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妊娠力UP!良好な腸内環境を育てる発酵食品のススメ

高齢出産、深刻な不妊問題を抱える日本人女性にとって早い段階で、食事を含めた正しい知識を持つことの大切さが問われる時代。実は意外にも腸と妊娠力には深い関係がある。予防医療コンサルタントの細川モモさんが「腸と子宮の付き合い方」を指南。良好な腸内環境を育てる発酵食品と、現代女性が知っておきたいカラダに必要なこととは?(「ヌメロ・トウキョウ」2014年5月号掲載)

良好な腸内環境を育てる、発酵食品と和食

日本は“発酵の国”と言ってよいほど、発酵食品を日常の食事に取り入れている国。ご飯を主体として納豆やお味噌汁、お漬物など古くから日本人は発酵食品が食事の基本に。発酵は微生物の働きによって、元の食材の栄養価を格段にアップする魔法のような調理加工法。大豆ひとつにしても、ただの大豆と納豆とでは、納豆のほうがぐっと栄養価が高くなります。誰しも成人を過ぎると、腸内環境が悪玉菌優位に。こまめに発酵食品を食べれば、腸内に住んでいる1000兆個の腸内細菌のエサになる微生物がコンスタントに供給されます。

発酵食品の摂取は、善玉菌優位の良好な腸内環境を効率良くキープするいちばんの近道。味噌や醤油、みりんといった調味料、お出汁に使う鰹節も忘れがちですが発酵食品の代表。それら発酵食品と、食物繊維やミネラルが取れる海藻、たんぱく質源でありオメガ3などの必須脂肪酸が取れるお魚などが絶妙に組み合わさった和食は、世界で最も優れたバランス健康食。基本は和食がベストですが、日々の献立に煮詰まったときはキムチなど発酵食品のバリエーションが豊かな韓国の食事を取り入れるのも良いですね。

現代女性が知るべき6つのトピック

1. アミノ酸スコアのチェック

人間の体の20%はたんぱく質などのアミノ酸。アミノ酸は20種類あり、そのうち9種類が「必須アミノ酸」。さらに、その中の3種類は筋肉の材料となるアミノ酸で、バリン、ロイシン、イソロイシンです。これらは「BCAA」と呼ばれ、体内では作り出せないため食事から取らないと筋肉を作り続けることができません。しかも必須アミノ酸の摂取はやっかいで、9種類の必須アミノが“100点満点”で揃わないと力を発揮できないという特徴が

例えば一つの食材に8種類のアミノ酸が100点満点で揃っていても、1種類のアミノ酸がゼロだとたんぱく質として働けないのです。米や小麦は、アミノ酸が1~3種類不足しているため、献立でほかの食品と組み合わせて100点満点にする必要があります。必須アミノ酸が揃っているかどうかの確認は健康体を作る大きな鍵です。
<例>アミノ酸スコアが100点になる組み合わせ
白米+納豆、パン+チーズやツナ、パスタ(またはうどん)+魚介類や鳥肉や牛肉

2. 腸のぜん動運動による「セロトニン」とうつ病の関係

メンタルというと脳を思い浮かべる人が多いと思いますが、その脳に影響を与える伝達物質の大部分は実は腸で作られています。リラックス作用の「GABA」、やる気アップにつながる「ドーパミン」、そして精神の安定や感情のコントロールに関わる幸福のホルモン「セロトロニン」などの受容体は腸にもあり、セロトニンは95%が腸メイド。セロトニンはたんぱく質やビタミンB6、マグネシウムなどを材料に作られ、朝日を浴びることで分泌されます。また、必須脂肪酸であるオメガ3を取ることも「セロトニン」の血中濃度を保つのに役立ちます。栄養素の不足、腸内環境の悪化による腸のぜん動運動不足などは、PMSのイライラを重くしたり、うつ傾向を助長することになります。

3. 日光浴不足(=ビタミンD不足)は卵巣年齢を老化させる

ビタミンDは別名「サンシャイン・ビタミン」と呼ばれ、紫外線を浴びることでコレステロールを材料として体内で生成されます。骨を丈夫にする、骨粗鬆症予防に不可欠なビタミンですが、大腸がんや乳がん、インフルエンザの発症リスクを低減するなど免疫力アップにも貢献。普段の食事からも取れますが、特に人間の健康に深く関わるビタミンD3の体内生成には日光浴が必須。さらに、私たちが行った「卵巣年齢研究プロジェクト」の中間報告では、30代で卵巣年齢が40歳相当の女性はビタミンDが不足している傾向にありました。ビタミンDの必要量を維持するには1日15~30分、肌から日光を吸収させて。顔はUVケアをしても、メラニン色素が少なく日光吸収の良い手のひらはUVケアなしで外出を。
卵巣年齢共同研究:順天堂大学、ロート製薬株式会社、産科婦人科管出張佐藤病院、一般社Luvtelli

4. 日本人女性は貧血

ハーバード大学の調査により、亜鉛や鉄が摂取できている女性はPMSの発症リスクが低いことがわかっています。「朝起きるのがつらい」「PMSが重い」など日本人女性の悩みの大半は、葉酸、亜鉛、鉄といったミネラルの不足が関係しています。女性は、毎月の月経で経血を排出するため慢性的に鉄が不足しがち。妊娠中は血液の必要量が増え、フェリチン(貯蔵鉄)が減少するため、準備のために努めて鉄を取ってほしいのですが、日常の食事で十分に取れていない傾向にあります。鉄は、血液中のヘモグロビンの主成分。血液中のヘモグロビンは酸素を体の隅々に運ぶ役割があり、血液中のヘモグロビン濃度が低下すると、めまいや立ちくらみが起こります。ヘモグロビンは身体にストックされているフェリチン(貯蔵鉄)により一定の濃度が保たれる仕組みになっています。貧血の原因はさまざまですが、血液の栄養状態を調べ、フェリチンの貯蔵量を知って食事を改善すれば貧血予防は可能です。

5. 女性ホルモンを整える

PMSにまつわる症状の多くは、排卵後に分泌される黄体ホルモンが原因とされていますが、脳内のホルモンや活性物質の異常、ビタミンB6の不足、ストレスなどが複合して症状を強めるとも。つまりホルモンの材料であり、精神を安定させてくれる栄養素を充足させることはPMS緩和の重要キー。生理障害や不妊、ホルモン分泌障害を招くビタミンE、性ホルモンの分泌に必要な亜鉛の不足にも気をつけて。美肌のホルモン=卵胞ホルモンと似た働きをすることで知られ、熱心に取っている人も多い大豆イソフラボンについては、実はイソフラボンと腸内細菌が出合って作られる「エクオール」という成分が主体。ただし、エクオールを作れる腸内細菌が住んでいるかどうかの確率は日本人や中国人では50%。エクオールの産生能力は、腸内細菌を調べるとわかります。産生能力がない場合は、エクオールをサプリメントで補うことも可能です。

6. 必須脂肪酸オメガ3は、便秘も予防!?

脂質は効率的なエネルギー源でもありますが、老化の原因である「酸化」や「炎症」を促進する面もあれば、炎症を抑えてくれる作用も。食事から取る脂肪や油分は、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の2つに分類されます。不飽和脂肪酸のなかでも、オメガ6(リノール酸)とオメガ3(α̶リノレン酸)は人の体内では作り出せないため、生きていくのに欠かせない必須脂肪酸。しかし、サラダ油や紅花油などのオメガ6は、お肉やバターなどの飽和脂肪酸と同様に、過剰に取ると炎症と酸化を促してしまうことに。一方、亜麻仁油やシソ油や魚油などのオメガ3(α̶リノレン酸)は、摂取することで炎症の鎮静や、体内でDHAやEPAとなって脳機能を向上したり、女性ホルモンを整える働きもあります。また、良質な油分は便をするするとスムーズに排出するのにも必要です。

妊娠力と腸の関係をもっと知る

Supervision : Momo Hosokawa Illustration : Izuru Aminaka Text : Kumiko Ishizuka, Hisako Yamazaki Edit : Hisako Yamazaki

Profile

細川モモ(Momo Hosokawa) Luvtelli Tokyo&New York 代表理事。10代での両親の末期がん闘病がきっかけで、予防医学の道を志す。先進国の生活習慣病に対する取り組みをリサーチするため、NYを中心に欧米に9年間通い続ける。スタンフォード大学・UC Davisほかで受講した最先端栄養学やPublic Health(公共の健康)に多大な影響を受け、2009年春、東京とNYに医師、管理栄養士、料理研究家などを中心とした「Luvtelli Tokyo&New York」を発足。11年よりタニタとともに、世界一の美女を目指す女性たちの体作りをサポート。その経験から、不健康な痩せ願望が低出生体重児の増加や不妊症に繋がる一因であると感じ、12年冬に大学病院や企業とともに、世界一規模の「卵巣年齢研究プロジェクト」をスタート。13年に高齢出産のリスク低減を目的としたオリジナルスクリーニング検査を聖マリアンナ医科大学東横病院とコラボレーションし、実施。チームで学会発表などに精力的に取り組み、確かなデータから啓蒙活動を行っている。著書に『ラブテリブック Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ』『BABY BOOK』『タニタとつくる美人の習慣』など多数。www.luvtelli.com

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