ファッションストーリー「ある秋の日に紡ぐ、パリの友情物語」
今だからこそ、楽しい時間を共有できる友人たちとの絆をより大切にしたい。各ブランドから登場した、クラシックスタイルやブルジョワジー、かつてのユースなどにアイデアを得た2020年秋冬コレクションのトレンド。そんなファッションも仲間と一緒に、ネイチャーを感じながら個性的に自由に纏えば、思い出は格別なものへ。(『ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)』2020年9月号掲載)
Fashion Story
joy of being together
ボーダーレスなマインドを纏って
さまざまな時代のスタイルを融合させるコレクションとなったルイ・ヴィトン。バイカージャケットのようなレザーやシアー、エナメル素材によるスポーティ×ブルジョワジーのラッフルスカートで表情豊かに。近未来なオールインブラックを楽しみたい。チェーンで縁取られたバッグとブーツもポイント。クラシカルを今っぽく弄ぶ
レディは、ヌーベルヴァーグの白黒映画のような雰囲気ながらもシルエットがユニークなファーコートを。メンズは、ダブルカラー部分にレッドの差し色が入ったチェック柄のスーツを着て。どちらも個性を楽しめるクラシックスタイル。
ルールに縛られないジャズシンガーのように
グラマーさとチャーミングさこそ、今のスマートな女性に必要と謳ったミュウミュウ。シワ加工サテン生地のピンクブラウンのドレスに、ブラウンのコートを羽織ったシックな装いはレディな気分を上げてくれる。対して右ページのビジューを贅沢にあしらったドレスは、フロントのVラインより下がシースルーとなった、ブランドらしいキュートなデザイン。
ガールズが魅せるニューエレガンス
シャネルの象徴でもあるツイードのセットアップに合わせたレースのトップスとクロスモチーフのベルト。フローラルの刺繍が美しいバーガンディのセットアップは、プリーツのカラーとゴールドのボタンがさりげないアクセント。また新しい時代への飛び立ちを連想させるペガサスモチーフパターンのレースがあしらわれたジャケットにはロマンティシズムが。ロゴパターンのシアータイツなど、全体的にピュアで飾りすぎない新エレガンスを体現して。
フェミニズムとユースのパワーを感じて
70年代のティーンからインスピレーションを得たディオール。チェックのブランケットのようなアンサンブルやドレススタイルに、当時の女性のアイコンスタイルを作り上げたとも言えるマルク・ボアンのクリーンでスマートな要素も取り入れてコンフィーに。右ページは、丁寧に色とりどりの植物が刺繍されたコートとシースルードレスやフィッシュネットソックスを合わせてユースの溢れるエネルギーを纏うような気持ちに。
デリケートに華やぐレディ&ジェントルマン
スタッズやビジューの装飾やブルーのストリングスなど、フリンジスカートが特徴のプラダ。トップはコートやベストなどフォーマルな印象ながらもフラワーモチーフやビーズフリンジで、女性らしい繊細な強さを強調して。メンズはクラシックかつモダンな装いをチアフルに纏って。
洗練されたハードロマンス
ロック&ロマンティックをブルジョワスタイルへ落とし込んだ、セリーヌのコレクション。ビジューやスパンコールでオールエンブロイダリーで仕上げた煌めくドレスには、フリルカラーのトップが印象的なジェンダーレスなスタイルでカップリング。
Photos : Sofia Sanchez & Mauro Mongiello Stylist:Felipe Mendes Hair:Seb Bascle Makeup:Tiziana Raimondo Manicure:Christina Conrad Model:Caroline Reuter, Ethan Haddad, Irene Guarenas, Lauren Ernwein, Luca Heintz, Oudey Egone Edit & Text:Midori Oiwa