A-Z 26個のアルファベットに込めた「Bally」の思い | Numero TOKYO
Fashion / Editor's Post

A-Z 26個のアルファベットに込めた「Bally」の思い


トラディショナルでありながらコンテンポラリーな美しさを併せ持つスイス発のブランド、Bally(バリー)。来年の170周年を前に、長く愛されてきたこのブランドの魅力を解き明かす試みが公式Instagram(@Bally)で行われています。

仕事柄、いろいろなブランドの靴を履いてみる機会に恵まれていますが、個人的にも長く履いて疲れない靴ベスト3に入るのがバリーです。先日、秋冬の新作を展示会でチェックしましたが、モノトーンのモダンなミュールや、足首をしっかりホールドするストラップシューズがラインナップされていました。

今回のグラフィックプロジェクト「Bally A-Z」では、バリーにまつわるブランドコードやDNAを26個のアルファベットとともに紹介。ストーリーのある、それぞれのアルファベットを世界中のクリエイターがアートに仕上げています。


例えば「C」は、創設者カール・フランツ・バリーと妻セシルの頭文字。リボン製造でスタートしたバリーが、靴づくりを始めたに至るストーリー。そのきっかけはパリ出張で街を行く女性のおしゃれな靴に魅了されたカールが、妻へのギフトにと12足の靴をスイスに持ち帰ったこと。その後も妻のファッションに対する美意識にインパイアされ、「セシル」の名を冠したコレクションなど多くの作品が生まれています。愛を感じるエピソードですね。


この「C」を描いたのは、ブルックリンを拠点とするイラストレーター Abbey Lossing(アビー・ロッシング)によるもの。日本でもJR東日本のCMなども手掛けています。

バリーの豊かな歴史を感じながら、アートを楽しむ。いろいろと考えを巡らせる今だからこその、ゆっくりとした時間の過ごし方です。


Profile

古泉洋子Hiroko Koizumi コントリビューティング・シニア・ファッション・エディター。『Harper's BAZAAR』『ELLE Japon』などのモード誌から女性誌、富裕層向け雑誌まで幅広い媒体での編集経験を持つ。『NumeroTOKYO』には2017年秋よりファッション・エディトリアル・ディレクターとして参加した後、2020年4月からフリーランスとしての個人発信を強め、本誌ではファッションを読み解く連載「読むモード」を寄稿。広告のファッションヴィジュアルのディレクションも行う。著書に『この服でもう一度輝く』(講談社)など。イタリアと育った街、金沢をこよなく愛する。
Instagram: @hiroko_giovanna_koizumi

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