食文化と伝統を味わう東京レストラン
食通のゲストセレクターを迎え、いま注目の“食の世界”をおすすめのレストランとともに紹介するフード連載。Vol.8は、茶道とスポーツの融合をテーマに幅広く活躍する小堀宗翔が、食文化と伝統を味わえる東京のお店をピックアップ。(「ヌメロ・トウキョウ」2019年5月号掲載)
心と体をつくる“食”
生まれて初めての食との出合いは、父が離乳食に混ぜたお抹茶。お抹茶が大好きになるようにと願いを込めてほんの少し混ぜていたそう。茶道を通して四季の行事を行い、四季の味を覚えて育ちました。
「懐石 小室」では美しい器と、おいしさの中にある苦味・渋味など、本物の味を感じられます。風情ある神楽坂の水を打った石畳。お店に入ると五感が刺激されます。
日本料理をいただくときは必ず器を手に取り、掌(たなごころ)で感じる温かさ、冷たさ、重み、肌触りをも「味」と感じなさいと教わりました。小室に足を運べば、自分の掌で日本の味・心が味わえます。
「HIGASHIYA GINZA」では立礼(りゅうれい)ではお茶を食す会席「茶食会(さじきえ)」を楽しめます。「Tokyo Sushi Roll IYAMA」はカジュアルに楽しむSUSHI ROLL。味・見た目も可愛いらしくお土産にぴったり。
茶人&アスリートとして、心と体をつくる食を多方面から楽しんでいます。
懐石 小室
神楽坂の小路にある「懐石 小室」。ミシュランの星を獲得した日本料理店で、店主は茶道の流派である遠州流の家元付き料理人の経験もある小室光博さん。「季節とともに食材に古くから恵まれてきた日本。その味わいを最大限引き出すことが私の務めです」。山・海・里、それぞれの食材の産地に小室さん自ら足を運び、その地で浮かんだインスピレーションを料理に落とし込むことが多い。茶道のセンスを感じる器選びも小堀さんのレコメンド点。料理と器、心配りの届いたおもてなしから、伝統美を感じて。
住所/東京都新宿区若宮町35-4
営業時間/12:00~13:00、18:00~20:00(いずれもL.O.)
定休日/日・祝
TEL/03-3235-3332
URL/www.kaiseki-komuro.com
HIGASHIYA GINZA
和菓子をもっと身近に。そんな思いを“日果子屋(日々の菓子屋)”の店名に馳せるHIGASHIYA。日本のティーサロンがテーマの茶房で、お茶を中心とした和のメニューを心ゆくまで堪能できる。2種類のお茶とともに、さまざまな和菓子や軽食を味わえる「茶間食(さまじき)」がおすすめ。“茶を食す”会席コース「茶食会(さじきえ)」(¥10,000)で茶文化を慈しむもよし。
住所/東京都中央区銀座1-7-7 ポーラ銀座ビル2F
営業時間/11:00〜18:00(L.O.)、売店 11:00〜19:00
定休日/無休
TEL/03-3538-3240(茶房)
URL/www.higashiya.com/ginza/
Tokyo Sushi Roll IYAMA
お寿司をカジュアルに味わいたいときは「Tokyo Sushi Roll IYAMA」へ。板前が腕をふるう寿司は、伝統的な江戸前の握りからアイデアに富んだ手巻きまで幅広い。低温で燻した香ばしくもとろける甘さの“スモークサーモン”やワインと一緒につまみたい“ドライトマト”など斬新なネタも楽しい。一人で立ち寄るのはもちろん、ゲストを連れていくと喜ばれるそう。
住所/東京都新宿区新宿3-19-2
営業時間/12:00〜22:00
定休日/月
TEL/03-6273-0091
URL/www.tokyosushiroll.com
Photo:Yufuko Uehara(懐石 小室), Koji Yamada Text:Nao Kadokami Edit:Yuuka Shiomi