田中杏子のリアル・モード 「color me new」
従来のスタイルにひねりを加えたアイテムが多く登場した2024年秋冬コレクション。田中杏子がピックアップする新定番の着こなしをそれぞれの色を映し出すコンテンポラリーな世界観とともにチェックして。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2024年10月号掲載)
ダークな雰囲気に潜むのは、ふんだんにあしらわれた甘いリボン。ロマンティックなドレスに毒を加えた着こなしは、まさにヌメロな女のニュースタンダード。ブラックのハットとブーツを潔く合わせた、媚びない愛らしさで魅惑して。
今季、新たな定番として躍り出たサイハイブーツ。まるでシューズの上からパンツを重ねたようなラップ型のフォルムとモダンなカラーリングは、大胆な長さでもコーディネートに取り入れやすい。ミニ丈と合わせて、粋な肌見せコーデの完成。
1920年代、スコットランド。かつて紳士服に使われていたツイードは、ガブリエル・シャネルによって初めて女性用のスーツとして取り入れられた。そんなメゾンのアイコンを再解釈し、現代の息を吹き込む。軽やかなカラーリングと合わせてラフに纏えば、新たな魅力が引き出される。
気分に合わせて、華やかなカラータイツを纏う。柔らかいオレンジと合わせたのは、煌めくビジューをあしらったジャケットと丸襟のシャツワンピース。まるで夢見る少女のようなフェミニンムードに、心をときめかせて。
ボディコンシャスなシルエットは、いつの時代も女性の魅力を加速させる。ボリューミーなアクセサリーと華奢なピンヒールでニュアンスを加え、美しい身体をよりくっきりと映し出した。気品と強さが光る、挑戦的な装い。
秋冬定番のカーキを、動くたびに表情を変える軽快なドレスに乗せて。3つのカラーのファブリックが巧みに交わり、流れるような美しいシルエットを描く。繊細に編まれたミュールを合わせて、プレイフルな空気を運んで。
どんなアイテムもリュクスにまとめ上げるゴールドの魔法。クラシックなムードのチェックに、艶やかなボタンやピアスがアクセントになる。クロップト丈を取り入れて、大人の可愛さも忘れずに。
60年代を彷彿とさせるセットアップは、ペールトーンのイエローとスーパーミニ丈で、現代のエッセンスを加えて。フレッシュなカラーに身を包めば、身も心も軽やかに踊り出す。
コンフィーなグレーのニットジャンプスーツにアイコニックなゴールドベルトを添えた、組み合わせの妙が光る新たなスタイル。肌触りの良いニットは、ずっと着ていたくなるような心地よさ。あえてリラックスウェアをチョイスして、ユニークな小物使いを楽しんで。
タイムレスに輝くテーラードジャケットに腕を通せば、たちまちスタイリッシュな雰囲気に。一面をメタルメッシュが覆う贅沢なデニムに、足元はポインテッドトゥをオン。オーセンティックなスタイルを味方につけて。
赤という武器を手に入れたレディは誰よりも強く、しなやかに輝く。ドレスだからこそ赤一色で勝負して、周囲の目線を奪って。絡み合う生地からは素肌が覗き、センシュアルな魅力がさらに引き立つ。
構築的なフォルムで魅せる、スポーティアイテムの新たな着こなし。ミニスカートを合わせることでエアリーなムードを放つ。1色でまとめたシンプルなカラーリングも、異なるテクスチャーによって彩りが生まれる。
トレンドのチェック柄も、ただ着るだけではつまらない。タータンチェックを大胆にあしらったドレスは、裾に向かってぼかしが加えられたアートな感性が光る1着。トロンプルイユのようなグラフィカルなデザインが遊び心をくすぐる。
Photos:Seiji Fujimori Fashion Director:Ako Tanaka Hair:Yusuke Morioka Makeup:Yuka Washizu Model:Mel Van Roemburg Edit:Shomi Abe Text:Makoto Matsuoka