フェザー、ラッフル、レース、リボン──風をはらむエアリーなピースが描き出したのは、既存のスタイルに縛られない自由なスピリット。そんな浮遊感を纏った着こなしを、田中杏子がモードな感性で描き出す。まるで空を羽ばたく鳥のように、軽やかにボーダーを飛び越えて。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2026年7・8月合併号掲載)

重厚なフローラルジャカードのジャケットに合わせたのは、ポルカドットのエアリーなトップとラッフルが優雅に波打つショーツ。その相反する素材や柄と柄の大胆な掛け合わせが響き合い、静と動が交錯するロマンティックなムードを描き出す。

スカーフを巻きつけたようなトップは、動きとともに揺れ動き、ポジティブなエネルギーを解き放つ。スカートには円形のバックルが取り付けられ、流れるファブリックを通したり巻き付けたりと自在なアレンジを楽しむことができる。ルールに縛られないスタイルで、未知なる冒険へ出かけよう。

アクティブなスタイルに宿る、フェミニンな甘さのコントラスト。機能的なナイロン素材のアウターは、ケープのように広がる女性らしいシルエットとフードから続くネックボウによってスポーティな印象をやわらかく包み込む。ボディスーツは胸元にレースとリボンがあしらわれ、愛らしい表情に。

ふわりと佇むフェザーベストを主役に、空気を纏うような軽やかさをスタイリングで表現。透け感のある小花柄のブラウスに、ニュアンスの異なるフローラルプリントのブラをレイヤードし、繊細な奥行きを描き出す。袖口にはカフスを添え、所作までも優雅に彩って。

何百枚ものカット&フォールドピースで構成されるリュクスなアウターは、異国の花びらを思わせる漆黒のモチーフがミステリアスなオーラを放つ。そこに合わせたドット柄のパンツがチャーミングな遊び心を添え、ダークロマンティックな世界へと誘う。

繊細なレースのパッチワークドレスには、クリノリンを彷彿とさせる骨組みが密やかに姿を現す。腰下からはその構造が解体され、退廃的な美しさを漂わせた。ウエストにはあえてネクタイを巻いて、ジェンダーや固定概念の境界をしなやかに超えて。

家でも仕事場でも、働く女性のユニフォームであるエプロン。そんな日常的なアイテムに、モードラバーが虜になる時が来た。シャツやベストを重ねたトラッドなレイヤードが知的なムードを添え、ミニ丈のボトムスがプレイフルな抜け感を生み出す。ルールのない自由な着こなしが、ファッションの可能性をさらに広げていく。

繊細なレースで仕立てられたセンシュアルなドレスを、Tシャツとブーツでラフに着崩して。合わせ方次第で、タウンユースでも自然に溶け込む装いに。彫刻的なラインを描くブレスレットは、全体をシャープに引き締めてくれる。

プレイフルなドット柄と、大胆に揺れるフレアシルエットが織りなすのは、陽気な遊び心に満ちたフェミニニティ。ランジェリーをメインにしながらも、ボリュームのあるパンツとシアーブラウスのスリーブが軽やかな抜け感を生み出す。フレンチシネマのヒロインのように、自由なアティチュードで纏いたい。

ショルダーが大胆に誇張された、フローラルプリントのジャケット。愛らしいパステルのカラーリングにアンバランスなボリュームを掛け合わせた、静かな違和感が美しい。夢と現実の狭間を彷徨うような、不思議な世界に引き込まれて。

まるでアンティークドールのような、甘く儚い存在感。リボンをあしらった淡いピンクのジャケットはノスタルジックな空気を漂わせ、そこに合わせたマイクロミニ丈のスカートと厚底シューズが、未来的なエッジを添える。可憐なだけでは終わらない、新しいフェミニニティの境界線へ。
Photos:Chad Moore Fashion Director:Ako Tanaka Hair:Jun Goto Makeup:Kouta Edit:Shomi Abe Edit & Text:Makoto Matsuoka
