【Editor’s Letter】“私”を編集するということ | Numero TOKYO
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【Editor’s Letter】“私”を編集するということ

2025年10月28日(火)発売の『ヌメロ・トウキョウ(Numéro TOKYO)』2025年12月号に寄せて。編集長・水戸美千恵からのエディターズレター。

情報があふれ、あらゆる価値観が交錯するいま、私たちは無意識のうちに他者の“美意識”とすり合わせながら生きているのかもしれません。
時には立ち止まって考えてみませんか。私の「好き」は、本当に私のためのものでしょうか。

クリエイターたちに取材をしていると、皆さんそれぞれの方法で「セルフキュレーション(自己編集)」をしていると感じます。自分の琴線に触れるものを選び取り、自身の美学を描き出す。今号では、ファッション、アート、ライフスタイル、そして人。さまざまなクリエイターたちが実践する「セルフキュレーション」に焦点を当てながら、“私”の感性を信じて生きるヒントを探ります。

特集「セルフキュレーション」では、哲学者の谷川嘉浩さんに「流されない自分の作り方」について話を伺いました。「自分を安易に定義づけない」「自己満足を肯定する姿勢こそ大切」など、こうありたいと思う“私”に近づくための自己編集の重要さが伝わります。

何かを成し遂げたり、発信することが目的ではありません。ただ、自分の価値観や美学に響くものを一つ一つ大切に拾い上げていく。それが“私”という存在を形づくっていくのだと思うのです。

life in layers

パリ発の上質なリアルクローズブランド「セザンヌ」。2013年にモルガン・セザロリーが立ち上げ、瞬く間にパリジェンヌを魅了。欧米各地に16店舗を構え、昨年には日本語の公式ECもオープン。他ブランドとのコラボもいつも話題。次なるコラボでときめいたのは「アントワネット・ポワソン」。美術修復を学んだフランス人アーティスト3人組が手がける伝統製法を再現したプリントが特徴のブランドで、その独特なプリントがブラウスやポーチに。これは買い! 

いつの頃からか作庭好きに。明治時代以降、京都・南禅寺界隈には政府要人や財閥によって別荘が建てられています。その一つが「對龍(たいりゅう)山荘」。庭園は七代目小川治兵衛の作庭。1988年に国の名勝指定に。現在は株式会社ニトリホールディングスが所有し、会長の「広く一般の方に見ていただくのが使命」という思いから建物(24年に国指定重要文化財)も庭も修復され、昨年から一般公開されることとなりました。東山の借景との一体感のある池泉回遊式庭園は大滝も見事で、別な季節にまた訪れたい。

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Profile

水戸美千恵Michie Mito 編集長。大学時代にジャーナリストアシスタント、ライターとして書籍、雑誌に携わる。卒業後扶桑社へ入社し、女性ファッション誌を経て『NumeroTOKYO』創刊1年目より副編集長に就任。連載「YOUのテキトーく」「佐久間由美子が聞く 女性表現者たちの闘い」を担当。好きなものは、ファッション、食、旅、アート。座右の銘は「いつも心にナンシーを」。
Instagram: @mitomichie
 

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2025.11.28 発売

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