとする人が増えてきています。日本の伝統文化もその一つ。陶芸の器など日常に使うものなので徐々に浸透してきていますが、特別な機会に纏うイメージが強く、ルールも気になる着物は、美しさは理解していても現代の生活とは少し距離があるのも事実。「YOHEI OHNO(ヨウヘイ オオノ)」デザイナー、大野陽平さんがスタートした新プロジェクト“3711 Project”は、着物と私たちの距離感を近くしてくれる、とても素敵な試みなのでご紹介します!

Numero.jpの好評連載、デザイナー訪問記でも、自身のクリエーションをたっぷりと語ってくれた大野陽平さん。そのなかでも「服作りの出発点は素材」と語っているように、知識というよりも、感覚的に素材に向き合っているとのこと。 そんな大野さんの感性に響いたのが、アンティークのマーケットなどで出合ったデッドストックの着物の反物。その美しさや技術に魅了され、「日本文化の着物という貴重な素材を活かしたい」と考え、多くの反物のサイズ37cm×11cmから“3711 Project”と名付けたのだとか。



私もぜひ現物を手に取ってみたい!と、現在開催中のポップアップストアにお邪魔しました。並べられている服は、まず最初に素材の色合いやニュアンスに引きつけられますが、どれもいい意味で着物の反物で作られているとは思えないモダンな仕上がり。簡単ではないこのバランスが保たれているのは、グラフィカルな柄でポジティブかつ繊細さがある色合いの絣をチョイスした大野さんの美意識のなせる技。デザインはヨウヘイ オオノのアーカイブ3型で、どれも一点ものだそうです。

“3711 Project”ポップアップストアは、2月28日(日)まで、東京・表参道のスパイラル1F(港区南青山5-6-23)で行われています。日本の伝統文化を継承する、このプロジェクトの動向を今後もチェックしていきたいと思います!

Profile

古泉洋子Hiroko Koizumi コントリビューティング・シニア・ファッション・エディター。『Harper's BAZAAR』『ELLE Japon』などのモード誌から女性誌、富裕層向け雑誌まで幅広い媒体での編集経験を持つ。『NumeroTOKYO』には2017年秋よりファッション・エディトリアル・ディレクターとして参加した後、2020年4月からフリーランスとしての個人発信を強め、本誌ではファッションを読み解く連載「読むモード」を寄稿。広告のファッションヴィジュアルのディレクションも行う。著書に『この服でもう一度輝く』(講談社)など。イタリアと育った街、金沢をこよなく愛する。
Instagram: @hiroko_giovanna_koizumi

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