ジバンシィ(Givenchy)が上海にて2025-26年秋冬コレクションの展示会を開催した。会場となったのは、静安区にある歴史的建築物をリノベーションした複合施設「張園」。上海の伝統的な建築様式である石庫門建築と西洋建築が融合した注目のスポットだ。

新クリエイティブ・ディレクターに就任した、サラ・バートンによるデビューコレクションとなった2025-26年秋冬コレクション。彼女にとって大きなインスピレーションとなったのは、ユベール・ド・ジバンシィの最初のメゾンであるアルフレッド・ド・ヴィニー通り8番地にある邸宅の隠し戸棚から見つかったアーカイブのパターンだという。茶封筒に包まれたそれは、1952年にユベールがデビューコレクションで発表した綿織物(キャリコ)のパターン。長い時を経て偶然発見された、なんとも謎めいたエピソードだ。

「私にとって、パターンカッティングやクラフツマンシップに立ち戻るのは本能的なもの。カット、シルエット、プロポーション── それが私の感覚であり、クリエイションの本質です」と語るサラの言葉通り、マックイーン時代から得意とするテーラリングを軸に、滑らかな曲線を描くジャケットや、構築的でありながらしなやかなドレスなど、メゾンのアーカイブに敬意を払いながらも、現代の女性像に寄り添う彼女ならではの繊細で力強い美学が感じられるピースが印象的だった。バックコンシャスなスタイルも多く見受けられ、360度どの角度から見ても美しいルックが並ぶ。
ユベール・ド・ジバンシィのアイコニックなスタイルは、大胆かつモダンな感性でアップデート。リトルブラックドレスはマイクロミニ丈に、ふんわりと丸みを帯びたコクーンバックのシルエットはコートやジャケットに取り入れ、白いシャツはアシンメトリードレスとして新たな命を吹き込んだ。
(左)メゾンに残されたストーリーから着想を得た、遊び心溢れるルックも。トップモデルで、ジバンシィでも働いていたことで知られるベッティーナ・グラツィアーニが、ある日化粧品をひっくり返したエピソードから生まれた、コンパクトやパフのモチーフを散りばめたドレス。
(右)ショーの後半に登場した、砕かれたシャンデリアのジュエリーやビジューなどをあしらったトップ。このビジューのモチーフはイヤリングやバッグ類にも採用されている。


アクセサリーからも、新たなアイコンが誕生しそうな予感。メタルでレザーを挟んだようなデザインの「ピンチ(The Pinch)」と持ち手を中に収納してクラッチとして持てる「ファセット(The Facet)」が新たにデビューする。

コレクションの中でも象徴的に扱われていた、創業当時のロゴをあしらったフラットシューズ。ローファータイプもラインナップ。
視線を奪う大ぶりのジュエリー。サラ・バートンのスピリットを宿したような存在感あるアイテムに挑戦したい。

「私にとってはアトリエがすべて。アトリエは、ジバンシィの心臓であり魂」と語るサラ・バートン。メゾンの原点に立ち返りながら、偉大なヘリテージを受け継ぎ、その手でどのような物語を紡いでいくのか、これからが楽しみでならない。




















