NYを拠点に活動するチャド・ムーアが映し出したのは、柔らかな光を浴びて輝く、ありのままの姿。田中杏子がピックアップした愛らしく自由なスタイルとともに、美しい瞬間が作り出すドリーミーな世界に浸って。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2025年3月号掲載)

ラッフルが美しいミニ丈のドレスは、オフショルダーやたっぷりとした袖のボリューム感で、大人の可愛らしさを演出する。柔らかい生地は風になびくたび揺れ動き、草木と優しく共鳴する。

アレッサンドロ・ミケーレによる、新生ヴァレンティノ。上品ながらも、シャツの首元にあしらったフリルやボタンの煌めきが、ミケーレらしいデコラティブでロマンティックな世界観を醸し出す。

美しく澄んだ空の色を映し出したかのように、鮮やかなブルーが目を惹くルック。トップに取り付けられたウエストマークのベルトは、正面は美しくタイトに、後ろで結んでキュートな印象を。重ねたネックレスや、両手に着けたブレスレットで、ジュエリーのレイヤリングも楽しんで。

「HOLYWOOD」の文字がプリントされた、ユーモラスなTシャツ。短い袖にぴったりとしたシルエットが、どこか懐かしくプレイフルな雰囲気を放つ。パステルカラーのトラウザーズを合わせて華やかに仕上げれば、気分はまるで映画の主人公。

セットアップに明るいカラーのアウターを重ねたら、エアリーなトレンドルックに早変わり。ジャケットは素肌に纏い、ショートパンツで程よく肌見せをして、センシュアリティを忍ばせて。

ボディコンシャスなシルエットに、Vネックから大胆に見えるデコルテ、そして真っ赤なジャージー素材が、凛とした美しい女性像を映し出す。ソックスのようにタイトなサイハイブーツを合わせて、自信に満ちたポジティブなパワーを纏って。

1955年、ムッシュ ディオールが作品の発表の場に選んだのは、スコットランドにあるザ グレンイーグルス ホテルのダンスホール。そこからインスピレーションを得たクルーズコレクションは、スコットランドとメゾンの歴史を再解釈し、新たな創造を生み出した。ブラックのベルベットをふんだんに使い、動きに合わせて揺れるドレスを身に纏えば、タイムスリップしたかのように体が踊り出す。

カジュアルな印象のジャンプスーツも、シルエット次第でエレガントな雰囲気に。Vネックラインや存在感のあるスクエアショルダーが角張ったシルエットを演出し、センタープレスが縦長のレッグラインを引き立てる。

キュートなドット柄のドレスは、よく見ると生地にしわ加工が施され、裾からは裏地が覗いている。自由を愛するミュウミュウガールらしい、フェミニンで反抗的なデザイン。薄手のニットとソックスを合わせたラフな装いで、気の向くまま遊びに出かけよう。

さまざまな着こなしを楽しめる、同生地を採用した3つのアイテム。着心地のよい柔らかな質感やナチュラルなカラーリングは、リラクシングなムードを誘う。上下を逆転させたような裾のデザインが、さりげない遊び心をプラスしてくれる。

ダークなフェミニニティを映し出す、ブラックのフェザー。ジャージーパンツで全体を締めれば、よりモードな印象に。力強くもエレガントな魅力が光るスタイルは、今を生きる女性の強い味方になるだろう。
Photos:Chad Moore Fashion Director:Ako Tanaka Hair:Hirokazu Endo Makeup:Kouta Model:Vitalina B. Edit:Shomi Abe Text:Makoto Matsuoka