大石絵理の2020年秋冬パリコレファッションダイアリー | Numero TOKYO
Fashion / Feature

大石絵理の2020年秋冬パリコレファッションダイアリー

2020年2〜3月に開催された2020年秋冬のパリファッションウィークに、今年も大石絵理が参加! ランウェイに登場した新作や自身のスナップをフォトダイアリーでお届けする。

20FW Paris Fashion Week
Eri’s Fashion Diary

テレビや雑誌で活躍し、「大のファッション好き!」と語る大石絵理が、去年に引き続き今年もパリファッションウィークに参加! 各メゾンから発表された2020年秋冬コレクションを、彼女ならではの視点でレポート。大石絵理の、今年の注目アイテムとは?

Chaumet

今回のファッションウィークは、ショーメ(Chaumet)のプレゼンテーションからスタート。

もともと邸宅だった建物を改装した「CHAUMET Vendome」本店で行われたのですが、壁には優しさを象徴するハミングバードが描かれていたり、楽器を弾く天使の絵画があったり、細部までこだわりが詰まっていて心温まる空間でした!

240年間、アトリエマスターが途切れることなく続いているとのことで、今のアトリエマスターの方の写真も飾られていました。ダイニングルームは「パールのお部屋」と名付けられているそうです♡

ティアラの模型をつけさせてもらいました。ここから一つひとつダイヤモンドをはめて、角度を調整して、作っていくそうです。ひとつのジュエリーを作るのに約2カ月ほどかかるとのこと。

ショーメでは、600万円後半からハイジュエリーと呼ぶそうです。クイーンという言葉がぴったり! どの角度から見ても抜け目なく完璧な輝きでした。憧れを裏切らなかった。

Michino

注目のバッグブランド、ミチノ(Michino)のプレゼンテーションへ。毎シーズン違う国をテーマにデザインしているそうで、今回はブラジルのリオデジャネイロ。コンセプトが新しくておもしろい♡

私たちが持っているバックには「Say what you want」というテーマがあり、好きな言葉を入れられるの! “SALUT“は、日本人デザイナーのYasu Michinoさんが17年前、パリに来たときに初めて覚えた言葉が“bonjour”だったことから、その頃を思い出してポルトガル語で同じ意味の言葉を選んだそうです。そして、バックのバーコードを読み取ると、リリースページやルックブックにそのまま繋がって驚きました‼️

写真は新シリーズの「Share what you want」。最後のモノクロカラーのバックは、プールに浮かびながらプールの底を見たときの図なんだそうで♡ 言われてみたら……確かに! ところどころ歪んでいるのが可愛い♡ 置くだけで心が踊る。ビビットカラーでパッと明るくて、元気をシェアしてもらいました!

Koche

初めて見たコシェ(Koche)のショー。前を向くような強いメッセージを感じつつ、スペース感を漂わすコーディネートでエッジが効いていてクール。

……と思ったら、男女のカップルが歩み寄り、抱き合いながら、フォリナー(Foreigner)の『I Want to Know What Love Is』とともにフィナーレ。キリッとした気持ちが一気に溶け落ち、柔らかく、ロマンティックな空気に染まり、素敵な演出でした。

個人的には、鮮やかなレッドとパープルのコーディネートが、インパクトのあるカラー同士ながら意外とまとまっていて、好み❤︎

Christian Louboutin

クリスチャン ルブタン(Christian Louboutin)のカクテルパーティーで気になったアイテムたち。

バック2つは、“お昼のパリの街”と“夜のキャバレー”をイメージしたチャリティーバック。カラフルなパンプスは、インナーソールも従来のベージュではなく、初めて同系色に仕上げているのだそう。

そして、ボリュームを出せる厚底のヒール。これは絶対履きやすいし、存在感も抜群で、パリコレなどファッションイベントでも活躍してくれそう!

ダウン生地で作られたショートブーツも気になるアイテム! これひとつあればワンシーズンおしゃれガールになれそうです♡

Saint Laurent

エッフェル塔のふもとで開催されたサンローラン(Saint Laurent)のショーでは、コートやブーツ、ドレスまで、すべてのルックがラバーのコーディネートで統一。実際には、見た目よりも柔らかくて伸縮性がありました。

ロックンロールで、パワフルでかっこいい。そしてシンプルで、タイトでセクシー。ブラックベースに、パープルやマスタード、ピンクなどのカラーが加わり引き立てられていました♡ かっこいいんだけど、どこか女性らしさもあり……。

私のコーディネートも全てサンローランです。

Dior

ディオール(Dior)のショールックを本社にて見せていただきました。エレガントとスポーティがミックスされていてとても好み……。フリンジ、プリーツ、フィッシュネットのネクタイなどが目立っていました♪

ワンピースのプリーツは、トップはフィットし、ウエストから下がフワッと広がるようにアシンメトリーに裁縫されていました。

そして、驚いたのが移動式のクローゼット。旅行先でもそのままお洋服が広げられるんだって! どのアイテムも本当に細かくて繊細に作られていて、もっと好きになりました♡

デザイナーのマリア(・グラツィア・キウリ)さんのお母様もクチュールデザイナーだったそうで、当時(70年代)の影響を受けているそうです。フェミニズムも強調されていて、デコルテがあいたドレスなど、シルエットが本当に美しかった。次シーズンの淡色のバックや、スケルトンも今っぽくて可愛い。写真は私の好きなルックを集めたのでぜひ見てみてください♡

Roger Vivier

ロジェ ヴィヴィエ(Roger Vivier)のプレゼンテーションは、ホテルをイメージした建物で行われました。廊下や階段でさえも抜け目なく作られていて、夢のような空間。“五感”がテーマになっていて、それぞれのお部屋がありました。

“聴覚”では、ブクブクとジュースを吸う音や、靴がおしゃべりしていたり。“触覚”ではピンクのファールームで、何もかもがふわふわでした♡

“嗅覚”のお部屋にあるハイヒールは、ガラスケースに香りが閉じ込められていました。“視覚”を刺激されたのは、真っ暗な部屋の中で蛍光に光るライブペインティング。“味覚”のお部屋に入ると、キラキラの大きなケーキがお出迎えしてくれました❤︎

最後には“第六感”のお部屋があり……占い師さんが水晶を操っていて幻想的な世界観に。ゴージャスさに垣間見える毒っ気がスパイスになっていて、刺激的な空間でした♡

Officine Universelle Buly

オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー(OFFICINE UNIVERSELLE BULY)のブティックにて朝食会に参加させて頂きました。

ビュリーは1803年に、写真にもある水香水を初めて発売したブランドで、“変わらないずっといいもの”と“変わりゆく美しさ”を兼ね揃えていました。

スパが新しくでき、名前を入れられるラッピングサービスもできたそうです! 文字やラッピングペーパーもたくさん種類があり、プレゼントにぴったり。ラッピングだけだと15€からオーダーできるそう。

朝食にはシュガーのクレープ、ブルーベリーと、美味しいコーヒーをいただきました! フランスのブレックファストという感じで楽しい経験になりました。

Loewe

ロエベ(Loewe)では、前回に続きヘッドアクセが登場。今回はフェザー素材でした!

そして、裾か袖にはボリュームがたっぷり。丁寧に作り込まれているのがRe-seeでも見ることができました。シンプルながら大胆さも兼ね備えていて、柄も素材も全てがエレガント。

日本からもインスピレーションを受けているそうで、和柄もいくつかのアイテムに見られました。まるで自分たちを好んでもらえているような感覚で嬉しい。

Maison Margiela

メゾン マルジェラ(Maison Margiela)のカプセルコレクション「レチクラ(Recicla)」。“リサイクル”“アップサイクル”“レプリカ”の言葉を合わせて、ジョン・ガリアーノ(John Galliano)が名付けたそうです。

なので、お洋服は全て一点物。もう二度と同じものはできないかもしれないというドキドキ感。コレクションには全て「レチクラ」のタグがついていて、何から作られているかわかるのです!

オートクチュールとプレタポルテがミックスされたこのコレクションは、縫い掛けのまま跡が残っていたり、ニットが逆さまだったり、素晴らしいクリエイションでした。完璧ではないようでいて、なぜかとてもスタイリッシュに見える。

クロコダイルのスカートはプリントだそうですが、本当にリアルで美しかったです。動物や環境にも優しいマルジェラのコレクションに感性を刺激されました。

Delvaux

フランスの老舗バックブランド、デルヴォー(Delvaux)では、“夜の森”がテーマ。森の中で光り輝くバック達のプレゼンテーションは、煌びやかで尊い物でした。

会場を入ると、リアルフェザーがあしらわれたゴージャスなバックがお出迎え。そして、バックに描かれた鳥は、開けたり閉めたりすると鳥が羽ばたいて見えるのです。他にも、描かれた模様にフクロウが隠れこんでいたり……。

それから、遊び心ある絵文字のアイテムや、シースルーテキストで書かれた定番コレクション。とにかく、小さなバックが今っぽい。携帯とリップだけサッと入れて、キラキラ光る宝石のようなバックたちと夜の街に繰り出したい……♡

Valentino

ヴァレンティノ(Valentino)のホワイトコレクションでは、白を引き立たせるために他のアイテムに色をつけているそう。

今回気になったのはフェザーアイテム。Tシャツやドレス、シューズやバックにもフェザーが。柔らかさがあって女性らしいのにとてもスタイリッシュ。どんなアイテムと合わせても相性が良さそうで、ひとつはゲットしたいピースです。

そして、コットン素材のドレス。フリルがあしらわれていてボリューム感たっぷりなのに、ボディにスッキリとフィットするシルエット。夢の詰まったヴァレンティノの空間に癒された夜でした。

Hermes

エルメス(Hermes)では、ブルジョワな人たちが楽しんだ遊び、“hunting, horse riding, picnic”がテーマ。バックやお洋服にもそういった遊びで使われるアイテムが施されていました。

特に好みだったセーターは、淑女が好んだシルエット。首元につけられたチョーカーが、取り外し可能でスカーフにもできるという優れもの。写真からも伝わるくらい上質で触り心地のいい生地。見ているだけで心に余裕ができるような、エレガントな空間でした。

Thome Browne

初めてトム ブラウン(THOM BROWNE)のショーを見させて頂きました❤︎ 会場には雪が積もっていて、音楽はピアノベース。

そんな幻想的な世界観で行われたショーは、男女で同じ服を着ているルックが目立っていて、いまの時代らしいジェンダーレスなものでした。男性のルックでも、チュチュのような可愛らしいアイテムやスカートもありました。

ジャケット型のボトムや、ボトム型のジャケットもあり、エレガントさを残しつつもユーモアに溢れていた! まさにファッションとアートの融合。カップルで着ていてもとってもかわいい! 見ていて心がはずむショーでした!

私が着ているのも、すべてトム ブラウンです! 肌に馴染む淡いグリーンがかわいい♡ そして一緒に写っているのは、編集長の杏子さん。ふたりともトム ブラウンを着ていたので撮ってもらいました❤︎

Photos & Text:Eri Oishi Edit: Kefa Cheong

Profile

大石絵理Eri Oishi 1993年生まれ、東京都出身。ファッションモデルを中心に、近年はバラエティ番組にも多数出演し、タレントとしても活躍。Instagram @erioishitokyo

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