スタイリングは、服の可能性を解き放つ特別な力。色や形、小物使いが小さな化学反応を生み、服に思いがけない表情をもたらす。2026年春夏コレクションから、小技が光るルックを岸本佳子がピックアップ。自由な発想が導く、新たなスタイルがここに。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2026年5月号掲載)

ハンサムな色香が漂うそのスタイルの鍵となるのは、計算された抜け感。スカートからさりげなく脚を覗かせ、袖をラフにまくり上げ肌を見せることで、端正なムードに軽やかさをプラス。ベルトはあえて緩め、ローウエストからショーツを覗かせウエストラインに遊びを効かせて。

テーラードジャケットに、シャツとジーンズを合わせた正統派スタイル。そこに赤いハイネックを忍ばせ、流れるようなスカーフディテールでモダンなアクセントを添える。ウエストには、メゾンのシグネチャーをあしらったコンチョベルトを。シンプルを知る人だけがたどり着く、洗練のバランス。

白で統一したミニマルな装いに浮かび上がるのは、腰に巻きつけたマフラー。シャツから続くバルーンスカートの立体的なフォルムを引き立て、シルエットの流れを美しく繋ぎ合わせる。小物を自由に操ることで、スタイルはより自由な表情を見せる。

今季のランウェイで目立ったのは、スカーフを服のようにトップやベルトに通すという新たな提案。ユニークなフォルムを作り出すだけでなく、色や柄次第でその時のムードを自在に操れる。大判や長めの一枚をチョイスして、レイヤリングを楽しみたい。

ブラック、イエロー、ベージュの潔いカラーブロックは、日常に取り入れやすくもユニークな印象をもたらす。片側に垂らしたようなアシンメトリーのミニスカートを合わせて、コンテンポラリーなムードを引き立てて。

ストレッチ性のあるジャージー素材で仕立てた、コンフィーなドレス。足元にはフラットサンダルを合わせて、程よくカジュアルダウンを。ドレススタイルを気負わず楽しむ、現代のオケージョンスタイル。

爽やかなブルーストライプのロングシャツに、クリーンなホワイトジャケットとスカートを合わせた軽やかな装い。長く伸びるシャツの裾は片側だけタックインして、ビッグバックルのベルトをアクセントに。シャツのさりげないアレンジで、着こなしにリズムを生んで。

ビスチェが一体になったドレスは、片側のストラップを落として着るのが今の気分。そのわずかな崩しとシワ感のあるシルク素材が女性らしさに余裕をもたらし、ネオ・センシュアリティを演出する。

赤のデニムジャケットにテーラードジャケットを羽織った、メンズライクな装い。二連のベルトはあえてバックルを外し、ゼブラ柄のシューズとカラーソックスでアクセントを。どこか反骨的なパンクスピリットが漂う。

ワンピースとスカートを自由にレイヤードする楽しさ。バルーンのように大きく膨らんだスカートは、シルエットにドラマティックな立体感をもたらす。仕上げにレザージャケットを羽織り、甘さをクールに引き締めて。

スパンコールがちりばめられたドリーミーなニットに合わせたのは、スポーティなボディスーツ。その甘さと強さのコントラストが、エクスクルーシブな個性を映し出す。相反する魅力を遊ぶことこそ、スタイリングの醍醐味。
Photos:Kinya Fashion Director:Yoshiko Kishimoto Hair:Jun Goto Makeup:Yuka Washizu Edit&Text:Makoto Matsuoka Cooperation:Compartment.
