田中杏子のリアル・モード「human X」
激動の時代に求められるのは、アイデンティティの確立。そんな現在・未来へと歩んでいくうえで理想とする服が発表された2020-21年秋冬コレクションより、田中杏子が気になるルックをピックアップ。最旬ファッションを身に纏って“自分らしさ”を手に入れて。(『ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)』2020年11月号掲載)
genuine mode
human X
ダークを孕んだナイトスタイル
ナイトクラブのような会場で、ミウッチャ ・プラダの表現するグラマースタイルを魅せたミュウミュウ。ダークロマンティック&クラシックの相乗効果で、自由でチャーミングな女性像が浮かび上がる。漆黒に浮かぶ可憐なフラワー
浸水されたスタジオで、水面を蹴るようにモデルが闊歩したショーが話題となったバレンシアガ。クチュール感の漂うアイテムに、あらゆるコードが混じり合い、モードなワードローブを提案した。黒を基調としたドレスには、鮮やかな色彩を差し込んで、インパクトのある個性を。
自由なマインドで着こなすチェック
アート集団のクレール・フォンテーヌが会場をデザインした今季のクリスチャン ディオールは、女性への強いメッセージが溢れていた。ムッシュ・ディオールが愛したと言われているチェックで彩られたドレスには、ブーツを合わせて確固たる意志を主張して。
心惹かれるニュー・ロマンティック
クチュリエの繊細な手仕事がうかがえる、ロマンティックなヴァレンティノのドレス。ブラックの中に鮮やかに咲き誇るフラワーモチーフはどこか儚げで、女性らしい美を引き立ててくれる。流れるようなカッティングのドレスに身を任せて、自らを解き放とう。
ミステリアスな瞳の奥に
アートシアターのスクリーンに映し出される、ヒロインの謎めいた美しさから着想を得たジバンシィ。大胆なカラーリングが、包み隠されていたセンシュアルな魅力を解き放つ。
Photos:Takaki_Kumada Fashion Director:Ako Tanaka CG Director:Sohei Saito Hair:Tetsu Makeup:Kouta Edit & Text:Midori Oiwa,Shiori Kajiyama Cooperation:Shibuya Sky