Culture / Feature

アーティストが改めて考える“家族” vol.4 浅田政志

急激な変化を余儀なくされたいま、あらためて日常とはなんと愛おしいものだろう。写真で表現するアーティストたちにとっての、家族のつながりとは。大ヒット上映中の映画『浅田家!』で二宮和也演じる主人公のモデルとなった写真家、浅田政志の場合。(『ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)』2020年10月号より抜粋)

『最初の一枚』
『最初の一枚』

家族写真を撮る日、それが僕たちの記念日

一枚の写真で表現する……当時通っていた専門学校から出された課題の答えが、家族の写真だった。「一生に一度しか写真を撮れないとなったら何を撮るか。いろいろ考えた結果、それが家族写真だったんです。しかも自分も入れて家族4人を撮ったほうが、一生の一枚にふさわしい」

家族全員が共通する過去の思い出をたどり、その思い出を家族で力を合わせて再現して撮影していくうちに、家族の中でさまざまなアイデアが飛び交うようになっていったそうだ。その家族撮影を約7年ものライフワークとして撮影をした結果、家族写真の集大成『浅田家』が誕生した。

「あるがままの真実を写すのではなく、まるで映画のワンシーンのように場面を作り込むスタイルをとっています。僕は『記念日を作る、記念写真』と言っているんですが、家族で協力し合って撮影をしたその日が、思い出深い記念日になる。その写真を何十年後かに見返したときに、感動があり、家族という存在に思いを馳せることができるのではないかと思っています」

人生の約3分の1の時間を過ごすであろう家は、自分にとってコアな場所だという浅田。家族との強い絆をさらに感じることができるよう、新たな家族が増えた今も家族写真を撮り続けている。

アーティストが改めて考える“家族”

Interview & Text:Kana Yoshioka Edit:Mariko Kimbara

Profile

浅田政志Masashi Asada 1979年生まれ。日本写真映像専門学校卒業。代表作『浅田家』では自身の家族を被写体に撮影し、2009年に第34回木村伊兵衛写真賞を受賞。10月2日より著書を題材にした二宮和也主演の映画『浅田家!』が公開予定。

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